神様を脅迫、密造酒を造る……「こち亀」両津勘吉の“欲”が暴走したエピソード4選

金に目がくらみマジシャンのアシスタント

 中川、麗子とピエール西川口のマジックを見に行くことになった両津は、催眠術をかけられる役に指名され、舞台に上がる。

 催眠にかからない両津にピエールは「お金あげます」と耳打ち。すると両津は言うとおりになる。しかし「いくらまで出す?」という両津の耳打ちに「1000円」と渋ると、再び言うことを聞かなくなる。結局1万円で催眠術にかかることになった。

 ところが控室で金を受け取ろうとすると、ピエールは「それは催眠術の呪文なのだ」と拒否し、両津に手錠をかける。怒りの両津は手錠を力で破ると、「怪力ショーの団員にほしい」と懇願され、月20万円で劇団入りした。

 モガンボとなった両津は世界初の壁すり抜けを行う。それはもちろん超能力ではなく、力で叩き割るものだったのだ。このあともモガンボ両津として、危険なショーに挑み続ける。最後は人間大砲にまでやらされるが、目先の金にくらんで断れなくなっていた。やはり、金の魔力には、敵わなかったのだ。(80巻)

神様を脅迫

 朝起きると身体をニワトリに変えられてしまっていた両津。この犯人が天国の花山という男の仕業だと勘付き、自力で天国へと向かう。

 花山から「神様の仕業」と聞かされた両津は2人で神様に会いに行く。大仏のような神に元の姿に戻すよう頼み、「悪さをしない」という理由で人間に戻してもらった。

 ところが納得のいかない両津は、悪魔を引き連れて神様の襲撃に向かうが、一蹴されてしまう。すると、ゲリラ作戦に切り替え、神様の頭がカツラであることを掴むと、「神はハゲ頭だったとバラすぞ」などと脅しをかける。そして「交換条件」として、銀座に「ワシの土地を100坪よこせ」と脅迫。神様は「わかりました。カツラということはご内密に」と承諾した。

 派出所に戻ると中川が「銀座に鷲の土地という無人の土地が100坪発見された。鷲の土地の看板があるだけで所有者がわからず、国有地になってしまう可能性が高い」と書かれた新聞を読む。

 両津は「神の野郎め、たしかに言ったとおりにはしたが、したたかなやつだ」とつぶやいた。神様も恐れず、カツラをネタに揺すって銀座に土地を貰おうとする。まさに、強欲である。

欲深さは両津の大きな魅力(?)

 人間の美徳とは大きくかけ離れている両津の欲深さだが、「こち亀」ではそれが物語を動かす大きな原動力でもあり、両津自身のはちゃめちゃな魅力にも繋がっているのかもしれない。

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