THE RAMPAGE 藤原樹が語る、小説『BOT』で描かれるメンバーの関係性 「実際のグループと重なる部分がある」

自分たちがアニメになるなんて夢のようなこと

――各キャラクターの口調も、一人ひとり個性が出ていて印象的でした。キサラギは終始敬語で話していますね。

藤原:敬語は僕が指定したわけではないのですが、財閥の御曹司だから、そういう教育を受けてきたという背景があるのだと思います。誰にでも敬語で、それでいて、しっかりみんなを引っ張っていくような立ち位置で。最年少の昂秀(≠エイノット)にも、敬語を使っていました。

――普段は年下メンバーには敬語を使わないから、不思議な感覚があったのでは?

藤原:いや、昂秀にはいつも敬語なので……というのは冗談ですけれど(笑)。普段とは違う口調も、キサラギという役を通してなら違和感なく聞こえると思いました。

――そんな違いもありつつ、とくにキサラギと自分の違いを感じる部分はどこでしょうか?

藤原:キサラギは“プロテクト(守護)”という“異能(スキル)”に目覚めたことで人生が大きく変わるのですが、僕は小さい頃の夢がアーティストだったので、他の仕事や生き方を考えたことがなくて、自分が好きなダンスを仕事にしたいということしか考えてこなかったんです。なので、そのために今までやってきたことを思うと、今こうしてTHE RAMPAGEとして活動しているのも必然というか。僕としては、当たり前の未来のように感じています。そこが大きな違いだと思います。でも、自分の力だけでここまで来たわけではなくて、周りの環境が導いてくれた部分も大きいので。現状に満足せずに、さらに努力していこうと考えています。

――歩んできた道は違っても、自分自身の実力と与えられたもの、両方を活かして戦っていく姿勢は、キサラギにも共通するように思います。

藤原:そうですね。キサラギも、“プロテクト(守護)”と自分自身が得意とする“合気道”を掛け合わせて戦っているので。

――そもそも、樹さんは合気道をやっていた経験はあるんですか?

藤原:キックボクシングはありますが、合気道はないので、これを機に企画などでやってみたいと思いました。それと、vol.2では陣さん(≠GOEMON/ゴエモン)が刀で戦っているのですが、僕も本格的に殺陣をやってみたいです。いずれは『るろうに剣心』のような作品にも出演できるようになりたいです。そのために、今後はアクションのレッスンにさらに力を入れて、幅広い役を演じていけたらと思っています。本来はパフォーマーなので、身体の使い方はよくわかっていると思いますし、アクションには向いていると思います。

――樹さんの体幹の強さは、THE RAMPAGE随一ですしね。

藤原:そのイメージ、だいぶ定着してきましたね(笑)。そういうところを自分の武器にして、俳優としても活躍していけたらいいなと思います。

――そして、グループ同士の信念を懸けた戦いも『BATTLE OF TOKYO vol.2』の見どころ。vol.2の発売に先駆け、アルバム『BATTLE OF TOKYO TIME 4 Jr.EXILE』の楽曲たちのMVが公開されたことで、MAD JESTERS(≠GENERATIONS)がコピー、ROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)がプロテクト、Astro9(≠FANTASTICS)がコンバージョン、JIGGY BOYS(≠BALLISTIK BOYZ)がスキャニングという異能(スキル)を使って戦っていく様が、小説を読んでいてもよりリアルに浮かび上がるなぁと感じました。

藤原:アニメの力って大きいですよね。僕もMVを先に観てから小説を読んだので、「なるほど、こういう仕組みだったんだ!」と、理解を深めながら読み進めることができました。ROWDY SHOGUNの『CALL OF JUSTICE』のMVを観てくださっている方々は、THE RAMPAGEの楽曲のMVよりも海外の方が多くて。MVだけでも、日本のアニメのすごさを実感しましたし、海外にも大きな影響を与えられるプロジェクトとして、『BATTLE OF TOKYO』を育てていきたいなと思いました。自分たちがアニメになるなんて夢のようなことなので、この貴重な環境を楽しみながらやっていきたいなと思っています。

――いろんな意味で夢のある作品ですよね。個人的に、この4つの異能(スキル)の中で、特に惹かれるものはどれですか? このスキルがほしいな、とか。

藤原:MAD JESTERSのコピースキルかな。ROWDY SHOGUNは身一つで戦っていくスタイルなので、武器でもなんでもコピーして再現できるのは強いなと思いますね。シャーロック(≠SherRock/片寄涼太)のスキルだったら、自分の分身も生み出せそうですし、撮影の時だけ自分の分身を置いておくのもアリかなって(笑)。

――いつも以上に無口だなって、バレますよ(笑)。

藤原:あははは。でも、コピースキルは、自分が生きているうちに実現しそうですよね。ただのSFではなくて、近い未来に自分たちも手にできそう。だからこそ、夢があると思います。

――ちなみに、THE RAMPAGEにはアニメや漫画、ゲームを好むメンバーが多いように思いますが、樹さんはどういうタイプですか?

藤原:僕は女きょうだいに囲まれて育ったので、小さい頃から、漫画もゲームも全く無縁の生活をしてきたんです。だから、楽屋で半分近くのメンバーがゲームをしているのを見て、「目、疲れないのかな?」と思っている立場ですね。みんな、延々とやっているので(笑)。

――メンバーに影響されて、ゲームをやろうと思ったことはなかったんですか?

藤原:1度やってみたのですが、目が痛くなってやめてしまいました。僕は、ゲームや漫画よりも映画や小説が好きですね。1日休みの時は映画を観ることが多くて、疲れた時には『フォレスト・ガンプ/一期一会』を観ています。ツアーの移動中は読書をすることが多いです。そんなに何冊も読んでいるわけではないのですが、ミステリーやサスペンスが好きで、そういう小説だと続きが気になってスラスラ読めてしまいます。

――では最後に、『BATTLE OF TOKYO』の今後について期待していることを教えてください。

藤原:『BATTLE OF TOKYO vol.2』では、ブルーシールドが怪しい動きをしているので、自分としては、ブルーシールドの策略によって、これから4グループがぶつかっていくのではないかな?と予想しているのですが……どうなっていくのか僕も楽しみです。それ以外にも、ROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)がどのように誕生したのか?バビロニウムはいつ出てくるのか?など、気になることがたくさんあるので、僕もこの先の展開を楽しみにしながら次巻を待ちたいと思います。

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