嵐 全史(後編):“この5人”を守るための最後の決断 失われなかった普通の感覚、人々に寄り添い続ける――27年の希望

 今月5月末で活動終了となる嵐。これを前に、その軌跡を3つの時代に分けて振り返りたい。最終回となる後編は、2019年に発表された活動休止から2025年5月に発表された活動終了という決断に至る時間、そして現在2026年5月の今に迫る。

活動休止の理由と5人の思い

 2019年1月27日、嵐は公式ファンクラブサイトの動画を通じて活動休止を発表。同日に開かれた記者会見では、報道陣100人以上が詰めかけた。そこであらためて経緯の説明があるとともに、質疑応答が行われた。少し長くなるが、その際発表されたメッセージを引用する。

「僕たち嵐は、2020年12月31日をもってグループとしての活動を休止させていただくことになりました」
 

「何度も何度も話し合いを重ね、2020年という期限をもって嵐を休止するというかたちになりました」

「嵐じゃないと叶えられない夢がたくさんありますし、嵐じゃないと見られない景色が山ほどあると思っています。ここから2年かけて5人で走っていく中で、どうかファンのみなさんも、一緒に景色を見るために、一緒に走っていただけたらと思います」

 5人のコメントを総合すると、大野智が2017年6月中旬頃に「一度何事にも縛られず、自由な生活をしてみたいという思い」が強くなったことを4人に伝え、そこから全員で話し合いを重ねた。そして、「5人でなければ嵐ではない」(櫻井翔)という認識を全員が共有するなかで出した結論が活動休止だった。

 印象的だったのは、やはりメンバーたちが“この5人であること”の意味を強調していたことだ。「4人でも6人でも嵐ではない」(二宮和也)、「また5人で再開できればなと思っています」(松本潤)といった言葉からは、デビュー以来メンバーの変動もなく一緒にやってきたことへの自負が感じられる。あらためて、「5人でいるときがすごく楽しかった」という、前編で触れた二宮の言葉が思い浮かぶ。

 そして同様に印象的だったのは、繰り返し述べられたファンへの感謝の気持ちである。

 「本当にファンの皆さんにはいろんな景色を見せていただきました」(相葉雅紀)といった言葉があり、また「『無責任』という声もあるのではないか」という質問に対しては、「2年近くかけて感謝の思いを伝えていく期間を設定した。これは我々の誠意です」と櫻井が答えるなど、ファンとの関係性を第一に考えていることが見て取れた。

『5×10 All the BEST! 1999-2009』

デビュー20周年、そして思わぬコロナ禍のなかで

 この日から、約2年におよぶ活動休止までの道のりが始まった。

 2019年は、まずデビュー20周年を祝う全国5大ドームツアー『ARASHI Anniversary Tour 5×20』があった。前年からの公演とあわせ、全50公演におよぶ大規模なツアーである。総動員数は237万5000人に達した。

嵐 - BRAVE (ARASHI Anniversary Tour 5×20)[Official Live Video]

 6月には同じく20周年記念のベストアルバム『5×20 All the BEST!! 1999-2019』をリリース。発売3日でミリオンセラー(最終的にはダブルミリオン)となった(※1、2)。8月には、通算5度目となる『24時間テレビ42 愛は地球を救う』(日本テレビ系)のメインパーソナリティを務めた。

 またインターネット時代を踏まえた動きも目立った。

 10月に公式YouTubeチャンネルを開設。ほかのSNSも同様にアカウントが作られ、初の配信限定シングル『Turning Up』の発売もあった。また12月31日には、5人に密着するドキュメンタリーシリーズ『ARASHI’s Diary -Voyage-』(Netflix)の配信が始まった。

活動休止まで走り続けた、嵐の軌跡 | ARASHI’s Diary -Voyage- | Netflix Japan

 ところが、活動休止まであと1年となった2020年、世界中をコロナ禍が襲う。そのため予定されていた北京公演が中止になるなど、スケジュールにも少なからぬ影響がおよんだ。

 だがそれでも、YouTube公式アカウントでコンテンツを配信したり、オンラインイベントに参加したりするなど、さまざまな活動を嵐は繰り広げた。またシングル『カイト』の累計売り上げが100万枚を超え、嵐にとって初のシングルミリオンセラーになるという嬉しいニュースもあった。

 そして、中編の終わりでも触れたように、活動休止直前の大晦日には初の生配信ライブ『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』を東京ドームで開催。途中、『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)との生中継で「カイト」「君のうた」「Happiness」を歌唱する場面もありつつ、全28曲が披露された。

 このライブはコロナ禍のため無観客だったが、ファンから寄せられた歌やダンスの動画がスクリーンに映し出されるなど、ファン参加型の趣向が随所に取り入れられた。先ほど触れた記者会見でも語られたファンへの感謝の思いを具体化したことになる。

"This is ARASHI LIVE 2020.12.31" Digest Movie

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