「Aぇ! groupは人生の一部」 川島亮祐×サクマリョウが語る楽曲制作秘話、「PRIDE」「《A》BEGINNING」が繋いだ想い
それぞれの現場で確信した4人の歌声、パフォーマンスの進化
――言語化するのは難しいかもしれませんが、具体的に4人の進化についてお聞きしてもいいですか?
川島:僕はコーラスレコーディングに入らせてもらうことが結構あるんですけど、その時、録れたての彼らのボーカルを聴きながらレコーディングをするんです。そのたびに、全員の歌声が進化していっているのがわかるんですよ。会話こそしてないですが、「あ、すげえな」みたいに、毎回なっているんですよね。
末澤さんは、もちろんもとからハイトーンがすごかったのもありますが、その声がもっとふくよかになってきたというか。余裕が出てきているように感じますね。単純にトーンが上がっているのか、無理のないきれいな伸びが心地いいなと。小島(健)さんは、声の密度がギュッとなって、ミドルの気持ちいいところを理解されたんじゃないかなという感じがします。
佐野さんの歌声は、シンプルに楽器としてめちゃくちゃ優秀。もともとピッチを取るのも、ニュアンスを出すのもとても器用で上手だったんですが、それに磨きがかかっているように感じますね。正門(良規)さんは、もう天才タイプというか。歌心がどんどん出ていて、独自の歌いまわしみたいなものを持たれているんです。おそらく、本人はそんなに意識して歌っていないと思うんですけど、どんどん際立っていて。僕が仮歌を入れた時よりも、ニュアンスが出て良くなっているんですよね。
4人とも共通して、感情を乗せるスキルが上がってきているのかなと。経験値や体験したものが全部乗っかってきている気がしています。今、自分たちがどんな気持ちなのか、みたいなものを表現する力が上がってきているから、“進化”を感じるのかもしれません。
――サクマさんは、サポートメンバーとしてAぇ! groupのツアーにも参加されています。ステージ上で披露される彼らのパフォーマンスでの進化も感じられていますか?
サクマ:はい。やっぱりバンド目線で見ちゃうんですけど、みんな余裕があるんですよね。この前、正門くんのギターの弦が1本切れて弾けなくなるっていうトラブルがあったんですよ。その時の対応力が本当に見事で。「こういうトラブル大好き!」って笑いながらメンバーの横に行って歌ってみせたんです。とっさにこんな機転を利かせられるのも、すごいなって感動しました。あと、演奏中も、みんなアイコンタクトをすごくしているんですよね。佐野くんなんて「サクマさんと今のところ一度も目が合ってへん」なんて人懐っこく絡んでくれて(笑)。その時の空気を楽しみながらアレンジして叩くのも、また彼の持ち味ですよね。
でも、そうして自由に動いているメンバーを整理しているのが小島くん。演奏中の彼に注目すると、周りをしっかり見ているのがわかるんですよ。さすがリーダーというか。だからこそ、みんな安心して演奏できるんだなって。成熟しているからこそできる「楽しもう」という姿勢が、一体感に繋がっていって、その日だけのライブの特別感みたいなものを生んでいるんですよね。それが素晴らしいなって。サポートとしても、彼らのやりたいようについていけば、自然といい形になるっていう感覚でやらせてもらっています。対して、末澤くんはステージではだいぶクールな印象。ステージ中、一度目が合うか合わないかくらいの緊張感があるんですけど、それが逆に「もうバックの演奏は任せてください、誠也様」って感じです(笑)。
――Aぇ! groupは、おふたりにとってどのような存在ですか。
サクマ:本来であれば、自分たちが自分たちの好きなものを作るっていう行為の中でしか味わえない喜びを、Aぇ! groupにいただいているというか。制限なく本当にカッコいいと思うものを作ることができる、そんな創作意欲みたいなものを与えていただいているなという実感がありますね。ある意味で、自分たちの思いも託しているというか、音楽に変えて放つエネルギーをそのままぶつけられるグループだと思っているので、とてもありがたい存在です。言葉にするのが難しいんですけど、本当に僕たちにとってAぇ! groupは人生の一部になっていますし、大切にしたいし、適当なことはできないっていう責任を、勝手に感じています。
川島:本当に。これまで自分たちがミュージシャンとしてやってきた苦悩とか、つらさ、喜び、あとはカッコいいと思う価値観みたいなものが、これほどまでにシンクロしているアーティストって他にはいないので。
――これからもAぇ! groupに楽曲を提供されていくと思いますが、今後どのような楽曲を作っていきたいですか?
サクマ:それで言ったら、もう「PRIDE」を超えるしかないと思っています。それは、常に僕らのテーマでもありますね。
川島:やっぱりバンドとしてエネルギーを乗せられるのが、Aぇ! groupの武器なので。やらされている音楽ではなく、歌わされている歌ではなく、今この瞬間だからこそのこの歌なんだって、本人たちもファンの方も納得して聴けるような、彼らの“言葉”として届く歌詞を目指したいですね。そのためにも、彼らのことをずっと見届けていきたいと思っています。
――実際に「こういう曲を歌ってみたい」といった声は聞こえてきたりするんですか?
サクマ:ありますね。彼らは、僕たちがバンド時代に作った楽曲もちゃんとチェックしてくれていて。「この曲めっちゃ良くて、自分たちでもやりたいと思った」って言ってくれたりしていますし。そういうの、すごいキーワードだったりするんで。そういう言葉は、心に留めています。
――それこそ共作というか、メンバーの皆さんと一緒に作るみたいなものも、いつか実現してほしいです。
サクマ:そうですね。佐野くんとは、実際に「音楽作れたらいいな」っていう話とかもしてますし。正門くんはギター仲間として「こういうエフェクターが好き」みたいな話もしていて。彼の出したい音を入れて、次のコンペに臨もうと思います。あとは、小島くんが最近僕のことをいじり始めてきたので、難しいフレーズをいっぱい乗せた曲を作ってやろうかなと思ったり(笑)。
――そして、末澤さんについては「お任せください、誠也様」と?
サクマ:はい、それはもう「仰せのままに」(笑)! でも、本当にまさかこんなふうに自分たちとシンクロするグループがいて、そしてそのサポートとして近くにいられるきっかけまでいただけるなんて。すごくラッキーで幸せなことだと感じています。僕らとしては、バンドで叶えられなかった夢とか見てみたかった景色を、代わりに実現してくれている部分もあって。なので、今度は僕らが彼らの届けたい言葉を、奏でたい音を、一緒に探りながら次の曲に繋げていけたらいいなと願っています。