NOA「何を言われても全部受け入れられるくらいの自信作」 全新曲の『CLEAN+NOISE』、詰め込んだ現在地

NOA、『CLEAN+NOISE』に詰め込んだ現在地

 NOAが約2年半ぶりとなる3rdアルバム『CLEAN+NOISE』をリリースした。“CLEAN”と“NOISE”、相反するふたつの面と向き合い、本当の自分を受け入れた今のNOAがここには詰まっている。「MISFIT」、「Still Got Time」、「Last Kiss」、「is this love?」、「lovelite」、「Never」、「Shine Bright」、「100」、「Slow Motion」、「WE ALL READY」――すべてが新曲、既発曲ゼロという事実だけでも、“今”のNOAがいかに力をつけ、強くなり、そして新しい自分を手に入れたのかがわかるだろう。

 前作アルバムからどんな日々を過ごし、そこにはどんな変化があったのか、じっくり話を聞かせてもらった。(編集部)

「これまでとは圧倒的に違いました」――アルバム制作の熱量

NOA - 『CLEAN+NOISE』Digest Teaser

――前作『Primary Colors』から約2年半ぶりとなるアルバムになります。

NOA:今まで作ってきたなかで、リリースにいちばんわくわくしているアルバムです。アルバムに対する熱量が、これまでとは圧倒的に違いました。ここまで振り切ったことがないからこそ、ファンの方が聴いたときにどう思うんだろう、と。この2年半のあいだ、ライブをしながら「お客さんがどう感じるか」を大事にしてきて、経験が積み重なったことで、今作ではその意識が自分のなかでどんどん高まっていったんです。だから、皆さんに聴いてもらうことを今まで以上に楽しみにしています。

――前作から今作までの間には、ライブやシングルのリリース、俳優としての活動もありました。振り返るとどんな期間でしたか?

NOA:いろいろな方面から刺激を受けた期間でした。去年は『SUMMER SONIC BANGKOK 2025』に出演させていただきましたし、今年2月には初めてドラマで主演を務めて、その役を通して曲を書くという、これまでにない手法にも挑戦しました。去年の『LiGHTS』(2025年9月横浜BUNTAIで開催した『NOA 5th Anniversary Special Live "LiGHTS"』)は、今までの集大成だったからこそ、「これから自分はこういうことをしたいんだ」と示す――本で言うあらすじのようなライブだったと感じていて。しっかりと『CLEAN+NOISE』につながるステップを踏んだ2年だったと思います。

NOA 5th Anniversary Special Live “LiGHTS” 【Behind The Scenes】

――『CLEAN+NOISE』は、洗練された“CLEAN”と、粗さや葛藤である“NOISE”という相反するふたつの面と向き合い、新たな自分を受け入れたうえで、言葉にしてこなかった迷いや葛藤も共存させた“今のNOA”をありのままに見せることがコンセプトです。この“新たな自分を受け入れる”とは、具体的にどういうことだったのでしょうか?

NOA:曲を書いて届ける身として、きれいなものを届けようという意識が自分のなかにずっとあったんだなと感じたんです。それが正しいと思ってやってきたけど、今となっては、きれいにするなかで削ぎ落としていた部分こそが実は本音だったんじゃないかと気づいたというか。だから、その作業をやめて、ありのままの形で届けることで、芯のあるメッセージや新たな一面をお見せできるんじゃないかと思ったんです。タイトルが決まる前から、それが今回の曲作りにおける自分のなかの決め事でしたね。

――なるほど。

NOA:「本当はこういうことを言いたかったんだな」「こういう曲を作りたかったんだな」という発見がひとつずつあって。気づいていたけど、気づかないふりをしていたというか。もちろん、今までのアルバムも曲も全部すごく好きなんですけど、正直、心から自信を持てていたかというと、それはまた別の話で。そう考えた時に、自分が本当に作りたいもの、届けたいものは、実はこれじゃなかったのかもしれないと思ったんです。「世に出す時はこういう形じゃないといけない」と、自分で決めたわけでもないのに、いつの間にか生まれていたルールに沿ってやっていたのかな、と。それで今回は、これまでなら削ぎ落としてきたノイズの部分も含め、本当に自分が作りたい曲をテーマに作りました。

――そうした心境の変化はいつ頃から?

