【レース漫画】超絶ドライビングテクニックをもつレーサーは誰? 佐藤琢磨が愛読する作品も登場

赤木軍馬 『F』

六田登『F(エフ)』(小学館)


  F1とインディカーの両方の表彰台に立った唯一の日本人レーサーである佐藤琢磨が、愛読書の一つとしてあげているのが六田登原作のレーシング漫画、『F』。1986年から1992年まで『ビッグコミックスピリッツ』に連載され、TVアニメでも放送された。

 その主人公が、F1レーサーを目指す赤木軍馬。非常に気が荒く、女好きという性格で、友人が少ないという欠点を持っていたが、ドライビングテクニックは超一流。「何人たりともオラの前を走らせねえ」という台詞が口癖となっていた。

 荒くれ者だった軍馬はモータースポーツ界で研鑽を積み、F1レーサーにまで上り詰めた。負けん気の強い走りと、彼が辿った運命は、強いインパクトがあった。

 まるで、ロン・ハワード監督が、1976年のF1世界選手権にスポットを当てた「ラッシュ」にも登場したジェームズ・ハントのような存在とも言えるが、トップに立っても手を緩めることなくどんどんと差をつけていく赤木のドライビングテクニックはまさに負けん気の強い赤木ならではであった。

ケン・アカバ 『赤いペガサス』

村上もとか『赤いペガサス』(小学館)


 1977年から79年に『週刊少年サンデー』で連載された『赤いペガサス』。日本ではまだマイナーだったF1の世界を描いたもので、ニキ・ラウダやマリオ・アンドレッティら当時のF1ドライバーが実名で登場したことでも知られる。

 その主人公として登場したのが、日系英国人のケン・アカバ。天才的なドライビングテクニックを持ち、わずかデビュー1年でF5000王者になるなどしたが、大事故を起こしたことでF1チームのメカニックに転向する。

 しかしレーサーとしての血が抑えきれなくなり、現役復帰。F1の舞台で、再び活動することになった。

 日本で始めてF1というジャンルに注目した媒体と言っても過言ではない『赤いペガサス』。ケン・アカバの功績も大きなものがあると言えそうだ。

ルパン 『ルパン三世』

モンキー・パンチ『愛蔵版 ルパン三世 』(中央公論社)


 言わずとしれた名作『ルパン三世』。アニメ版の第1作第1話「ルパンは燃えているか」で、ルパンが「飛騨スピードウェイ」で行われたF1のレースにドライバーとして参加している。

 この回ではルパンがF1マシンを操りながら、事故に見せかけて殺そうとする犯罪シンジケート・スコーピオンが仕掛けた罠をかわしていく。ちなみに銭形警部もF1マシンに乗り、同じレースに参加し逮捕の機会をうかがっていた。2人のドライビングテクニックはプロレベルといえそうだ。

 本物のモータースポーツ観戦も魅力的だが、レーシング漫画も手に汗握るシーンが多数ある。ぜひ漫画の中のレーサーたちのドライピングテクニックに注目してみよう。

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