LISA(BLACKPINK)、無敵のヒロイン像と多面的なエンターテイナーの魅力 「Tarantino」で発揮する映画表現へのリスペクト
Viral Hits Focus
話題のバイラルヒット曲を毎週収録するSpotifyによる日本向けエディトリアルプレイリスト「Viral Hits Japan」(※1)。同プレイリストより、本記事ではLISAの「Tarantino」をピックアップする。
BLACKPINKのメンバーとして活動を続ける一方、自身のマネジメント会社「LLOUD Co.」を設立し、アメリカのレーベル「RCA Records」とのパートナーシップのもと、ソロアーティストとしても独自のキャリアを築くLISA。10月23日に世界同時リリースした最新EP『PRESS PLAY』から、映画監督クエンティン・タランティーノへのリスペクトが込められた「Tarantino」が注目を集めている。
全6曲入りのEP『PRESS PLAY』は、異なる楽曲が一本の映画のようにつながるコンセプチュアルな作品だ。4曲目に収録された「Tarantino」は、現代的なポップラップ的なアプローチを軸に、乾いたギターの響きを重ねたスリリングな一曲に仕上がり、2分51秒の間に映画のような緊張感と高揚感が凝縮されている。
歌詞にはタランティーノ作品への目配せが随所にある。〈I got Kill Bill demeanor, mustard all on my sneakers〉では『キル・ビル』の主人公が着用する黄色いトラックスーツを想起させ、〈Death proof, baby, I do all my own stunts〉では『デス・プルーフ in グラインドハウス』を連想させる言葉を交えながら、自らスタントをこなすほどのタフさをアピール。〈Black suit, fast food〉は『パルプ・フィクション』や『レザボア・ドッグス』の世界観も思い浮かんだ。〈Thai funk〉とタイの要素も織り込み、映画への敬意を自身の表現へと引き寄せている。ボーカルとラップも聴きどころだ。低く抑えた挑発的な語り口から、力強いフロウ、〈Tarantino, Tarantino〉と反復するキャッチーなフックへ。声の表情を切り替え、楽曲の世界へ引き込む。〈It's a movie, baby, come and press play〉という一節ではEPのタイトルを回収し、作品全体を映画に見立てるコンセプトを印象づける。
そしてMVでは、タランティーノ監督に手紙を届けようとLISAがホテル内を駆け抜け、立ちはだかる相手を次々と打ち倒すアクション映画さながらの展開が楽曲の世界観を補強する、EP同様にコンセプチュアルな作りとなっている。
この秋は音楽以外の話題も相次いだ。10月12日からは、ソロ活動に取り組む彼女の1年間に密着したドキュメンタリー映画『ALWAYS LALISA』が日本でも公開され、世界的な成功の裏にある重圧や葛藤、自らの道を切り拓く姿が映し出された。10月30日には『それSnow Manにやらせて下さいSP』(TBS系)に出演。2025年3月にも同番組のダンス企画に審査員として登場したが、同回は日本のバラエティ番組で初めてロケに参加し、ウニ専門店などを訪問。なかやまきんに君の登場に「Crazy」と声を上げるなど、気さくな一面を見せた。
「Tarantino」で体現してみせたタフで無敵なヒロインの姿も、日本のバラエティ番組で見せた気さくで愛らしい笑顔も、ドキュメンタリー映画に刻まれた孤独な挑戦者としての横顔も、すべては現在のLISAという多面的なエンターテイナーを形作るリアルなピースである。再生ボタンを押した瞬間(=『PRESS PLAY』)に始まる彼女の鮮やかな物語は、言語やメディアの枠を超え、日本のリスナーの日常をもスリリングな映画のワンシーンへと塗り替えているようだ。
※1:https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1DWZZbpkxU5t9L


























