ミニ目玉焼き、生鮭の味噌焼き、ニラ玉……杵島直美先生の朝ごはんレシピ、作って食べたら最高すぎた

洋の朝ごはん


■ほうれん草のソテーとミニ目玉焼き

 この発想はなかった! うずらの卵が、まるで食品サンプルのミニチュア目玉焼きのようで、食べるのがもったいないほど可愛らしい。まるで小さな恐竜の卵のようなうずらの卵は、卵殻膜が丈夫なようで、鶏卵を割るようにパカっとはいかない。初めて割る人には、あらかじめボウルに三〜四個割ってフライパンにそーっと流す方法をオススメする。

■トマトサラダ
 みじん切りの玉ねぎに泣いた甲斐あり、おめざに最適の甘酸っぱい一品。このドレッシングはソテーしたチキンや豚しゃぶなどの肉類とも好相性。

■コンビーフとクレソンのソテー
 二大好物がドッキングした「コンビーフとクレソンのソテー」は、ほろ苦さと牛脂の旨味のバランスがあとを引く。パンにはもちろん、ショートパスタにも合いそう。

■コンソメスープ
 コンソメキューブが玉ねぎとベーコンの旨味をグッと底上げする、オーソドックスなスープ。朝たっぷり作っておいて、夜は野菜や肉団子を入れてアレンジするのも良いかもしれない。

 本書には他にも、休日にゆっくり味わいたいパンケーキやフレンチトーストなどのスイーツ系からサンドイッチ、雑炊系など、全100もの朝食向けレシピを収録。全体的には昭和のお母さんが拵えてくれた、ちょっと懐かしい感じのメニューが多い。中には、お母さんが缶詰めとヒラメキ一発で生み出すナウい傑作料理を彷彿とさせる「さば缶のマスタードマヨ炒め」や「スパムのピカタ」のような白眉レシピも。

 美味しい気分でシャキッと目覚めた日は、結構いろんなことがうまくいく。その昔、朝ごはんはしっかり食べなさい!と言われても、やれダイエットだプチ断食だ、などと口を尖らせては母親に歯向かっていた十代の私に言いたい。あの日しくじったのは若さゆえのあやまちではなく、単に朝から胃袋につらい思いをさせたからだよ、と。

 大人になって、朝ごはんの大切さを理解できるようになったとともに直面した難点もある。未だに早起きが苦手な私にとって、起きてすぐ台所に立ち、食事の用意をしなければならないことだ。本書に記されているレシピは下ごしらえから段取りまできっちりツボを押さえられており、今日も寝ぼけまなこの私の手助けをしてくれる。

■大信トモコ
元Supersnazz、現在はTweezersとRock Juiceで活躍中の歌うベーシスト。趣味は映画と音楽鑑賞、料理本集め。Twitter

■書籍情報
『家族の朝ごはん』
杵島直美 著
価格:本体1,500円+税
出版社:立東舎
公式サイト

関連記事