Zoom飲みがさらに楽しくなる? パリッコ×スズキナオが提唱する、新しい家飲みアイデア
~しながら飲む
「053 VRの焚火を見ながら飲む」「095 赤ちゃんをあやしながら飲む」「094 松ぼっくりを眺めながら飲んでみる」「076 日記を書きながら飲む」――100本ノックはさすがに無理難題だったのが、こういうニッチなテーマのものも結構あるのだが、発想としてはユニークなので、決して飛ばさずに読んで欲しい。
最終形態
・032 自分だけのひとりオンライン飲み会をしてみる
Zoomには自分の顔もPCに映るが、あれが苦手で会議や会話ができない人もいるようだ。そこで、自然な表情を作り、乾杯の仕方をひとりで存分に練習して、ZOOM対話に備えるのがこのアイデア。
・086 水を酒だと思って飲む
そもそも水ってちゃんと味わうと少し甘い気がする、という著者の思い込みが駆動力となっている。おつまみのナッツの小皿とともに手元に並べ、飲む温度は常温がいいらしいそう。
・099 今日はあえて飲まないでみる
のんべえにとっては究極的にストイックなアイデア。酒を飲むのが習慣のようになっている場合、休肝日を設けることで、翌日美味しく飲めるようのが嬉しい。当たり前のことだが、メリハリは大事。
・100 酒の裏技
SNSでアンケートを取った、それぞれの酒の飲み方。よくこんなこと思いつくなあ、というほど多種多様で膨大な飲み方に圧倒される。人間の発明力をなめてはいかない。
これまで挙げたアイデアはどれも独自で自由だが、何も著書に掲載されたものをそのまま真似しなくてもいい。管見だが、自分なりの飲酒の楽しみ方を見付けて欲しいという、著者からのメッセージや裏テーマが込められた本だと思うからだ。制約のある中でいかに楽しめるかというゲームの類い。あるいは大喜利をやっている気分にもなる。コロナに関しては長期間現況が続く可能性が強いが、この状況を逆手にとって思い切り楽しむことを考えている。そんなふたりのスピリットが伝わってくる良書である。
■土佐有明
ライター。『ミュージック・マガジン』、『レコード・コレクターズ』、『CDジャーナル』、『テレビブロス』、『東京新聞』、『CINRA.NET』、『MARQUEE』、『ラティーナ』などに、音楽評、演劇評、書評を執筆中。大森靖子が好き。ツイッターアカウントは@ariaketosa