『ブレス（２）』園山ゆきの

　メイクアップアーティストを目指す男子高校生・アイアとモデル志望の女子高生・炭崎が織りなす、夢追い人たちの青春ストーリー『ブレス』。……と言いながらも、青春なんて爽やかな要素より夢を追うことの残酷な現実、そしてそれでもなお夢に向かって歩むことを辞めない“ギラついた野心”がページいっぱいに迸る本作。

　待望の最新刊2巻では、メイク技術向上のためスクールに通い出し本格的に夢への一歩を踏み出すアクアだが、そこで待ち受けるのは自分よりも長く業界に身を置き、類まれなる才能を持つライバルたち。けれど、そんな自分の力不足や劣等感さえも武器にして、一歩一歩前進していくアクアの姿は必見だ。

『光が死んだ夏（２）』モクモクれん

　ずっと一緒だった幼馴染の光がこの世の者ではない“ナニカ”と入れ替わってしまった。例え、光が偽物でも良いからずっと自分の側にいてほしいと願うよしき。光の入れ替りと同時に町は怪異に見舞われ始め、ついには死亡者まで出てしまう。このままではいけないのだと頭では分かっていても、むしろ2人は互いに求めあい執着していく…….。

　封鎖的な田舎、因習、呪いといった、ジャパニーズホラー特有の陰鬱な雰囲気、そして友情を超えて狂気と悲哀に満ちた2人の関係性といった、作中に漂う眩暈がするような湿度の高さと重い空気感がたまらない。最新刊2巻で明かされる、光が入れ替わってしまった時の真相。そして、そんな光に対抗するかのように登場した只ならぬ新キャラたち。季節はすっかり秋だが、この“夏”はまだまだ終わらないし、これからもずっと魅了されていくのだと思う。