ラウド/ポップパンクの新たな騎手 WORSTRASH 『REDLINE』出演で変わった運命、ロックで掴みたい夢を語る
2024年12月、幕張メッセで開催された大規模フェス『REDLINE ALL THE FINAL』のオープニングアクトオーディションに参加したWORSTRASHは350組以上の中から見事、その座を射止め、注目を集め始めた。その時、バンドの運命が大きく動いた。
WORSTRASHのメンバーはLen(Vo)、bibi(Ba/Vo)、TØM(Dr)の3人。バンドのスタートは2017年まで遡るが、活動が本格化したのは、TØMが正式に加わった2021年だという。以来、ポップパンクをバックボーンにしつつ、ラウド、ラップ/ヒップホップ、EDMの要素も取り入れた音楽性とLenとbibiによるツインボーカルを磨き続けてきた。
そして、『REDLINE ALL THE FINAL』出演から1年を経て、同イベントを主催していたJMSとマネージメント契約を結ぶと、The BONEZのベーシスト T$UYO$HIをプロデューサーに迎えた表題曲を含むEP『Love Me Kill Me』を2月4日にリリース。現在はキャリア初の全国ツアー『Love Me Kill Me Tour』に挑戦している真っ最中。4月7日にツアーファイナルを迎える頃には、さらなる注目を集めていることだろう。
『Love Me Kill Me』に収録されている「Route16」の〈今は足りないものばっか〉〈俺ら行きたい所ばっか〉という歌詞は、現在のメンバーたちの正直な気持ちなのだろう。3人がバンドの過去、現在、そして未来について語る。(山口智男)
Green Dayを共通点に三者三様のルーツ
――現在、全国ツアーの真っ最中ですが、今のところどんな手応えがありますか?
Len:思ってたよりもお客さんが来てくれてよかった、嬉しいっていうのが率直な感想です。初めての場所でやることに正直、不安もあったんですけど、お客さんみんな喜んでくれてるし、俺たちの音楽を求めてくれてるっていうのが伝わってきて、すごく感動しました。
bibi:JMSに入ってやっと、ちょっと知ってもらえたぐらいの無名バンドだったんで。今のところ、運かもしれないっていう。
――じゃあ、これを読んだら、ライブに足を運びたくなるようなインタビューにしましょう。
Len:ぜひ、お願いしたいです。
――TØMさんもツアーの手応えを聞かせてください。
TØM:2人と同じで、本当にお客さんはそんなにいないだろうって思ってたから嬉しいっていうのと、今まで自分たちが周りからどう思われてるのかそんなにわかってなかったんですけど、今回のツアーでは音楽業界の関係者の方とかにも見てもらえてるって感覚が芽生えてきて、もっと頑張らなきゃなって思ってます。
――では、WORSTRASHがどんなふうに始まったのかというところも聞かせてほしいんですけど、もともと洋楽のロックを聴いていたLenさんはcoldrain、Crossfaith、SiMの3組をSlipknotが主催する『KNOTFEST JAPAN 2014』で観たことをきっかけにバンドをやろうと思ったそうですね。どんなところに刺激されて、バンドをやりたいと思ったんですか?
Len:やっぱりエネルギーですね。海外のバンドに対して、日本のバンドも負けてねえぞ的なバイブスがあったんですよ。日本のバンドがエネルギーをオラッて出して、それにオーディエンスが全力で応えるっていうのが本当に半端なかった。その時、俺、中二だったんですけど、それが初めて観にいったライブだったから、ウォール・オブ・デスを含め、何もかもが初めて見る光景で、日本のバンドでもこんなに沸かせられるんだって。
――そもそもはどのバンドが目当てだったんですか?
