MORE STAR ソロインタビュー Vol.9:山本るしあ「普通に生きていたらもったいない」現実を見据え、強気にひたむきに
「妹にも同じように好きな道を選んでほしい」――原動力である大切な家族
――話を遡ると、オーディションで最終審査まで進めたことで、やる気が満たされてしまう人は多いと思うんです。でも、山本さんは夢を追う期間を延ばしてでも挑戦しようと決めた。今、話に出たスタッフさんの言葉もそうですけど、その“やってやる精神”はどこで培われたものなんですか?
山本:基本的には自分に自信がないんですけど、変なところが強気なんですよ。「これまでダンスも頑張ってきたのに、どこの芸能事務所にも所属しないで普通に生きていたら、もったいなくない?」って。そのときだけスイッチが入るんですよね。そんな“もったいない”というスタンスが原動力になっていますね。
――素晴らしいですね。それって誰かの影響なんですか?
山本:どうだろう? お母さんに「るしあはかわいい」と言われて育ったから、嫌でも自信がついたんですよね(笑)。芸能の道に進まなかったら、どんな道が残っていたんだろうって本気で考えるぐらい、今はこの道以外は考えられないです。あと、審査で落ちてしまったとき、お母さんが「今回はご縁がなかったのかも」と言ってくれて。逆に、アソビシステムに受かったときは「ちゃんと見てくれる事務所出会えたね」って(笑)。
――山本さんもお母さんも、他人にどう評価されようとブレない、自分の物差しを持っているのがいいですよね。「人からこう言われたから私はダメなんだ。もっと変わらなきゃ」じゃなくて、「自分はいいと思っている。それを相手が分かるかどうか」ってことですよね?
山本:そうです(キッパリ)。
――そこがカッコいいですよね。
山本:基本は自信がないんですけど、心の奥底では……っていう(笑)。
――いつも賛辞の言葉をくれるお母さんは頼もしい存在ですね。
山本:はい! 「自慢の娘だ」といつも言ってくれます。
――さすがです。
山本:いや、もっと自慢できる存在になりたいです。今の目標は、妹の学費を払うことなんですよ。それもギリギリで達成するんじゃなくて、「全然いいよ」って言えるくらいの余裕を持てたらカッコいいなと思っていて。だからこそ、いろんなことにチャレンジしながら、この世界で頑張っていきたいです。
――どうして学費を払いたいんですか?
山本:普通にシスコンなのもあるんですけど(笑)、私は自分の好きな道を選ばせてもらってきたので、妹にも同じように好きな道を選んでほしいんです。もし行きたい学校があって「奨学金を払える自信がない」と言うなら払ってあげたいし、「東京に行きたいけど初期費用がない」と言うなら、「いいよ、私が出すよ」って言ってあげたいんですよ。
――それだけ妹さんが好き?
山本:はい、大好きです。妹は小学5年生と小学3年生のふたりいて、LINEのメッセージをいっぱい送ってくれたり、「今日のてんちゃんだよ」と愛犬の写真を送ってくれたりして。もう、かわいくて仕方がないんですよね。しかも「学校でお姉ちゃんのことをめっちゃ話してるんだよ」と言ってくれるんです。超かわいくないですか? それを聞いて、さらに「大好き!」となりました。
――妹さんができたことで、山本さんの意識は変わりました?
山本:大切にしたいと思う存在ができました。もともとお母さんに「妹がほしい、妹がほしい」って言い続けていたんですよ。そんななかで生まれてきてくれた子たちだったので、ママよりも先に抱っこして、ママよりも先にミルクをあげたりしていて。妹の面倒は率先して見ていました。
――それで看護の道を?
山本:そうなんですよ! 妹が生まれてから助産師になりたいと思うようになりました。
――活動の話に戻すと、MORE STARのオーディションを振り返って、印象に残っていることは?
山本:いやー、もう合宿は経験したくないですね。そう思うくらい、精神的にもハードな時間でした。
――当時はどんな状況だったんですか?
山本:課題として指摘されていたのが、言動の部分でした。「るしあの性格は、いい面で発揮されることもあるけど、悪い面に出てしまうとネガティブな印象が強くなってしまう」と言われていて。オーディション中は言動に気をつけて生活していたら、自分をあまり出せなくなってしまって、存在意義も分からなくなっていったんです。「もう落ちたな」と思いながら、合格発表まで過ごしていました。
――負のスパイラルに入ると、自分が成長していないどころか、むしろマイナスになっていないかと、よくない方向に考えちゃいますよね。
山本:本当にそうで! 「これが正解なのかな」とめっちゃ考えるし、そもそも心配症なところもあって。メンバーにも「今日のるしあは大丈夫?」って、うるさいくらい、しつこいくらい聞いちゃってて。それぐらいに不安だったんだなって、今振り返ると思います。
――自分のなかの物差しが初めてブレる感覚というか。
山本:そうですね。歌やダンスには、あまり不安はなかったんです。だからこそ、今見られているのは実力そのものよりも、行動や人としての成熟度なんだなと思って。周りの目や表情をうかがいながら、気を引き締めて生活するようになりました。
――そんな大変な期間を乗り越えて、念願のメンバーに選ばれたときの心境はいかがでしたか。
山本:素直に「よかった」と思ったし、安心もしたんですけど、やっぱり現実主義なところもあるので、「ここでデビューしても売れなかったら意味がない」と、すぐに気持ちが切り替わって。喜びに浸るよりは、「もっと人気になるために頑張ろう」と先を見ていましたね。
――子どもの頃から、そのバランス感が絶妙ですよね。夢を追うのも早かったですし、果敢に挑戦もしている。一方で、堅実な部分もあって。
山本:「夢を見過ぎない、期待しすぎない」が私のモットーなんです(笑)。
――そのモットーはいつから?
山本:ダンススタジオに通っていた頃、先生に少しでも褒められると「私って結構いいんじゃない?」って浮かれていたんです。でも、いざ立ち位置が発表されると端になることが多くて、「あまり期待しすぎないようにしよう」と考えるようになりました。それが少し悪い方向にも働いてしまっていたのかな、とも思っていて。期待しない分、頑張れる範囲の力しか身につかないというか。もっと自分に期待して頑張れていたら、実力もさらに伸びていたのかなと、今になって思います。期待することも大事なんだなって感じました。