なぜ歴史あるホテルは居心地がよいのか 美しい名ホテル38軒の知られざる物語とは

 明治以降の日本のホテル史を俯瞰する『夢のホテルのつくりかた』が、12月17日にエクスナレッジより発売された。

 本書はホテルを知り尽くした著者が、2年以上の歳月をかけて自身で撮り下ろした精緻な写真と共に、日本のホテル史をていねいに紐解いていく一冊。

 著者は自身も一級建築士である紀行作家・稲葉なおと。ホテルは事業主の熱意だけでできるものではない。ゼロからかたちを生み出す建築家、現場で建築家の無理難題と格闘する施工者、接客のプロであるホテルマン……。ホテルに携わる彼らの想いも込めて、一軒のホテルができるまでが描かれている。

■著者プロフィール
稲葉なおと(いなば・なおと)
紀行作家・一級建築士。東京工業大学建築学科卒。第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。2019年日本建築学会文化賞受賞。国内外の名建築ホテルに500軒以上泊まり歩いた体験をもとに旅行記、長編ノンフィクション、小説、児童文学、写真集を次々と発表。テレビ、ラジオにも活動領域を広げる。作家デビュー20周年記念小説『ホシノカケラ』、長編ノンフィクション『匠たちの名旅館』、児童文学『ドクター・サンタの住宅研究所』など著書多数。

■書籍情報
『夢のホテルのつくりかた』
著者:稲葉なおと
出版社:エクスナレッジ
発売日:12月17日
定価:本体2,200円+税

〈主な目次〉
プロローグ:同じ歳の寵児
1章:現代の宮殿を追い求めて
箱根プリンスホテル(現・ザ・プリンス箱根芦ノ湖)/新高輪プリンスホテル(現・グランドプリンスホテル新高輪)ほか
2章:外国人に誇る日本のホテル創成期
三笠ホテル(現・旧三笠ホテル)/奈良ホテル/東京ステーションホテル
3章:先輩の復興ホテル 後輩のリゾートホテル
ホテルニューグランド/金谷ホテル別館(現・日光金谷ホテル別館)/万平ホテル アルプス館ほか
3章:国際観光「名建築」ホテルの誕生
蒲郡ホテル(現・蒲郡クラシックホテル)/琵琶湖ホテル(現・びわ湖大津館)/学士会館(現・学士会館 旧館)ほか
4章:国際文化交流の新しい波
国際文化会館/倉敷国際ホテル/倉敷アイビースクエア
5章:五輪に向けて世界に誇るホテルをつくれ
富山県立 立山荘(現・国民宿舎 天望立山荘)/ホテル三愛(現・札幌パークホテル)/東光園/京都タワーホテルほか
6章:美と斬新さを実現させた男たち
野沢温泉ロッジ(現・野沢温泉ロッヂ)/軽井沢プリンスホテル 新館(現・ザ・プリンス軽井沢)ほか
7章:唯一無二の依頼人
志摩観光ホテル(現・志摩観光ホテル ザ クラブ)/都ホテル 新本館(現・ウェスティン都ホテル京都)ほか
エピローグ:「夢のホテル」は、今

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