TRACK15、リスナーの感情に浸透している理由とは ツアー規模拡大で止まらない快進撃と“楽曲の力”

 大阪・高槻出身の4人組ロックバンド、TRACK15。彼らは今年1月23日に東京・LINE CUBE SHIBUYAで初のホールワンマンライブ『TRACK15 ONE MAN LIVE -at LINE CUBE SHIBUYA-』を開催。チケットをソールドアウトさせ、満場のファンとともに特別な時間を過ごした。同公演では、メンバーが「みんなを日本武道館に連れて行きたい」と宣言する場面も。キャリアのマイルストーンとなるライブを終えたばかりの彼らは、早くも新たな夢へと走り出している。

TRACK15、聴き手もメンバーも惚れる“歌の魅力”

 そんな彼らの出発点は、5年あまり前に遡る。TRACK15は、2020年10月に結成された。同じ専門学校に通っていた寺田航起(Gt)、高橋凜(Ba/Cho)、前田夕日(Dr/Cho)はボーカリスト不在のまま活動していたが、ある日、前田がSNSで蓮(Vo/Gt)の弾き語り動画を発見。蓮の歌声に魅力を感じた前田がDMを送り、バンドに誘ったのが、TRACK15の始まりである。バンド名の由来は、スタジオに向かう途中、前田が電車の窓から「TRACK15」という表示を目にしたことから(天王寺駅の15番乗り場を示す案内板だったようだ)。その場のひらめきで提案されたバンド名に、当初、他の3人は乗り気でなかったが、最終的にジャンケンで決着をつけ、この名前が生まれた。

 2020年10月といえば、コロナ禍真っ只中だ。いくつものライブが中止・延期を余儀なくされた春から時間が経ち、感染症対策を講じた上で、有観客ライブが徐々に復活し始めた頃。そんななか彼らは、楽曲の力とSNSでの発信でリスナーと繋がりながらも、大阪のライブハウスで場数を重ねた。現場での悔しい経験も糧にして、ライブが本格的に戻ってきた2022年頃には、全国のサーキットイベントで入場規制がかかるほどの存在になっていた。ライブができない時期も楽曲を届け続けたバンドと、ライブに行きたいと願い続けたリスナーが、ついに出会えた瞬間だった。

 TRACK15の楽曲は全曲、蓮が作詞作曲を手掛けている。始まりは蓮の弾き語りであり、その後4人でスタジオに入り、蓮の脳内に広がるイメージを元に肉づけされる。彼らが最も大事にしているのは、歌をリスナーに届けること。歌詞は特定の人物の具体的な感情を語っているが、蓮の透き通った歌声と言葉が絶妙に溶け合い、聴く人を選ばない楽曲になっている。聴き手の性別や立場を超えて、自分ごととして響かせる――それがメンバーも惚れた蓮の歌の力だ。

 蓮による歌詞には、相手を思う気持ちとその裏にある不安が飾らない言葉で綴られている。そして日常的な光景を描写する際の解像度が高い。例えば、バンドの存在を広く知らしめた2023年リリースの楽曲「私的幸福論」では、恋人と過ごす穏やかな週末が歌われている。楽曲の語り手は、今ある幸せがいつか壊れてしまうかもしれないと不安を抱えているが、そのなかで歌われる〈春風が揺らす長い睫毛が/うなづくからそれでいい〉というフレーズが絶妙。眠る相手の呼吸を〈うなづく〉と言い表しているのが秀逸で、不安を抱えた語り手が、日常のほんの一瞬に救われる場面が切り取られている。〈結局まとめて君が好き〉という一言も、シンプルな愛の言葉というよりも、不安も全部抱えたまま「でも好きなんだ」という着地として読むと、重みが変わってくる。この“重み”がリスナーの生活の手触りと重なり、共感を呼んでいるのだろう。

TRACK15 - 私的幸福論【Official Music Video】

言葉の表現力があるからこその熱いシンガロング

 「話したいこと」(2023年)が持つ明るい響きと、別れたあとの静かな未練を歌った歌詞とのコントラストは、前に進みたいのになかなか進めない、私たちのチグハグな想いの受け皿になってくれる。「ダーリン」(2025年)が描く愛すべき主人公像とキャッチーな曲調は、恋愛という鏡越しに自分を見つめ、落ち込むことも多い私たちの気持ちを軽やかにさせてくれる。「脇役スター」(2025年)のヒーローになりきれない主人公が、それでも相手を一途に想い続ける姿に、胸を打たれたリスナーも多いはずだ。

