2010年代に“女性声優”が増えた理由とは? 「声優名鑑」掲載人数の変遷から考察

 声優情報誌『声優グランプリ』の名物企画「声優名鑑」が今年で20年目の大きな節目を迎えた。当誌は1994年11月30日に季刊誌として創刊し、隔月化してvol.30まで刊行してきた。2000年末に姉妹誌『アニラジグランプリ』との合併を経て、現在まで続く声優専門の月刊誌として続いている。記念すべき令和最初の声優名鑑である「声優名鑑2020」では、掲載人数は男女合わせて1,502名。同企画のスタート時と比較すると、女性声優は約4.03倍、男性声優は約4.10倍の増加だ。

 「声優名鑑2020」には、水樹奈々や宮野真守といったテレビへの出演も数多いスター声優はもちろん、野沢雅子や羽佐間道夫といった大ベテラン、戸田恵子や萩原聖人といった俳優としても著名な人物や、日向もかや長谷川玲奈といった昨年デビューしたばかりの新人までを網羅。声優ファンとしては必携の付録であろう。

 この記事では、「声優名鑑」の掲載人数がこの20年でどのように増えてきたのか、実数値の変遷を改めて確認し、そこからどんな傾向が読み解けるのかを考察したい。

「声優名鑑」掲載人数の変遷

 同誌で「声優名鑑」が最初に付録になったのは、今から19年前の2001年のこと。まずは近年の掲載人数と、ちょうど中盤にあたる2010年度、始まりとなった2001年、それぞれの掲載人数をみてみよう。

声優名鑑2020(令和最初)
女性編907名・男性編595名 合計1502名

声優名鑑2019(平成最後)
女性編847名・男性583名 合計1430名

声優名鑑2018
女性800名・男性571名 合計1371名

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声優名鑑2010
女性536名・男性452名 合計988名

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声優名鑑2001
女性225名・男性145名 合計370名

 声優名鑑2001年度版、このときの掲載人数は、男女合わせてわずか370名。現在のように男性編・女性編と分かれてはいなかった。それが声優名鑑2020では、男女合わせて1502名である。名鑑2001から名鑑2020にかけて男女それぞれの増加数は、男性声優は450人増えたのに対し、女性声優は682人の増加になっている。ここで、2001年版から2010年版を測ってみると、合計618人増加しているのに対し、2010年から同じ9年を数えてみた2019年度版(昨年度のもの)を数えてみると合計442人、2020年版の掲載人数で数えても、合計514人の増加になるのがわかる。つまり実数だけを見ると、実は2010年代よりも、2000年代のほうがより多く増えているのである。

 「声優名鑑」はあくまで声優雑誌の一企画であり、野球雑誌やサッカー雑誌の名鑑系企画とは違い、全声優事務所の全所属者が掲載されているわけではない。また、企画自体の認知度や、編集部の調査精度や編集方針による掲載人数の変動もあるだろう。だが、人気アニメ作品に出演する声優はほぼ網羅されており、シーンを俯瞰するためのデータとして一定の信頼性はある。では、特に掲載人数が増えた時期にはどのようなイベントが発生していたのだろうか。

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