LAUSBUBが魅せた“規格外”に完成されたショー 原点と進化が交差する『society | lazy』渋谷WWW公演

確信犯的にサウンドを生み出すRicoの狙いとは?
この日のハイライトは、やはり「golden lighter」だった。サウンドエンジニアの葛西敏彦とともに一つひとつの音を磨き抜いたプロダクションは、WWWという空間、充実したサウンドシステムになんら遜色なく響いた。研ぎ澄まされた低音、ざわざわと空気を揺らす音の断片たちは、観客の腹にグッと響き、いやおうなく肌を粟立たせる破壊力があった。


本編はアルバム同様、「white breathe」で幕を下ろした。一度袖に下がり、MCと物販を紹介する2人の自然体の姿はlazyで、シリアスな本編と対をなし、アルバムのコンセプトを体現するようだ。
アンコールでは「Telefon」と「Get Stir Crazy」を披露。シンセサイザーをチューニングしたのち、原曲でお馴染みのSE、そしてローでチープなTB-303系のベースシーケンス、本編と比べるとやけに軽いキックとスネア、ハイハットのコンビネーションのビートが流れる。これはRicoとMeiが「数周回って『Telefon』の再評価がきてる」と語ったように、本編との確信犯的なサウンドの対比だ。そこにはLAUSBUBの原点にある“いたずら心”やニューウェイブ魂を過去のものに追いやるのではなく、現在進行形で楽しみ続ける姿勢が見てとれる。


本編ではあまり聴かせなかったRicoのギターストロークやカッティングも聴かせた「Get Stir Crazy」は初期衝動を感じさせるも、複雑なベースラインを弾きながらハイトーンで歌うMeiのプレイは相当テクニカルだ。これがLAUSBUBとして初めて作られた楽曲だというのだから驚かざるを得ない。
なお、これはこの日全体にも通じることだが、今のLAUSBUBのライブはいかに過去の音楽のレガシーやスタイルを引用したり、クリシェを用いたりしようとも、現代の感覚と環境で音を鳴らせば新しい音楽を編み出すことができる、ということを教えてくれるようでもあった。かつて70〜80年代のニューウェイヴやジャーマンテクノに憧れ、自ら機材を手にして宅録の密室から世界と繋がり始めた2人は、今すでに“憧れられる側”に回りつつある。アルバムのコンセプトを何重にも折り重ね、各々の成長と現在地、そして原点も見せ切ったショーは、不完全な美しさと未知なるポテンシャルを内包しながら同時に完成されていた。
この日は、間違いなく今後のLAUSBUBの活動におけるマイルストーンとして記憶されるべきだ。

■セットリスト
『LAUSBUB Concert Tour 2026 “society | lazy”』
9月26日@渋谷WWW
M01. higher
M02. sign
M03. Sweet Surprise
M04. Solaris
M05. I SYNC
M06. static crosswalk
M07. imagine
M08. scanning shadow
M09. bad pingpong MRI mix
M10. game
M11. star house
M12. lazy
M13. play ground × look
M14. golden lighter
M15. concert
M16. over
M17. white breathe
EN1. Telefon
EN2. Get Stir Crazy
























