『MUSIC AWARDS JAPAN 2026』ノミネートで注目すべき新傾向は? レーベルの多様化、変化が見えるヒットの潮流
2026年6月13日に授賞式が行われる国内最大規模の国際音楽賞『MUSIC AWARDS JAPAN 2026』。開催を目前に控え、注目が集まっている。
『MUSIC AWARDS JAPAN』は、Billboard JAPAN Hot 100のデータなどを指標としてノミネートリストが作成され、アーティスト、クリエイター、レコード会社スタッフ、コンサートプロモーター、音楽出版社、海外音楽賞審査員など、各分野の音楽関係者で構成される5,000名以上の投票メンバーにより、受賞作品/アーティストが決定される。80近くもの部門の中でも特に注目されるのは、最優秀楽曲賞、最優秀アーティスト賞、最優秀ニュー・アーティスト賞、最優秀アルバム賞、Best Global Hit from Japan、最優秀アジア楽曲賞から成る主要6部門だ。
『MUSIC AWARDS JAPAN』には「4つの約束」が掲げられている。「透明性」「グローバル」「賞賛」「創造」だ。特に重要なのは、選考プロセス、投票・審査の「透明性」だろう。2025年も2026年も投票に参加している一人として、この透明性こそが『MUSIC AWARDS JAPAN』の要だと考えている。それがあってこそ、一次投票を経たノミネート作品/アーティストの意義が生まれるのだ。
2026年のノミネート作品/アーティストをレーベルの面で見ると、昨年よりも多彩な作品、アーティストがラインナップされていることを感じる。
例えば、2025年の最優秀アーティスト賞ノミネートは、Creepy Nuts(ソニーミュージック)、Mrs. GREEN APPLE(EMI Records/ユニバーサル ミュージック)、Vaundy(SDR)、YOASOBI(ソニーミュージック)、藤井 風(ユニバーサル ミュージック)と、ソニーとユニバーサルのアーティストが多く並んだ。同年の最優秀楽曲賞やTop Global Hit From Japanも含め、特にソニーのアーティストが多かった背景には、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」、YOASOBI「アイドル」といった、アニメを経路としたグローバルヒットの強い存在感もあったはずだ。
対して、2026年の最優秀アーティスト賞にノミネートされたのは、Fujii Kaze(藤井 風)、HANA(NO LABEL MUSIC/ソニーミュージック)、Mrs. GREEN APPLE、サカナクション(NF Records/ビクターエンタテインメント)、米津玄師(ソニーミュージック)。ビクターのサカナクションの活躍が新たな扉を開いたのだ。サカナクションは、昨年の「怪獣」の大ヒットに加えて、今年に入ってからの「夜の踊り子」のリバイバルヒットが最終投票の時期と重なった。その影響力の大きさがどこまで結果に表れるのか、大いに注目したい。
最優秀楽曲賞には、HANAの「Blue Jeans」、米津玄師の「IRIS OUT」、サカナクションの「怪獣」、アイナ・ジ・エンド(エイベックス)の「革命道中 - On The Way」、M!LK(ビクターエンタテインメント)の「好きすぎて滅!」が並んだ。アイナ・ジ・エンドは、現在のエイベックスを代表するアーティストと言える。誰が受賞しても不思議ではない顔ぶれだが、HANA、アイナ・ジ・エンド、M!LKのようなアイドル文化と関わる/関わってきたアーティストの楽曲がノミネートされたことも、2025年から大きく変化した点だ。
最優秀ニュー・アーティスト賞では、CANDY TUNE(KAWAII LAB.)、HANA、luv(ワーナー・ミュージック・ジャパン)、STARGLOW(BMSG/エイベックス)、ブランデー戦記(UNIVERSAL SIGMA/ユニバーサル ミュージック)が顔を揃えた。ボーイズ/ガールズグループとバンドによる混戦模様であり、主要6部門の中で最もエキサイティングな部門だとも感じる。CANDY TUNEは、アソビシステムの大躍進ぶりに忘れそうになるが、実はメジャーレーベルからのリリースではない。『MUSIC AWARDS JAPAN』には、メジャーとインディーズが垣根なくノミネートされているのだ。