小松成美、『金スマ』で浜崎あゆみ『M 愛すべき人がいて』を語る「ファンからも賛否両論があった」

 浜崎あゆみの自伝的小説『M 愛すべき人がいて』(幻冬舎)の著者・小松成美が、10月11日(金)放送の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系列)に出演し、執筆の裏話を明かした。

小松成美『M 愛すべき人がいて』(幻冬舎刊)

 『M 愛すべき人がいて』は、8月の発売以来、累計発行部数16万部の大ヒットとなっている今、話題の書籍だ。浜崎あゆみがエイベックス創始者である松浦勝人と恋愛関係にあったこと、そしてその禁断の恋こそが“平成の歌姫”と謳われた浜崎あゆみの原動力となっていたことを、繊細な心理描写とともにドラマチックに描いた一冊である。

 本書の企画は、浜崎あゆみサイドから「浜崎あゆみというシンガーが誕生した軌跡をファンの方たちに届けたい」というオファーからスタート。小松成美は、約一年をかけて浜崎あゆみと松浦勝人本人に取材を行い、時には二人同時に話を聞くこともあったという。

 番組では、本書の内容をドラマで再現。母と祖母の生活を支えるために高校を中退し、無名のタレントとして活動していたこと。六本木のディスコ「ヴェルファーレ」のVIPルームで松浦勝人と出会い、憧れの感情を抱いたこと。松浦勝人が浜崎あゆみをアーティストにするため、周囲の反対を押し切って奮闘したこと。浜崎あゆみの綴る歌詞はすべて、松浦勝人に捧げられたラブレターだったこと。そして、14歳という年の差がありながら、互いに惹かれ合い、CDデビュー日に交際を開始したことーー。小松成美は、本書で当時の恋愛をカミングアウトしたことについて、ファンからは賛否両論があったとしつつも、「この恋愛がなければ、あの詩は生まれていない」と語った。

 浜崎あゆみはその後、大ヒット曲を連発し、まさに時代の寵児となるが、その影響力が絶大なものになるにつれ、重圧から二人の関係は壊れていく。当時のエイベックスの売り上げの半分は、浜崎あゆみによって成り立っており、その総額は年間200億円にも上ったという。「エイベックスの中でも私は最大のプロジェクトで、百万枚を超えるCDは新人歌手の夢の挑戦などではなく、音楽の産業だった。(中略)マサのもとには、企業やテレビ局、広告代理店の人が引きもきらずに訪ねていて、日本の経済にまで影響を持つ人になっていた。」(『M 愛すべき人がいて』P161より)番組では、1999年12月24日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系列)の模様も公開。そこには、本番中に歌えなくなってしまい、目に涙を浮かべる浜崎あゆみの姿があった。

 大の浜崎あゆみファンだという出演者のギャル曽根は、番組の最後に「この話を知ってから(浜崎あゆみの)歌を聴くと、『あの時はこうだったのかな?』って思うようになった」とその感想を明かした。『M 愛すべき人がいて』は、平成の歌姫・浜崎あゆみの一連のヒット曲に、複雑な視点と深い理解をもたらす一冊と言えるのではないだろうか。

(文=松下博夫)

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