NOA:去年の秋頃に次のアルバムでどういう曲を作ろうかと考えた時からです。以前から引っかかっていた部分はあったんですけど、具体的に行動に移せていなかったので、今度は同じことを繰り返すのはやめようと思って。曲作りの段階からいろいろと変えていきました。

NOA(撮影=茉那実)

――この2年半のあいだには、ValleyやJoanなど、海外アーティストとのコラボレーションにも取り組まれています。そうした活動のなかで得た気づきはありますか?

NOA:今年はThe Kid LAROIのライブも観に行ったんですけど、全員に共通しているのは、自分のカラーがすごく強いこと。みんな、自分で曲を作っている方たちだからこそ、届けたいメッセージや今作りたい曲のスタイルがはっきりしていて、ライブを観たり、曲を聴いたりするたびにそう感じます。それを自分に照らし合わせた時に、「実際、自分ってどうなんだろう?」と思ったんです。そこから「普段聴いてかっこいいと思う曲と、自分が作っている曲は意外と違うのかな?」「これはもっとゴリゴリさせたいな」とか、いろいろ考えるようになりました。去年くらいから自分のなかで意識が変わり始めていたのかもしれません。

――それまでは、そういう気持ちを少し抑えていたところもあったということですか?

NOA:そうかもしれないです。今のスタイルになったことで、やりやすさもありますし、自信も以前よりも持てるようになりました。今までは、何か言われた時に「実はこういうのもできるんですけど.....」という感じで、あとから見せなければいけなかった部分もあって。でも、今回のアルバムは新しい名刺のような気持ちで作ったといいますか。これなら何を言われても全部受け入れられるくらいの自信作になりました。

――前作は三原色という構造でご自身を切り分けて見せる作品でしたが、今作は“CLEAN”と“NOISE”というふたつの部分をあえて切り分けず、統合的に見せるアプローチです。

NOA:前作は、赤っぽい時もあれば青っぽい時もあるという心境の変化も含めて、三原色で自分を表しました。今の自分にいちばん近いのは、間違いなく前作で言う“赤い自分”だなと思っているんです。だから、そこに特化したアルバムを作りたかった。そういう意味では、前作と今作はその部分で確実につながっていると思いますね。

――14曲/全42分だった前作と比べて、今作は10曲収録で約29分とコンパクトなサイズにまとまった印象を受けました。このサイズ感の変化にはどんな狙いがあったのですか?

NOA:最初は14曲くらい収録する予定でしたが、そこから曲自体をすごくシビアに厳選したんです。前作は作ったものをそのままアルバムに入れていった感覚。でも、今回はストックもあったので、トラックリストに並べては「やっぱり違う」と外す作業を何度も繰り返して。その結果、最終的に10曲になりました。

 あと、既発曲は一切入れなかったんです。今の自分だけを詰め込んで、「今できることはこれです」と言えるものにしたかったので、今作は新曲のみで構成しています。

――つまり、ファンの皆さんはまだ一曲も聴いたことがないということですか?

NOA:基本的にはそうですね。ただ、たとえば「Still Got Time」と「is this love?」に関しては、今年のホールツアーですでに披露しているので、ピンとくる方もいるかもしれないです。あの時から、自分のなかでアルバムの構想は始まっていましたね。

――そうだったんですね。

NOA:ちなみに、ホールツアーでは、第1部で既存曲を、第2部で新曲を披露させてもらったんですけど、それが「過去の自分はこういう人だった」「今の自分はこういうことをやりたい」というかたちで自分のなかでいい対比になったというか。ライブの演出としてもそこを切り離したことで、どういうアプローチで曲を作るべきかが明確になり、このアルバムがより作りやすくなった気がします。

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