「Aぇ! groupは人生の一部」 川島亮祐×サクマリョウが語る楽曲制作秘話、「PRIDE」「《A》BEGINNING」が繋いだ想い

「自分たちが決めなきゃ誰が決めるんだ」ーー人生を賭けて挑んだ「《A》BEGINNING」

――デビュー曲「《A》BEGINNING」もおふたりの楽曲です。こちらもコンペで決まったのでしょうか?

川島:そうです。コンペじゃない曲はないですね。

――逆に通らなかった曲とかもあるんですか?

サクマ:めちゃくちゃあります(笑)。これも歌ってほしかった……っていうのが、いっぱい押し入れにしまってあります。

川島:審査基準については、僕らも厳格に聞かされているわけではないんですけど、やっぱりそのときどきのタイミングもあるんですよね。彼らの新曲が発表されて「あー、これが正解だったのか」と思うことも(笑)。コンペの段階でお題となるテーマはあるんですけど、やっぱり楽曲の力でそのテーマを超えたものが採用されるということもあるわけで。そういう意味では「純情パスファインダー」も、最初に出されたお題をもとに、「こういう解釈もできるんじゃないか?」とチャレンジした楽曲でした。

サクマ:実はデビュー曲の時も、「《A》BEGINNING」以外に4〜5曲くらい候補となる曲を提出していました。明るい曲にしてみたり、ロックだけどメロウなテイストの曲にしたり。あえて、バラードっぽいのも作ってみたり。でも結局、この1曲を聴いたらAぇ! groupの全部がわかります、みたいな曲を作ってみようとなって……。その時は本当に「もう人生賭けてでも決める」っていうぐらいの感じで挑んでたんで。最速1日で1曲作っては出して、という感じでしたね。24時間ボイスメモを片手に生活して、風呂場で思いついたら体を拭く間もなくスマホにメロディを録音して作り上げました。

Aぇ! group「《A》BEGINNING」Official Music Video - Streaming Ver. -

――アイドルグループにとってデビュー曲はずっと歌われ続ける曲でもあります。やはりプレッシャーはありましたか?

サクマ:それはもう。今思い出すだけでも、苦しくなるくらい(笑)。ありがたいことに「Break Through」「PRIDE」「純情パスファインダー」「+You」……と、立て続けに採用していただいて。そこからの流れでデビュー曲となった時、「自分たちが決めなきゃ誰が決めるんだ」っていう気持ちで取り組んでいたので、そういうプレッシャーもありました。

――提供する際には、歌割りについては指定されているのでしょうか?

サクマ:指定はありませんが、やっぱりメロディを考える段階で「ここは末澤(誠也)くんが歌ってくれるんだろうな」だったり、それぞれのメンバーをイメージしながら作っています。

――決め台詞からの「キャー!」という展開も最初から想定されていますか?

川島:決め台詞?

サクマ:〈Blaze it up〉のところ、かな?

川島:あー! 決め台詞か。そういう認識ではなかったので、すみません(笑)。なるほど! そこに関しては、リョウとは昔から一緒に制作活動をしてきたので、メロディが上がってきた時に「こういうふうにしてほしいんだろうな」っていうのが肌感でわかったので、カッコよくなるといいなと思って入れたんですけど。そこで、観客からの「キャー!」が起こるとは想像していませんでした。ライブを観てびっくりしましたね(笑)。

「Aぇ! groupならイケる」ーー無茶振りさえ超えていく表現力

――何曲も提供していくうちに、Aぇ! groupが持つ表現力に対する期待は上がっていきましたか?

川島:そうですね、上がっていきました。アーティストの方へ提供するときって、たとえばキーが指定されているみたいな制限があるなかで作ることも珍しくないんです。でも、Aぇ! groupに関しては、そういうのは何も気にせずに、ただカッコいいと思うものを作って投げればいいという安心感というか、信頼感があります。なので、自然と求めているものが上がってしまうというか。

サクマ:制作サイドにも、その「Aぇ! groupならイケる」みたいなノリがあるように思いますね。「PRIDE」のハイトーンも、もともとはあそこまで高くなかったんですよ。でも、「限界まで高くしてみて」という要望がきて。あと、それこそラップパートについては、いつも「これ、亮祐にしか歌えないんじゃないか?」って思うんです。独特な譜割りというか。

川島:でも、毎回ちゃんと彼らは超えてくるんですよね。僕たちが無茶振りのように渡した楽曲を、自分たちのものにしてカッコよくしていく。だから、めちゃくちゃリスペクトしています。

サクマ:歌だけじゃなくて、たとえばギターソロとかも、「こんなのプロのギタリストが弾くフレーズだけど大丈夫?」って思うような、とんでもなく難しいフレーズだったりするのに、いざ彼らのもとに渡ったらちゃんと弾いてるんですよ。なんなら、遊びを入れたりしてて。きっと僕らが見えていないところで、ものすごく努力されているんだろうなって思います。ラップも速いし、声も高いし、演奏も上手いし。すべてが高次元のグループだなっていうのを実感して、「ネオンライト」っていう本当に無茶振りの極みみたいな楽曲も作ってしまったんですけど! 一旦、そこからちょっと落ち着いて、「僕の一番弱いところ」みたいな楽曲も提供させてもらって、最近また無茶振りの血が騒ぎ出しているところではあります(笑)。

――4thシングル『でこぼこライフ』初回限定盤Aには、おふたりが手掛けた新曲「Rain Sick」も収録されていますね。

サクマ:未練たらたら系ソングとでも言いますか、大人っぽい感じの楽曲ですね。ちょうど子どものお昼寝の寝かしつけをしていた時に、雨が降っていたんです。その音をずっと聞いていたら、曲のフレーズがバーッと浮かんできて。アコースティックな感じと、ローファイヒップホップっぽい感じ。そこに、ちょっとバンドサウンドを入れて、場面転換的にちょっとずつ切り替わる展開になっています。

川島:歌詞に関しては、この曲はもらったデモを聴いた時から、ブワーッて言葉が湧いてきたような感じだったんです。だから、主人公がどう動いていくかを追いかけていく感じで書いていきました。MVを作ったらメンバーがこんな感じに動くんじゃないかなって脳内で再生される場面もいくつかあって。

サクマ:冒頭に台詞があるんですけど、それもギリギリになって亮祐に「なんか台詞があったほうがいいんじゃないか」って連絡して入れてもらったんですよ。それで提出したんですけど、後からその台詞が決め手になって採用されたって聞きました。

川島:良かったね、入れて。

サクマ:その台詞が、本当に雨でびしょ濡れになっている感じというか。ビチャビチャな男が公衆電話から彼女に電話をかけているかのような、そんな情景が思い浮かぶ台詞だなと思っています。

川島:未練たらたらなAぇ! groupを堪能してください!

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