愛猫の“あおむけポーズ”は服従ではなかった? 『ねこほん』が伝える100の新事実
こんな時、愛猫の本音が分かれば、今よりも相思相愛になれるのに……。一緒に暮らす中で、何度そう思っただろう。家族の一員である愛猫とは「種族」という壁を越え、もっと深く繋がり合いたい。
だから『ねこほん 猫のほんねがわかる本』(西東社)を目にした時、心が動いた。帯に記された「愛してるから、全部知りたい」の一言が、自分の気持ちと重なったから。
本書は『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(下間文恵:絵/徳永明子:絵/かわむらふゆみ:絵/高橋書店)の監修を務めた動物学者の今泉忠明氏と、『うちの猫がまた変なことしてる。』でおなじみの人気漫画家・卵山玉子氏の最強タッグによってできあがった、究極の猫本。知られざる猫の本音を、ほんわかした4コマ漫画と分かりやすい専門知識で解説している。100問100答の本音の中には科学的な調査結果や、知らなかった新常識が。これは猫好きによって作られた、猫好きのための一冊だ。
猫があおむけになるのは「服従」のサインじゃない
愛猫が見せる、かわいらしいあおむけポーズ。実はそこにも、私たちの知らない真実が隠されている。あおむけポーズは犬の場合、服従のサインであることから、猫も同じような気持ちではないかと考えている猫好きさんもいるはず。しかし、猫がお腹を見せる理由は奥深く、状況によって意味が異なるのだそう。
驚くべきは、喧嘩時にあおむけポーズを見せるワケ。なんと、反撃の意志があるからなのだ。今泉氏いわく、あおむけの姿勢にはお腹をさらすというデメリットがある一方で、4本の足で相手を引っ掻いたり、キックできたりするという大きなメリットもあるのだそう。だから、猫同士の喧嘩で不利なほうの猫はあおむけになり、相手を迎え撃つ。
そして、面白いことに、この意思表示は飼い主と猫が喧嘩した時にも当てはまるよう。叱ろうとした時にあおむけになる愛猫の頭には、反撃法が浮かんでいるのだ。ちなみに、あおむけポーズがかわいくて飼い主さんが叱るのをやめると、猫はそれを覚え、叱られそうになるたびに同じポーズを繰り返すこともあるという。
この事実を知り、「ダメでしょ」と叱るたびにあおむけになる愛猫への印象がガラっと変わった。素直でかよわいと思っていたうちの猫はもしかしたら、筆者が思っている以上に賢くてガッツのある性格なのかもしれない。そんな発見を得たら、猫という動物にますます興味が湧き、愛猫がより愛おしくなる。