消費者物価指数41年ぶりに4%上昇  週刊漫画誌はいくら値上がりしている?

 総務省は1月20日、全国の2022年(令和4年)12月分及び2022年(令和4年)平均の消費者物価指数を発表した。発表によると、前年同月比は4.0%の上昇となり、前月比(季節調整値)では0.3%上昇したという。この上昇幅は第二次オイルショックがあった昭和56年(1981)以来で、実に41年ぶりだという。

 長引くコロナ禍に伴い、食料品や日用品など、様々な分野で値上げのニュースが報じられている。それは、週刊漫画雑誌とて例外ではない。記者が子どものころは「週刊少年ジャンプ」が190円~200円くらいだったと記憶しているが、今はいくらになっているのだろうか。価格の推移を見てみよう。

 「ジャンプ」が創刊されたのは昭和43年(1968)である。この時は週刊ではなく月2回の刊行で、90円だった。ところが、昭和48年(1973)には120円となり、一気に30円も値上がりしている。日本列島改造論を唱える田中角栄内閣の誕生で土地の投機がブームとなり、追い打ちをかけるようにオイルショックも発生したことで、物価が急激に上昇したことなども背景にあろう。人々がトイレットペーパーの買いだめに走る写真は歴史の教科書にも掲載されているが、雑誌に不可欠な紙の価格も上昇し、定価に転嫁されたとみるべきである。

 以後、しばらく100円台が続いていたが、バブル景気が崩壊しつつあった平成2年(1990)でも190円だった。その後、平成8年(1996)には200円になり、翌年は消費税が5%になったことで210円に上がる。そして、令和5年(2023)の最新号(1月20日現在)は300円(特別定価)となっている。「ジャンプ」が100円玉3枚を握りしめないと買えない価格になってしまった。

 参考までに1月20日現在の、他誌の最新号の定価も見てみよう。意外にも少年漫画雑誌は定価に幅がある。「週刊少年マガジン」は320円、「週刊少年サンデー」が360円、「週刊少年チャンピオン」が330円で、「ジャンプ」がもっともお手頃である。

 青年誌はどうか。「週刊ヤングジャンプ」が440円、「週刊ヤングマガジン」が480円、「モーニング」が430円、「ビッグコミック」が460円である。「ジャンプ」は漫画雑誌としては安い部類であり、子どもがなんとかお小遣いで買える範囲内といえる。しかし、長引くコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻の影響で、紙の価格上昇が起こっている。1970年代のオイルショックのような経済の混乱が起こってしまえば、今後、段階的に雑誌の価格は上昇していく可能性が高いと考えられる。

 なお、古書店「まんだらけ」では、1980年代に出版された一部の「ジャンプ」の高騰が起こっているが、これは『ドラゴンボール』の連載開始号などの記念すべき号だからである。手塚治虫の『新寳島』など、ヴィンテージコミックの値段も高騰している。ただし、これはあくまでもマニアの需要の高まりに伴うもので、消費者物価指数と直接的な関係はないと見ていい。ただし、年月を経たことによる希少性の高まりや、熱心な海外のファンが買い求める傾向もあるため、値上がりはしても下がることはないジャンルといえよう。

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