B'z、なぜスポーツと相性がいい? W杯、世界水泳、WBC……名場面と共にあり続けるダイナミックな名曲たち
『FIFAワールドカップ2026』が6月11日より、アメリカ、カナダ、メキシコの北中米3カ国16都市で開幕する。注目の日本代表はグループFで同月15日にオランダ、21日にチュニジア、26日にスウェーデンと対戦し、優勝を目指す。
そんな日本代表の試合を中継する日本テレビ系のサッカーテーマソングをB'zが担当することが5月6日に発表された。B'zは書き下ろし曲を提供する予定で、公式サイトに掲載されたコメントでは松本孝弘と稲葉浩志が「勝つ事が第一の使命とされる巨大な大会ではありますが、この現実を生きていく中で、勝敗の分かれ目のさらに先で、人と人が繋がりあえる世界であってほしいという願いを込めずにはいられませんでした。私たちに勇気と希望を見せてくれる選手たちに大きな拍手を送ります」(※1)と、楽曲に込めるメッセージについて触れた。
スポーツの名場面を彩ってきたB'zの楽曲たち
B'zの楽曲は、驚くほどスポーツと相性がいい。特に、スピード感のあるところが合うのだ。2015年開催のモータースポーツ『Red Bull Air Race 2015 in Chiba』テーマソングに提供した「Las Vegas」も良い例だ。同レースは最高時速370キロ。「空のF1」と称され、世界最速のモータースポーツとして知られている。一方で、レースパイロットの驚異的な操縦技術から繰り出される飛行シーンではエンタテインメント性も感じられ、ダイナミックなギターサウンドやホーンセクションが鳴り響く「Las Vegas」との一体感も抜群だった。
2001年『世界水泳福岡大会』のテーマソングとして人気を博して以降、『世界水泳』の長年の定番曲となったのが「ultra soul」だ。同曲はあらゆるアスリートの努力を楽曲化したような内容で、冒頭の〈どれだけがんばりゃいい 誰かのためなの?/分かっているのに 決意(おもい)は揺らぐ〉はどれだけ強靭な肉体を持っていても、スポーツ選手のメンタルはとても繊細であることが窺え、直面する様々な壁を乗り越えるために心身を鍛え抜く様子が想起できた。
また直近でも稲葉浩志がカバーした「タッチ」は、2026年の『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』で、Netflixによる日本国内でのライブ配信時の大会応援ソングとして起用されている。歌詞の〈お願い タッチ タッチ/ここにタッチ〉と侍ジャパンが世界一を掴もうとする光景が重なった。野球関連では2025年、阪神タイガースの創立90周年を記念して松本が提供したテーマソング「Tiger's eye」も記憶に新しい。圧倒的な強さでリーグ制覇を達成し、日本一を目指すタイガースを力強いギターサウンドと、歌というよりかけ声に近い「Go Go Tigers Go」との言葉で鼓舞した。
熱狂とマッチする、稲葉浩志の臨場感たっぷりな歌詞
前述したようにB'zの曲は強烈なスピード感を誇るところが、スポーツのテーマソングに向いていると言える。加えて、曲冒頭からテンションが徐々に上がっていってサビで最高潮を迎える曲構成も、スポーツ観戦で得られる高揚感と非常によく噛み合う。
そして、なにより歌詞である。稲葉が生み出す歌詞は、スポーツの様々な状況にもマッチする普遍性を持っている。先で触れた「ultra soul」のようにスポーツ選手のメンタリティに重ねて聴くことができるし、2002年の『WRC世界ラリー』(テレビ朝日系)のテーマソング「熱き鼓動の果て」で綴られた〈汗がひとすじ 頬をつたい落ちて/迷いとともに どっかにとんで消える〉など、試合の情景を浮かび上がらせる臨場感たっぷりの歌詞内容も、スポーツの場面に適していると言える。
サッカー日本代表の『ワールドカップ』の過去最高成績はベスト16。しかし予選からの戦いを見ると、ベスト16以上が期待できる今年。B'zによるテーマソングも、日本代表の健闘を願うものになることは間違いない。一方で松本、稲葉のコメントが示すように、世界各国で争いが勃発し、深刻な分断が起きている情勢なども鑑みながら、世界が一つになるこの大会の意義をあらためて問いかけるような楽曲になるのではないだろうか。
※1:https://www.ntv.co.jp/soccer/articles/48thg250lrd0zrdud9.html