モノブライト、再始動を経て聖地に帰還! 過去を超える強さとバンドの結束――兵庫慎司が目撃した8年ぶりツアー
2026年2月19日、渋谷クラブクアトロにて、モノブライトのライブが行われた。
2024年7月4日、新代田FEVERにて、一夜限りの(はずだった)復活ライブを経て、1年後の2025年7月4日に、新ドラマー・岩中英明が加わった4人で再始動することを発表。以降、新曲は9月3日に「ジャンピンジャックフラッシュ」、10月15日に「君だってパイオニア」、11月12日に「この道の続きで」と、3曲を配信リリースしてきたが、2月13日の大阪・梅田クラブクアトロと、この日の東京・渋谷クラブクアトロの2本『monobright Live Tour 2026「ジャンピンジャックフラッシュ」』が、再始動後、最初のツアーになる。
なお、ここ渋谷クラブクアトロでワンマンをやるのは10年ぶり、2008年の最初のツアーでの東京ワンマンもここだった。「モノブライトにとって聖地なんですよ」――と、この日の最初のMCで桃野陽介(Vo/Gt)は言った。
そんな渋谷クラブクアトロで、新生モノブライトが演奏したのは、本編17曲、アンコール2曲の全19曲。再始動後の新曲3曲は、1曲目、後半のピークゾーンの2曲目にあたる13曲目、本編ラストの17曲目という、それぞれ重要な位置に配置された。
なお、開演前にかかっていたBGMが、The Rolling Stonesの「Jumpin' Jack Flash」になり、それが終わると4人が登場、桃野がアカペラで(モノブライトの)「ジャンピンジャックフラッシュ」を歌い始める――というオープニング。
続く2、3、4曲目は「WARP」「頭の中のSOS」「未完成ライオット」と、初期のシングルを固め撃ちしていく。最初のMCをはさんでの5曲目から8曲目まで=「ビューティフルモーニング (Wake Up!)」「ショートホープ」「愛飢えを」「冬、今日、タワー」は、すべて、2016年のアルバム『Bright Ground Music』からの曲である。桃野が「リリースから10周年を記念して、何曲かお届けしたい」と言ってから、上記4曲の演奏が始まった。当時のドラマーの脱退を経て、3人になって以降の唯一のアルバムであり、現時点での最新アルバムでもある。
次のブロック、9、10、11曲目の「歌も僕との妄想」「music number」「雨にうたえば」も初期の曲。このブロックでも、イントロが鳴って次が何の曲かわかるたびに、フロアから大きな歓声が上がる。
という前半から中盤まで、勢いやスピードで押し切るのではなく、一曲一曲の細部に至るまでを、丁寧に、かつクリアにオーディエンスに届けるように演奏し、歌ってきたモノブライトだが、後半ブロックの12曲目「空中You Way」から16曲目「アナタMAGIC」にかけて、まさに“火が点いた”状態になる。この5曲の、ステージから放たれる熱と、それを浴びて投げ返されるフロアからの熱、もう、すごいものがあった。
「♪えらいやっちゃえらいやっちゃよいよいよいよい」のコール&レスポンスで始まった「空中You Way」。ちょっとインダストリアルな音作りが新鮮な「君だってパイオニア」。「♪おーおーおーおーおー」のシンガロングが何度も響いた「COME TOGETHER」。初期のライブアンセム「踊る脳」、そして、モノブライトの楽曲のなかでおそらく最も広く知られている「アナタMAGIC」――と、曲が進むたびに、フロアの温度が目に見えて上がっていく。オーディエンスのシンガロングも、歓声も、ハンドクラップも、アクションも、どんどん大きくなっていく。
そんなすさまじい歓喜の時間を経て、本編のラストにモノブライトが持ってきたのは、「この道の続きで」だった。再始動以降の新曲で始めて、再始動以降の新曲で本編を締めた、ということだ。桃野はこの曲を、「これからもみなさんとともに歩んでいこうじゃないか、という思いをこめて」と、紹介してから歌に入った。1曲目の「ジャンピングジャックフラッシュ」に込めた思いも、そういうものだったのではないか、と思う。
さらに、アンコールでは、「旅立ちと少年2」に続いて、3月18日にデジタルリリースされる新曲「いつも雨」が披露された。
ロックバラードを久々に作ろうと思った。モノブライトにそういう曲は珍しくて、「涙色フラストレーション」ぐらいしかない。あれは19歳ぐらいの頃に作った曲で、それ以来ロックバラードを作ってない。40を過ぎて、いろいろ経験してきて、真剣にみなさんに歌を届けるような曲を、作っていいんじゃないかと思って作りました――。
そんな紹介から歌われたこの曲では、フロアのあちこちで涙する人が見られた。実は、ライブが始まってからずっと、みんなひたすらうれしそうで「楽しそうで誰も泣いてないなあ」「8年ぶりなんだから泣く人もいそうなもんなのになあ」と不思議に思っていたもんで、「うわ、そうか、ここでか」と納得した。何に納得したのかよくわからないが。
それから、ギターの松下省伍。ライブの後半あたりから、「感極まってるのかな、顔が赤くなってるだけなのかな」と思いながら観ていたのだが、最後に桃野陽介がMCしている時に、一度はっきりと目頭を拭ったので、「そうか、やっぱりか」と思ったりもしました。
というわけで。歓喜と興奮と感動に満ちた、あと平日なのに完売で超満員だったのも含めて、これ以上はないと言っていい、素晴らしい再始動ライブだった。大阪は観ていないが、きっとそちらもそうだったのだろうと思う。が、ひとつだけ、不思議に感じたことがあった。
活動休止時、8年前よりも、ライブパフォーマンスがよくなっていたのだ。
歌もそうだし、ステージ上の立ち振る舞いなどもそうだが、特に演奏にそれを感じた。揃いの白ポロシャツにメガネがトレードマークだったメジャーデビューの頃も、5人編成になった頃も、当時のドラマーが去ってサポート=ドラム+鍵盤+ホーン(×3)の8人編成でステージに上がっていた頃もライブを観ているが、そのどの時代よりも、強くて太くてタフなバンドサウンドになっていたのだ。
さっき、前半から中盤のことを「勢いやスピードで押し切るのではなく――」と書いたが、強い音が堂々と鳴っているので、そうする必要がない、というか。前半から中盤がそういう演奏だったから、逆に後半の勢いとスピード感に拍車がかかった状態でオーディエンスに届いた、という面もあったかもしれない。
「休止前にひけをとらない」ならわかるが、「超えている」ってどういうことだろう。活動していなかったのに。今回の再始動からメンバーに加わった新ドラマー・岩中は、モノブライト結成前の松下、出口博之(Ba)と3人でバンドをやっていたそうで、桃野はそのバンドが好きでライブを観に行ったことを、MCで明かしていた。
長い付き合いならではの何かもあったのかもしれないし、彼がいいドラマーだというのもあるだろうし、ひとりずつMCをするコーナーで、「俺が入ったからにはもう休止とかさせない」と言っていたので、そういうイケイケなキャラクターだというのもあるのだろう。
が、それだけだとは思えない、バンド全員の、それぞれが集まって音を出す時の何か、それ自体が変わったような感触があった、この日のステージには。
なんでそうなったのか、何かあったのか、特に何もなかったのか、などはわからないが、この先のこのバンドのライブと作品を追っていくのが、そのぶんさらに楽しみになった。
■リリース情報
Digital Single『いつも雨』
2026年3月18日(水)配信
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