TRACK15 - 話したいこと【Official Music Video】
TRACK15 – ダーリン【Official Music Video】
TRACK15 – 脇役スター【Official Music Video】

 恋愛に限らず、人が誰かを思うときの感情をまるごと掬い取るような懐の深さを、TRACK15の楽曲は持っている。MBSドラマ特区『初めましてこんにちは、離婚してください』のエンディング主題歌に選ばれた「千年計画」(2024年)は、大切な人への愛を普遍的に描いた楽曲として多くのリスナーの日常に届いた。そしてリリースを重ねるなかで、蓮のソングライターとしての表現の幅も広がっている。これまでは感情を丁寧に語ることに力点があったのに対し、昨年10月にリリースされた楽曲「月」では、言葉にできない状態そのものを扱っている。〈大した用もないまま君に月を贈ろう〉というフレーズが詩的なイメージを残す名バラードだ。

TRACK15 – 千年計画【Official Music Video】
TRACK15 – 月【Official Music Video】

 2024年の東名阪対バンツアーも、2025年のクアトロツアーも全公演ソールドアウト。ファンからの期待に応える形で、ライブ会場の規模はどんどん拡大している。TRACK15のライブの一つの醍醐味は、バンドとリスナーの一体感だ。蓮がマイクを客席に向けると、観客が一斉に歌声を返す。リスナーが曲を日常的に聴き込み、歌詞が浸透しているからこそ、このような盛り上がりが生まれるのだろう。ファンダムの熱量とそれを生み出した楽曲の強さが一度に伝わってくる、温かくも印象的な瞬間だ。

 TRACK15は今年に入ってから、オフィシャルファンクラブ「15tree」を開設。そして東名阪のZeppを舞台にした『TRACK15 ZEPP ONE MAN Tour 2026』(6~7月)と、その後全国5都市をまわる『TRACK15 ONE MAN Tour』(7~9月)の開催を発表済みである。計8公演、TRACK15史上最大規模のツアーだ。2026年は活動規模をさらに拡大させていく1年になりそうな予感。TRACK15の快進撃はまだまだ続く。

■ツアー情報①
『TRACK15 ONE MAN Tour』

TRACK15 ONE MAN Tour 香川編
2026年7月12日(日)
会場:高松 DIME
開場 / 開演:17:30 / 18:00

TRACK15 ONE MAN Tour 北海道編
2026年8月9日(日)
会場:札幌 cube garden
開場 / 開演:17:30 / 18:00

TRACK15 ONE MAN Tour 宮城編
2026年8月11日(火)
会場:仙台 darwin
開場 / 開演:17:30 / 18:00

TRACK15 ONE MAN Tour 福岡編
2026年9月5日(土)
会場:福岡 BEAT STATION
開場 / 開演:17:30 / 18:00

TRACK15 ONE MAN Tour 広島編
2026年9月6日(日)
会場:広島 Live space Reed
開場 / 開演:17:30 / 18:00

<チケット情報(全公演共通)>
オールスタンディング
料金:4,500円(税込・ドリンク代別)
︎※オフィシャルFC最速抽選先行
受付期間:2月25日(水)23:59まで
FC入会ページ:https://15tree.jp/

■ツアー情報②
『TRACK15 ZEPP ONE MAN Tour 2026』

2026年6月25日(木)
会場:Zepp Nagoya
開場 / 開演:18:00 / 19:00

2026年6月28日(日)
会場:Zepp Namba
開場 / 開演:17:00 / 18:00

2026年7月5日(日)
会場:Zepp DiverCity(TOKYO)
開場 / 開演:17:00 / 18:00

<チケット情報>
オフィシャル抽選先行受付
受付期間:2026年2月25日(水)23:59まで
前売チケット料金:5,000円(税込・ドリンク代別)
※枚数制限:お1人様2枚まで
受付URL:https://eplus.jp/track15-tour2026/

■最新曲情報
TRACK15「ダーリン」
DL&Streaming:https://lnk.to/TRACK15_darling

TRACK15 Official Web Site

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