「Aぇ! groupは人生の一部」 川島亮祐×サクマリョウが語る楽曲制作秘話、「PRIDE」「《A》BEGINNING」が繋いだ想い
Aぇ! groupが6月17日にリリースした4thシングル『でこぼこライフ』に、全形態共通カップリング曲として収録されている「PRIDE」。この曲は、彼らがアイドルでありながらバンドスタイルをひとつの武器として、本気で音楽と向き合ってきたことを象徴する楽曲だ。
ジュニア時代から大切に歌い続けてきた本作は、ファンの間でも伝説的に愛され、YouTubeにアップされたライブ映像は2000万回視聴を突破。今回の音源化を受けて、メンバーのメッセージが添えられたティザー映像が公開されるなど、本人たちの思い入れの強さも窺えた。
そんな「PRIDE」の作詞・作曲を担当したのは、ロックバンド・NoisyCellとしても活動してきた川島亮祐とサクマリョウ。学生時代から、サクマが曲を作り、川島が歌詞を紡ぐスタイルを貫いてきたふたり。自分たちが音楽に向き合う中で抱えてきた苦悩や熱意は、いつしかAぇ! groupのひたむきさとシンクロしていったという。
待望の音源化を果たす「PRIDE」に込めた思い、Aぇ! groupのデビュー曲「《A》BEGINNING」の制作秘話、そしてふたりが感じたAぇ! groupの“進化”についてたっぷりと語ってもらった。(佐藤結衣)
“自分ごと”になったからこそ生まれた「PRIDE」
――おふたりがAぇ! groupの楽曲制作に関わったのは、いつからでしょうか?
サクマリョウ(以下、サクマ):一番最初に担当させていただいたのは、まだ彼らがデビューする前、ジュニア時代の楽曲「Break Through」(3rdシングル『Chameleon』初回限定盤Cに収録)でした。厳密に言うと、その前に「アエテオドル」という曲で僕が編曲に携わらせてもらったのが最初のお仕事でした。
――楽曲提供は、基本的にコンペで決まると伺いました。
サクマ:そうですね。僕たちがバンド活動していた頃からお世話になっているマスタリングエンジニアの方から、Aぇ! groupの音楽制作ディレクターさんとご縁が繋がって、コンペに参加するきっかけをいただきました。
――当時のAぇ! groupに対する印象はいかがでしたか?
川島亮祐(以下、川島):正直、彼らのことは楽曲制作をする時に初めて知って。当時、ジュニアの動画配信をしていたサイト『ISLAND TV』(2019年〜2023年)を見るところから始めました。その時に感じたのは、とにかく個性の強さです。もちろん他のグループもすごく魅力的でしたが、彼らはちょっと年齢が上だったというのもあって、バラエティの受け答えの仕方なんかもすごく成熟しているように見えたんですよね。なんだかグループとしての強度が高い、いいチームだなと思ったのが第一印象でした。
サクマ:ふたりでAぇ! groupのことを調べながら「国民的アイドルになりそう」みたいな話をしていたんですよ。どこから目線なんだと言われるかもしれませんが(笑)。それぞれの個性がバラバラで、でもそれをわかっている感じがあって。性別とか年齢とか関係なく支持される魅力がある、そんな印象を持ちました。
――そんな彼らに対して楽曲を提供する時の気持ちというのはいかがでしたか?
川島:最初は「応援したいな」という気持ちが強かったですね。もちろん、今もその気持ちは変わらずにあるんですけど、なんというか……こんな言い方をしたらちょっとおこがましいかもしれないですが、どんどん自分ごとになっていったんです。それこそ「PRIDE」以降は、もはや彼らに対して自分の思いも乗せているところがありますね。
サクマ:僕も、もともとは他のアーティストさんに楽曲を提供するのと同じような感覚でコンペに参加していたんですけど、知れば知るほど彼らの魅力がわかってきて。その熱さとか、ちょっと不器用なところとか。いろいろと見えてくるたびに好きになっていきました。もう「PRIDE」を出す時には、「この曲でデビューしてくれ!」という思いでした。
逆境から生まれる“エネルギー”を音楽に変えて
――「PRIDE」について、佐野晶哉さんが雑誌のインタビューで「歌詞の解像度とか曲の強さは、さすがやな」とおっしゃっていました。
川島:ありがたいですね。そんなふうにおっしゃっていただけたのは、僕自身がバンドマンだった経験が大きいのかなと思います。バンドって、極端に言えば人が集まって楽器を演奏すればバンドになるんです。でも、ロックバンドにはそれ以上の世間に対する不満とか憤りとか、怒りとか、そういうちょっと激しいエネルギーみたいなのが乗っからないとカッコよくならないって個人的には考えていて。
僕自身もバンド活動をしていた時に、自分の実力のなさもそうですし、それ以外にも関係のない人とか出来事とかに足を引っ張られて、何かを断念しなきゃいけないような場面がいくつもありました。そういう行き場のない感情を常にエネルギーに変えて音楽にしてきたんです。もちろん、僕はAぇ! groupの当事者ではないのですべてを理解することは不可能ですけど、聞いた話だけでも彼らにも逆境があったというのは感じ取れたので。そういう部分が乗せられるグループなんだなって思っています。
――サウンド的にも、そうした思いが乗るという感覚はありますか?
サクマ:ありますね。提供楽曲って、どこか綺麗にまとめてしまいがちなんですけど、Aぇ! groupのバンド曲に関しては、割と荒々しい状態でも提出したいという気持ちになります。やはり、彼らの持っている剥き出しのエネルギーと少なからず共鳴している気がしているんですよね。加えて、彼らに対してはプロデューサーの大倉(忠義)さんや音楽スタッフからの「こういう楽曲が今、彼らには必要なんだ」というメッセージも明確にある。その熱い思いがそのまま届くというか。なので、綺麗にまとまりそうになったら、むしろトゲを刺していくくらいの勢いで、攻撃性や鋭さを失わないようにしているところがあります。
――「PRIDE」のライブ映像が、2047万回視聴を突破(2026年6月19日現在)し、4thシングルにも収録されることになりました。これだけの人気を博す楽曲になりましたが、おふたりのもとに反響は届いていましたか?
川島:もちろん楽曲を手がけた人間として「ありがとうございます」という感謝の言葉をいただいたりはしましたけれど……。やっぱり、すごいのはAぇ! groupなんで(笑)。
サクマ:自分たちがやってたバンドで経験してきた時との反響の規模感が違いすぎて。どこか、そこに関してはちょっと他人事になっちゃうというか(笑)。
川島:ある意味、僕らとしては曲を提供した時点で手が離れた感覚もあるんです。そこから、育てて、これだけの反響を生み出しているのは、やっぱりAぇ! groupが楽曲を自分たちのものにしているからこそだと思いますね。