Blue Mash、今を生きる人の心を打つためにーー“青さ”を凝縮した『泣くな、青春』でいざメジャーへ!
「数年後むっちゃ恥ずかしくなるくらい“青い”アルバムにしたい」
――合宿でレコーディングしたということですけど、曲はなくとも作品の全体像についてのイメージはあったんですか?
優斗:今ラジオをやらせていただいるんですけど、レコーディングの前々週ぐらいに収録があったんですね。1月3日とか4日とかだったと思うんですけど、その時点ではまだ2曲しかできてなかったんです。2週間前で2曲しかできてなくて、あと4曲何とかせねばならないみたいな状況で。そのときにラジオの流れで僕がバッて言ったのが、数年後むっちゃ恥ずかしくなるくらい“青い”アルバムにしたいっていうことだったんです。それはすごく体現できたんじゃないかなって思います。個人的にはそのコンセプトが出たことでいろいろすっきりした感じがありました。
――Blue Mashは今までの曲でも青い部分を出してきたバンドだと思うんですけど、確かにこの『泣くな、青春』というアルバムは一番恥ずかしいというか、奥底にあるドロッとした部分やぐしゃっとした部分をさらけ出しているような感じがしますね。
優斗:やっぱりそういうものじゃないと、今を生きる人の心を打てないんじゃないかっていう自分なりの考えがあったんですよね。いわゆる「名盤」と呼ばれるアルバムってあるじゃないですか。僕のなかにも名盤みたいなアルバムがあって、そういうアルバムって、もし今出会ったとしても、あのときと同じ気持ちで聴けるかっていうと、たぶんそうじゃないと思うんですよね。10代のあのとき、20代のあのときに出会ったから、自分のなかの名盤としてあるっていう話だと思うんですよ。だから結局、“今”の人に向けて、自分が今出せる100%で勝負しないとなって思うんです。数年後を見据えて曲を作るのではなく、今の120%とか130%を思い描いて作ることが、一番刺さるんじゃないかなと思うんです。
――それってバンドのスタンスと同じじゃないですか。要するに、遠い目標は見据えてるし、そこからの逆算で物事を考えてるけど、でもいざやるときは目の前のことしか目に入らなくなるっていう。
優斗:そうですね。それを一緒にしたらいいんちゃうって思ったんです。バンドの全体のスタンスと作曲のスタンス、たとえ恋愛だろうが青春だろうが、歌ってることはなんであれ、同じようなスタンスにすればいいんじゃない? って思った部分もあるかもしれないです。
げんげん:でも、技術面で言ったら、昔に比べてびっくりするくらいテイクの選び方が厳しくなった気がします。だからすごく丁寧に弾いたっていうか。
マサヒロ:ああ、演奏とかに対しては、ちょっと意識はしたかも。メジャーデビューするんだから、ちゃんと聴かせられるものを録らないとっていうのは。
げんげん:データ的にはすごいスッキリしてると思うんですよね。
――それは聴いていても伝わってきます。それこそ整理されてるというか、なんていうのかな、選び抜かれている。「ここはこれなんだ」という確信が、ちゃんとすべてのフレーズ、すべての音にあって。だからトータルとしてすごく整って聴こえてくるというのは、確かに数年前の作品とは明らかに違う感触があるなとは思いますね。
優斗:それがいい、悪いもまたあるんですけどね。でも今のターンはこれやなっていう、自分なりの100%だと思います。そうじゃない選択肢もあったなかでこっちを選んでるんで。それもちゃんと確信をもって選べたなって感じですね。
げんげん:「音源は音源にしよう」っていうタームに入ったんですよね。ライブっぽく録ってみようみたいなときもあったんですけど、結局音源は音源でしょうみたいなモードになったから、今回のアルバムは綺麗に録ろうってなったんです。
荒川:クリックなしで撮ってみたりもやってきて、一周回った感じですね。結局さらっと音源作った方がいいっしょ、みたいな。それをライブでするならどうアレンジするかはこれから考えていくところですけど。
――『泣くな、青春』というタイトルですし、まさに青春というものが一個のテーマにはなっていると思うんだけど、でもそれはたとえばバンドを組んだ頃に感じていた青春とは明らかに違うものであって。今なりの青春の見方とか捉え方みたいなのを、ちゃんと音も含めて作品にできた感じがしますね。
優斗:それで言うと、バンドを始めたときに思い描いていたバンド像みたいなものが、 今やっと一周回って合ってきた感じ。同じことを、今ちょうど考えてる感じですね。最初「こういう歌が書きたい」って思って歌を書いたわけじゃないですか。それからいろいろあって、こういう歌もいいね、こういう歌もいいねってなったなかで、音楽性とかもわりと一周回って、最初に始めたときと今は結構一緒かもしれない。タイトルに「青春」っていう言葉を入れた覚悟にはそれがあって。自分が想像してた青春というワードとの整合性が今やっと取れてきた。しかも、初期衝動みたいなのだけじゃなくて、ちゃんと全部やって、それが選べるようになってきたところですかね。
過去の経験から得た制作におけるバランス感覚
――タイトルの『泣くな、青春』というのはいつついたんですか?
