『約束のネバーランド』の世界はまだ終わらない! 『ジャンプ』漫画、続々と海外ドラマ化するワケ

「特に『ジャンプ』作品は、国内外にファンが多いので、ファンの目も厳しいですし、原作から逸脱してしまうと批判も多くなってしまう。『約ネバ』も配信ドラマでやるからにはイメージを壊さないように原作に寄せてくると思います。また、昨今の『ジャンプ』作品は今、最も海外ドラマと相性がいいコンテンツだと思います。『ジャンプ』の作品の大部分は虚構性が高く、ファンタジーやSFの要素がありますが、今の海外ドラマのトレンドもまたファンタジーやSFです。つまり『ジャンプ』作品は題材の面でも、尺の面でも海外ドラマと相性がいいんです」

 『ジャンプ』側もまた、メディアミックスには積極的だという。

「『暗殺教室』くらいから、連載終了のタイミングに合わせてアニメ化や実写映画化をすすめるといった、他ジャンルとの連動が目立つようになりました。昔の『ジャンプ』作品だと『幽☆遊☆白書』のように唐突に漫画の方が終わってしまったり、逆に『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』は、アニメが中途半端なところで終わってしまったりと、他ジャンルとの連動があまりうまく行ってないことの方が多かったのですが、最近はファンも巻き込んで、終わりに向かってみんなで一緒に進んでいくという感じがあります。ジャンプの側に、コンテンツを長持ちさせる仕組みが出来上がりつつあるのかもしれません。

 しかし、『約ネバ』は漫画の完成度が高いからこそ、映像化が難しいだろうなと思う部分もあります。例えば『鬼滅の刃』のアニメ化は、漫画ではとっつきにくかった部分をアニメがうまく補うことで双方が人気作となる相乗効果が生まれましたが、それに比べるとアニメ化された『約ネバ』は、原作の魅力を膨らませた完成度の高い映像化でしたが、アニメならではの新しい発見というものは、あまりなかったように感じました。原作漫画が精密に作られていて完成度が高すぎるため、作り手が新しい要素を追加する余地があまりないのだと思います。逆に言うと、原作の魅力を拾い上げて忠実に映像化すれば、充分面白くなる作品だということですよね。ドラマ化成功の鍵もこのあたりにあるのではないかと思います」

 『約ネバ』の綿密に作り込まれた世界観は、ドラマではどれほど忠実に描かれるのか。キャストなどの続報を待ちたい。

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