サカグチアミ、改名から1年で見つけた“自分らしさ”の答え ミセス 大森元貴から受けた刺激、『who am i?』ができるまで

サカグチアミが見つけた自分らしさ

「裸」に集約されたサカグチの人間味ーー「自分に対して優しくはなれたかな」

ーー7曲目の「裸(-Naked ver.-)」は先行配信されたものと同様、弾き語りの”Naked ver.”で収録されていますね。サカグチさんの中では、この形で届けることに意味があったんでしょうね。

サカグチ:はい、曲自体のテーマ的にも、まずは着飾らない形で聴いてもらいたい思いが強くて。ライブではバンド形態でやったことも実はあるんですけど一旦、弾き語りで聴いてもらうほうが似合う曲だなと思ったので。

ーー自分のことが好きになれない、でも好きになりたいという思いから曲が生まれたとライブのMCで話されていたことがありましたけど、今はどうですか?

サカグチ:この曲を作ったときに比べたら、だいぶマシになりました(笑)。まだ大好きとまでは言えないけど、でも自分に対して優しくはなれたかな。私は自分の人間味みたいな部分を武器にして活動してるんですけど、「裸(-Naked ver.-)」はそれがすごく集約された1曲だなって思いますね。

――続いては、鳥の囀りが曲へと導く「My Lovely Wolf」ですね。

サカグチ:弾き語りの「裸(-Naked ver.-)」を経て、またバンドのサウンドの曲に戻っていくので、繋がりを考えて鳥の囀りのサウンドエフェクトを入れました。ちょっとした森の雰囲気が、タイトルにある“Wolf”感も出してくれると思ったので(笑)。

――内容的にはラブソングだと思うんですけど、ちょっと大人っぽい世界観ですよね。

サカグチ:完成させたのは最近なんですけど、曲の中の数行は10代のときに書いたものなんですよ。当時、完成させるにはちょっと大人びた内容だし、背伸びしてるように見えそうだったからあたためていたんですよね。でも、今の自分が歌うとけっこう生々しいんですけど(笑)。まあでも、こういうヘルシーじゃない恋愛があってもいいんじゃないかなと思って書きましたね。両親には聴いて欲しくないですけど(笑)。

――確かに娘を持つ親としては複雑な感情になりそうな(笑)。

サカグチ:あははは、そうですよね。先日、神戸と高松でライブが連チャンであったんですけど、「My Lovely Wolf」と「砂時計」を日替わりでやろうということになって。で、神戸では「My Lovely Wolf」をやる予定だったんですけど、両親が観に来ることが発覚したので、「あ、絶対ダメ!」と思って急遽、「砂時計」にチェンジしたんですよね。母はまだいいけど、父には聴かせちゃダメ。泣いちゃうと思うんで(笑)。

――9曲目に収録されているのがリード曲となる「虎」です。先ほどもお話にあったように、大きな会場でも映えそうなスケール感のある楽曲ですね。

サカグチ:アレンジャーの野村(陽一郎)さんにも『CEREMONY』の映像を見てもらい、同じ景色を思い浮かべながら作った曲になります。内容的には、かなりまっすぐなファイトソングになってますね。私は今25歳なんですけど、周りを見ると転職する子がいたりとか、みんな現実をしっかり見据えて生きている年齢なんですよ。そう考えると、こういうファイトソングを書いたり、歌ったりすることがだんだん恥ずかしくなってくることもあるんじゃないかなって思うんです。なので、こういう曲を歌っても自分の心が平気なうちに出しておきたいなと。

――年齢を重ねていくと、まっすぐに人を鼓舞することができなくなるかもしれないという感覚なんですかね?

サカグチ:ちょっとひねくれていってしまいそうで(笑)。実際、聴く側としてはそういう曲をまっすぐ受け止められなくなっている部分もあるんですよ。もちろん、今後も歌い続けていけるかもしれないですけど、なるべく正直な気持ちのままで歌いたいから、今出さなきゃっていう気持ちでしたね。

――「虎」というタイトルにしたのはどうしてだったんですか?

サカグチ:最初は「ジャンプ」ってタイトルだったんですけど、私の安直フィルターが「これはダメだ。安直すぎる」と(笑)。で、この曲には“脱サラ”みたいな裏テーマがあって“翼”というワードを使っていたので、「虎に翼」とか「令和の虎」とかからインスパイアを受けて、このタイトルに決めました。あと、今の自分のアートワークの目の鋭さには、これからの自分のスタンスが込められているんですけど、群れないし、こびないという部分がけっこう虎に近いものがあるなと感じたんです。パッと見、どんな曲かわからないタイトルでもあるので、みんな聴いてみたくなってくれるといいですね。

――曲の後半ではみんなでシンガロングする光景が浮かびますね。

サカグチ:はい。私の歌に負けないぐらいのコーラスを入れています。アレンジャーさんの子供たちが仮歌でコーラスをしてくれていたんですけど、それがめっちゃ良かったので、実際に使わせてもらったんですよね。音量もどんどん上げてもらいました(笑)。ライブでどんな光景が生まれるのかが楽しみです。

――この曲はMVも撮られたそうですね。

サカグチ:はい。この楽曲ができた時に、私の中にはダンサーさんが踊ってるイメージが浮かんだんですよ。なので、コンテンポラリーダンスができる方にお願いするのかなと思っていたところ結局、私が踊ったっていう(笑)。「あれれ!?」っていう感じなんですけど。

――サカグチさんの華麗なダンスが見られるわけですか!