優斗:これは曲が半分ぐらいできたときに……「泣くな東京」っていう曲があって、それが、バンド的には全然メインじゃないというか、老若男女に聴いてほしくて書いた曲じゃなくて。自分だけに刺さればいいと思ってたんですよ。今自分がこれを出さないと終わると思ったから出しただけなんですけど、その曲が書けたっていうのが自分的にすごく大きくて。一個、自分のなかの曲のクオリティが上がった瞬間でもあったし、「こういう曲が書きたい」というのが体現できた瞬間でもあって。それをある種冠したタイトルがいいなと思って『泣くな、青春』にしました。
――「泣くな東京」はめちゃくちゃ重要な曲ですよね。おっしゃったように、自分に矢印を向けて書いている曲だからこそ、今何が歌いたいのかとか、どんなことを思っているのかとか、それこそ上京していろいろなものが変わっていくなかで、自分の内側にあるものちゃんと捉えたっていう意味ではすごく大きな曲になったんじゃないかなと思います。
優斗:自分も自分に矢印を向けて書いたの久しぶりだったんで、それはよかったって感じです。
――この曲、テンポチェンジがあるんですけど、これは10代と20代の時間の感じ方の違いを表現したって、noteに書いていましたよね。やっぱり全然違いますか?
優斗:それは違いますよ。まあ、全員わかってる話だと思うんですけど、全然違いますね。
――それは「あの頃はよかったな」って感覚でもあるんですか?
優斗:その感覚ももちろんあります。それを「今のほうがいいでしょ」って言ったら、嘘になると思うんで。ただ、戻りたいかと言われれば、すぐに言えない。自分のなかで守りたいことがあって、今やりたいことがあって、っていうのが20代っていうイメージですね。
――それを表しているのが、最後の〈生きてかなきゃ〉っていうフレーズだと思うんですよ。
優斗:ですね。最後にテンポが戻るじゃないですか。あれは、自分的には、10代を回想して、でも〈生きてかなきゃ〉で今を生きることを選ぶっていうイメージだったんです。
げんげん:そんなこと思ってたんやって今、俺は思いました(笑)。ああ、そういうテンポチェンジだったのね、みたいな。
優斗:あんまりメンバーに話しすぎると客観性がなくなっちゃうんで。俺は自分で作った楽曲を客観視できないんで、3人が客観視してくれないと、「これ大丈夫?」って誰も言ってくれないから。この歌詞にはこういう気持ちがあるんだから、これがいいでしょうってなっちゃうとダメかなって。それは俺だけがわかっていればいい話で。メンバーも含めて、伝わりやすさは大事だと思うんで、そこをちゃんと担保してもらわないといけない。
――だからそれが優斗さんにとってバンドをやる意味なんだと思う。それこそDAWで作れるわけじゃないですか、技術的には。でも、それを4人で鳴らすということはどういうことなのかっていう。
優斗:うん。最近俺が面白いと思っているのは、今回のアルバムは特にそうなんですけど、この曲がどういう曲かって、ギリギリわかるかわからへんくらいのラインでメンバーに渡すっていう。このパスのタイミングが結構、曲のアレンジを左右すると思ってるんですよ。だから今回、曲によっては全部自分でやっちゃった曲もあるし、逆にスタジオでああだこうだ言いながらやった曲もあるんですけど、曲によって結構分けていて。どこでパスするかってめっちゃ大事だと思うんですよ。たとえばビートは全部俺が決めるとか、逆に決めのリードギターだけ決めるとか。僕、ベースはうまくないんでわかんないですけど。
荒川:ベースのフレーズに対して何か言われたことは一回もない(笑)。アレンジで言ったら、優斗とマサヒロがどうのこうの言って進めるというのが、今回の作り方ですね。それを総指揮するのが優斗みたいな。
