週刊少年ジャンプ、『ONE PIECE』や『ヒロアカ』がスタートした号の掲載作品は? 磐石の連載陣と新連載は“黄金期”に向かうか

 2022年の「週刊少年ジャンプ」は、『HUNTER×HUNTER』の約4年ぶりとなる連載再開&週刊連載の終了、最終章を迎えている『ONE PIECE』や『僕のヒーローアカデミア』の盛り上がりに、いまや看板作品になった『呪術廻戦』の好調と、話題が豊富な一年だった。

 同誌の漫画アプリ「少年ジャンプ+」の作品も含め、アニメ化などいいニュースが多く、本誌においては近年の人気を牽引してきた人気作はほぼ残っている。2022年に連載が終了した作品で目立つのは『Dr.STONE』(連載開始は2017年)で、その他は2020年以降の若い作品たちだった。「新陳代謝が早い」とも「見切りが早い」とも言えるが、強い作品はどっしりと残っている。

 連載作品に安定した力があると、新作でのびのびとチャレンジができるということだろうか。「落語」をモチーフに着実に人気を高めている『あかね噺』に、ぶっ飛んだ設定で優しい日常を描き、瞬く間に人気作となった『ルリドラゴン』(現在休載中)、「少年ジャンプ+」で大ブレイクした『タコピーの原罪』の作者・タイザン5の新作『一ノ瀬家の大罪』に、ヒットメーカー・西尾維新が原作を手がける『暗号学園のいろは』など、2022年にスタートした作品には尖ったものが多い。

 振り返りたいのは、現在の人気作が連載を開始したときの連載陣だ。文化庁「メディア芸術データベース」を当たってみると、『ONE PIECE』が連載を開始した1997年34号に掲載されていたのは、以下の通り。

 『I”s』(桂正和)、『るろうに剣心』(和月伸宏)、『ジョジョの奇妙な冒険」(荒木飛呂彦)、『世紀末リーダー伝たけし!』(島袋光年)、『封神演義』(藤崎竜)、『JOKER』(山根和俊)、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治)、『WILD HALF』(浅美裕子)、『BOY-ボーイ-HARELUYAⅡ』(梅澤春人)、『地獄先生ぬ~べ~』(岡野剛)、『花さか天使テンテンくん』(小栗かずまた)、『みどりのマキバオー』(つの丸)、『幕張』(木多康昭)、『遊☆戯☆王』(高橋和希)、『Wrestling with もも子』(徳弘正也)、『陣内流柔術武闘伝 真島クンすっとばす!!』(にわのまこと)、『魔女娘ViVian』(高橋ゆたか)、『キャプテン翼ワールドユース編』(高橋陽一)。

 漫画雑誌の“過去の目次”は時折話題になっており、時間が経てば当然、評価の定まった作品が多くなるため豪華に見える、ということはあるが、期待の新星である『ONE PIECE』が埋もれるほど読みどころ満載だ。

 それでは、『僕のヒーローアカデミア』がスタートした2014年32号はどうだろうか。

 『黒子のバスケ』(藤巻忠俊)、『ワールドトリガー』(葦原大介)、『食戟のソーマ』(佐伯俊)、『ONE PIECE』(尾田栄一郎)、『ハイキュー!!』(古舘春一)、『暗殺教室』(松井優征)、『NARUTO-ナルト-』(岸本斉史)、『斉木楠雄のΨ難』(麻生周一)、『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~』(仲間りょう)、『ニセコイ』(古味直志)、『火ノ丸相撲』(川田)、『トリコ』(島袋光年)、『BLEACH』(久保帯人)、『銀魂』(空知英秋)、『ILLEGAL RARE』(椎橋寛)、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治)、『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博/※特別企画を掲載)、『Cave Of Shine』(双刃美)。

 こちらも人気作がずらりと揃っており、熱いヒーローものという枠に『ヒロアカ』がうまく収まった格好だ。ちなみに『ONE PIECE』はこの時点で752話を数えており、巻数にして75巻、いわゆる「ドレスローザ編」で盛り上がっていた。

 あらためて現在の連載作品を見てみると、アニメ化作品が多く、良作が揃っている。チャレンジングな新連載が人気を確立すれば、また一つの「黄金期」が生まれるだろう。個人的にはスポーツ漫画にヒット作が生まれてほしいと思うが、ジャンプフリークの皆さんは2023年、どんな新連載に期待するだろうか。

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