サカグチ:私は10年バレエを習っていて、今でもたまに踊ったりしているんですよ。それをね、最初のZoom打ち合わせで謎にアピールしちゃったんです。「私、バレエやってて今でも習ってるんですよねー」って。結果的に「じゃあ本人でお願いします」ってなってて(笑)。華麗かどうかはわからないですけど、初めてMVで踊ったので、ぜひ見て欲しいですね。

――あと「虎」はカラオケで歌ってもすごく盛り上がると思います。サカグチさんから歌い方のアドバイスをいただけますか?

サカグチ:私の曲の中では、音程的にも難しくないかもしれないですね。歌う際にはぜひ虎になった気持ちで、自分自身に向き合うような形で歌っていただきつつ、サビでは仲間を引き連れているイメージをして欲しいです。ドームやアリーナのような大きな場所を想像しながら、“Stand up!”“Hands up!”といった英語のワードをバシッと決めれば、絶対いい感じになると思いますよ。

――そして、11曲目は「砂時計」。先ほども言いましたが、ラブとライフが共存している、すごくステキな曲だと思います。

サカグチ:サビの2行くらいは10代の頃に作っていたんですけど、そこが良すぎて他の部分を何度作っても勝てない感じだったんですよ。だから、作ってはやめ、ちょっと寝かせて、また作ってはやめみたいなことを繰り返していたんですよね。で、ようやく最近、形になりました。完成に至ったきっかけとしては、「銀河鉄道の夜」を読んだことでして、あの作品が持っている世界観や、友情や人類愛的なものにも繋がっていくようなメッセージを受け取ったことで、最初はラブソングの体で書いていたはずなのに、結果的に広い意味での愛を歌える曲になりました。いろんな愛の形を思い描いてもらえるんじゃないかなって思いますね。

――そして、アルバムのエンディングを飾るのは「Life Goes On」の“Album ver.”です。ライブ会場で録音されたファンの方々の“ラララ”が加えられていることで、改名後の軌跡が集約されている感動がありますね。

サカグチ:改名後、この曲でお客さんに“ラララ”を歌ってもらったときに、全部を肯定してもらえたような気がして。本当に泣きそうになったんですよね。なので、それをパッケージにもしたいと思い、ライブで声を録らせてもらいました。お客さんもみんなめっちゃ乗り気で、喜んで声を上げてくださったのが嬉しかったですね。アルバムのブックレットには声を入れてくれたみなさんの名前もクレジットされるので、それがアルバムを手にするひとつの理由になってくれたらいいなって思っています。

――11月には弾き語りツアーとなる『who am i?-Naked-』を3公演。来年1月からはバンド形態でのツアー『who am i? -Band set-』が10公演開催されます。

サカグチ:改名後はバンドでのライブを主軸にしていたので、弾き語りツアーはけっこう久しぶり、ワンマンで言えば3年ぶりくらいなんです。イメージ的には、アルバムをリリースして間もないタイミングで、「アルバムの曲たちは、デモのときはこんな感じだったんだよ」っていうのをみんなに知ってもらうという実験的な狙いが弾き語りツアーにはありますね。アルバムの曲たちがみんなのカラダに染みこんだであろうことを願いつつ、バンド形態でより音源に近い形でお届けするのが年明けのツアーになります。

――それぞれで異なるサカグチさんの魅力が味わえそうですね。

サカグチ:弾き語りの方は自分の思うままにできるので、気分でセットリストを変えまくったりするかもしれないですね(笑)。それが1人でやる強みなので。ただ、1人だとどうしても1人分のキャパシティしかないので、そこを超えるおもしろさはバンドの方にあると思います。メンバーたちの力もありますし、バンドの方は音をより遠くまで届ける圧を感じてもらえると思いますよ。どちらも本当に楽しみです。サカグチアミ、ここからも邁進していきます!

『who am i?』ジャケット写真
『who am i?』

■リリース情報
『who am i?』
2026年10月7日(水)リリース
CRCP-40717
価格:3,000円(税込)

■ツアー情報
『who am i?-Naked-』
11月7日(土)開場16:30 / 開演17:00
会場:大阪・扇町ミュージックキューブ
チケット代:自由席 5,000円(税込)

11月22日(日)開場16:30 / 開演17:00
会場:愛知・名古屋THE BOTTOM LINE
チケット代:自由席 5,000円(税込)+ドリンク代

11月28日(土)開場16:15 / 開演17:00
会場:東京・有楽町I’M A SHOW
チケット代: 指定席:5,000円(税込)+ドリンク代

■関連リンク
オフィシャルサイト:https://www.sakaguchiami.com/
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