優斗:そう、ここまでは俺がやるっていうラインを自分で引いて、そこで渡すっていう。もともと曲のテーマができたぐらいで、「ここまではやったほうがいいな」っていうのも考えながらやってる節はあるかもしれないです。
――そのラインを、前は引けなかったわけだよね。
優斗:そういうことですね。だからメンバーとの関係性も悪くなるんですよ。普通にいいものを作りたいっていう気持ちは同じなのに、思い描いている“いいもの”が全員違う。それって一番正義のある戦いをしなくちゃいけないわけじゃないですか、スタジオ内で。まあそれは疲れるんで。全員の気持ちが無駄にならないようなラインでパスを出すっていうことを最近覚え始めた。たとえばライブを決めるときも、いったん自分で決めるか、メンバーに出すかっていう判断とか、そこでラインを決めて渡せたら、予期せぬことが大体いい方に向くんですよ。いわゆるいい化学反応みたいな感じになるので。
マサヒロ:ラインを決めないで踏み込んでしまって、こっちがなんとなくで言っちゃったことが気に障って喧嘩するのが一番しんどいからね。
優斗:そうそう。どっちもちゃんと考えてないのに、それだけで喧嘩になるのが。
――そこはやっぱり過去の経験が活きてる……。
優斗:うん、野球できるくらいやめてるんでね(笑)。
――でも、そうやって紆余曲折を経ながらもバンドは続いてきたし、これからも続けていく。そういう思いも、最後の「君がバンドを辞めた夜」には表れている気がします。
優斗:これは、友達のバンドが解散して、その最後の企画に急遽出演したんです。で、ライブした後にそのバンドのライブを観たんですけど、全然よくなくて。「あの頃のおまえらはどこいってん」って思ったらボロボロ涙が出てきて……っていう歌です。めちゃくちゃ一緒にやってた、初めて一緒に遠征行ったりとか、ツアー回ったりした友達だったんで。
げんげん: 俺が加入して一発目のライブもそのバンドとの対バンやったしね。
優斗:そう。そのバンドに向けて書いたんですけど、後半は結構お客さんに向けて歌ってます。最後の4ブロックとかは完全に自分のエゴっていうか、自分の頭の中でライブ前に唱えているようなことを全部バーって書きました。
――正直な気持ちを吐露しながら、でも「やっていくんだ」っていう意思がめちゃくちゃあるっていうのが伝わる、この節目にふさわしい曲になったと思います。
優斗:そう、だからイメージとしては「泣くな東京」とも近いかもしれない。
――わかりました。まずはこのアルバムをしっかり聴いてもらって、ライブにも来てもらって。目指している武道館に向けてがんばっていきましょう。
優斗:はい! ありがとうございます!
■リリース情報
Blue Mash
1st ALBUM 『泣くな、青春』
2026年3月25日(水) リリース
Pre-Add / Pre-Save :https://lnk.to/BlueMash_NakunaSeishun
初回限定盤
CD+DVD (VIZL-2516) 5,500円 (税込)
通常盤
CD (VICL-66141) 3,300円 (税込)
CD
収録曲(全10曲)
01. 平成時代
02. セブンティーン
03. 死にたくなったら会いにきて
04. 恋人のすべて
05. 東名高速下り線
06. 少女 (feat. あい from ハク。)
07. 泣くな東京
08. 海岸線
09. 愛すべき日々
10. 君がバンドを辞めた夜
初回限定盤(CD+DVD)
DVD(収録内容)
・「この街を出て -大都会終結編-」 at 恵比寿LIQUIDROOM 2025.12.16
・Blue Mash Documentary「この街を出たとしても」
オリジナルステッカー封入
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