M!LK、なぜここまで多くの人に愛された? SNSヒットから“国民的”になりうるポテンシャル
M!LKが2月18日、メジャー8枚目となるシングル『爆裂愛してる / 好きすぎて滅!』をリリースした。今作はグループ初となる両A面シングル。2026年02月17日付の「オリコン デイリー シングルランキング」(※1/オリコン調べ)では2位を記録している。
ファン待望のシングルを発売した5人のここ最近の活躍には、目を見張るものがある。昨年3月5日にリリースされたメジャー2ndアルバム『M!X』のリード曲「イイじゃん」は、時代の空気を捉えた〈ビジュイイじゃん〉のフレーズとともにヒットを記録。同楽曲のSNS総再生回数は30億回を突破し(※2)、ついには『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に初出場を果たした。
その勢いを失うことなく、今作に収められた「好きすぎて滅!」もロングヒット中だ。この曲は昨年10月に配信リリースされているが、SNS総再生回数はすでに30億回を超えているという。YouTube単独でも、グループ公式チャンネルでのMV再生数が2月27日時点で5400万回を超えた。コメント欄を見ると、ずっとグループを応援していたファンから新規ファン、SNSでのバズをきっかけに新たに興味を持った人たちまで、多くの層から支持を集めていることがうかがえる。
そんな彼らの快進撃は止まらない。最新曲「爆裂愛してる」がシングル発売に先駆けて2月9日に先行配信されると、SNSを中心に瞬く間に話題に。X(旧Twitter)では関連ハッシュタグがトレンド1位に入るなど大きな注目を集めた。また、歌詞検索サービス「歌ネット」が発表した2月12日付の「歌ネット注目度ランキング」でも1位を獲得(※3)。配信から1週間経たずしてここまで話題になるとは、まさに今を時めくアーティストであると感じる。
M!LKはなぜ、これほどまでに多くの人を惹きつけるのだろうか。よく耳にするのは、彼らがいわゆる‟トンチキソング”を得意領域のひとつとしている点である。ユーモラスな歌詞がミックスされた独特な世界観の中で、クールさとコミカルさが絶妙なバランスで配分されたパフォーマンス。それを披露するメンバーと楽曲には高い中毒性があり、5人の姿を見ていると、いつの間にか沼にハマってしまう。そうした魅力は、最新シングルのもうひとつの表題曲「好きすぎて滅!」からも感じられる。
しかし、ヒットの要因はそれだけではない。M!LKはこれまでにも多彩なジャンルとコンセプトの楽曲を発表してきたが、特に表題曲など、作品の顔となる楽曲にはメロディアスなものが多い。今回のシングルで長くリスナーを虜にしている「好きすぎて滅!」は、いわゆるラテンポップやラテン歌謡に該当する要素を持っている楽曲。哀愁を漂わせながらもくるくると雰囲気の変わるアップテンポのサウンドは、何度も聴き返したくなる不思議な魅力がある。また、曲全体を通してメロディがとてもキャッチーで覚えやすい。コミカルな要素も含めて、誰でも気軽に歌いやすい一曲だ。
「爆裂愛してる」にも同様の特徴が見られる。「現代に存在する‟100億万通りの愛”を肯定する、最強ポジティブなハイテンションラブソング」(※4)というテーマが掲げられた同楽曲は、ファンク調のダンサブルなサウンドをベースに展開される5人のボーカルの主旋律が耳に残る。特にサビでは〈爆裂 愛愛愛愛愛してる/キャパ越え寸前な感情 ビッグバン〉といったキャッチーな歌詞が印象的で、一度聴いただけで思わず口ずさんでしまう覚えやすさが魅力だ。
国内のダンス&ボーカルグループシーンでは最近、本格的なHIPHOP調の楽曲や構成が複雑なダンスミュージックを発表するグループが増えている印象がある。そうしたトレンドの中でM!LKは、J-POPならではの特徴を継承し、覚えやすく歌いやすい楽曲を連続してリリースしているからこそ、多くの支持を得られるようになったと言えるのではないだろうか。
日本の音楽シーンを振り返ってみると、‟国民的グループ”の楽曲には歌いやすいものが多かった。例えば、SMAPの「夜空ノムコウ」や「世界に一つだけの花」、嵐の「A・RA・SHI」や「Love so sweet」、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」や「ヘビーローテーション」、モーニング娘。の「LOVEマシーン」や「恋愛レボリューション21」などがその代表例である。
誰もが親しみやすく、歌いやすい。それでいて、現代の音楽的なヒットに欠かせない‟SNS映え”に耐えうるユニークな構成やキラーフレーズや多彩な展開も盛り込まれているのが、M!LKと言えるのかもしれない。伝統的なJ-POPの良さと現代に求められている要素を上手く取り込んでいるからこそ、M!LKの楽曲は多くの人を惹きつけ、楽しませているのだと言えよう。
※1:https://www.oricon.co.jp/prof/643953/products/1557291/1/
※2:https://realsound.jp/2026/02/post-2310470.html
※3:https://news.yahoo.co.jp/articles/7a20a0836f013116fa0d4ab02c65015f2a284e98
※4:https://sd-milk.com/contents/1042494