Len:Limp Bizkitですね。でも、海外のバンドのほうがすごいでしょって思ってたからこそ、日本のバンドのエネルギーに感動させられました。
――bibiさんとTØMさんもバンドをやりたいとか、楽器をやりたいって思うきっかけになったバンド、アーティストはいたんですか?
bibi:自分が音楽を始めたきっかけはGreen Dayだったんですけど、ベースを選んだのは、L'Arc〜en〜Cielが好きだったからです。tetsuyaさんのベースライン、めっちゃかっこいいから、いまだにtetsuyaさんに憧れて、ピック弾きでダウンピッキングみたいにやってます。
――えっ、ダウンピッキングのみで?
bibi:いや、いける速さだったらです(笑)。歌いながらなんで、速すぎるとアップも混ぜますけど、レコーディングは基本、エンジニアさん的に問題なければ、全部ダウンでいきたいですと言ってやってます。もっとも、全部ダウンで弾いたからって、音にはそんなに表れないですけど、リスペクトを込めてやってます。
――TØMさんは?
TØM:僕は父が昔、ベースを弾いてたってこともあって、洋楽のCDが家にいっぱいあって、その中で一番聴きやすいと思ったのが、それこそGreen Dayだったんですけど、Red Hot Chili Peppersの映像を観た時、めっちゃかっこいいと思って、遊びの延長でドラムを始めたのがきっかけでした。
――お父さんがベースをやっていたのにベースじゃなかったんですね。
TØM:ええ、なぜか。もしかしたら父に対する反抗心があったのかもしれないです。
――Green Dayの名前が出ましたけど、3人の共通点がGreen Dayだそうですね?
bibi:たまたま3人ともちゃんと聴いてたバンドがGreen Dayだったんですよ。
――それ以外はそれぞれに違う音楽的なバックグラウンドがあるそうですが、たとえばWORSTRASHの音楽性の幅広さを象徴するという意味で、Lenさんは他にどんな音楽を聴いてきたんですか?
Len:俺の中に2つの軸があって、1つはさっき言った『KNOTFEST』なんかの激しめのロックなんですけど、もう1つが全然違うんですよ。ちょっとチャラめの音楽というか、たとえばEDMとか、チャラくはないけど、ラップもすごい好きで。エミネムとか、昔から聴いてましたね。その2軸を聴きながら育ってきたから、たぶんLimp Bizkitみたいなラップ×ロックのニューメタルも好きなんだと思います。
――なるほど。Limp Bizkitからラップに遡ったわけではなく。
Len:そうです。原点はエミネムです。
――bibiさんはASIAN KUNG-FU GENERATIONも聴いていたそうですね。
bibi:そうですね。自分も2軸と言ったら2軸で、日本のバンドはラルクとかAqua Timezとか、アニソンやってたバンドが好きですね。たとえば、Aqua Timezだったら『ブレイブ ストーリー』の映画を観て好きになったし、ラルクはそれこそ『鋼の錬金術師』からだし、アジカンは『BLEACH』をはじめ、アニソンやりまくってるんで好きだったし。ただ、それがきっかけで音楽は好きになったけど、別にバンドをやりたいとはならなくて、父からGreen Dayを教えてもらって、いいなってなってからはもうポップパンクを中心に海外のバンドしか聴いてなかったです。あ、でも、マキシマム ザ ホルモンだけはなぜか聴いてました。だから、TØMが好きな音楽とか、Lenが好きだったLimp Bizkitとかも好きでした。
――Green Day以外にも共通点はいろいろある、と。
bibi:そうですね。音楽が好きになってから、TSUTAYAでめっちゃCDを借りて、いろいろな音楽を聴くようにしてたんで、けっこう幅広く聴いてきたと思いますし、高校に入ったタイミングでラッパーの友達ができて、いろいろ教えてもらったおかげでヒップホップとか、ダンスミュージックとかもちゃんと聴くようになって。今だとオートチューンを使ったエモラップとかめっちゃ好きなんですけど、ビートのエッセンスもWORSTRASHに活かしたいと思ってるんです。
――3人がそれぞれに聴いてきた音楽の要素は、WORSTRASHのサウンドにちゃんと活かされていると思うんですよ。
bibi:そう思います。TØMは途中からの加入というか、Lenと俺が同じWORSTRASHって名前でやってたバンドが1回終わって、また始める時加わったんですけど、ほぼ新しいバンドでやろうと思って、曲もガラッと変えたんです。その時、自分が作った曲にたまたまTØMが好きなビートや、Lenの好きなシャウトのエッセンスが入っていて。TØMはそれを気に入って、WORSTRASHに入ってくれたんです。