≠MEという巨大な船が追い風を背に進み始めた――再び立った特別な場所、ツアー『カフェ樂園』初日を観て

 そこから続くのは「秘密インシデント」。歌い始めの〈雨上がり 晴れた空/ほら 虹が見える〉で、グレーの世界が一気にレインボーへと開けていくのだ。さらに〈どんな曲を聴いても 主人公は君〉という歌詞によって、“主人公”というワードで繋がれた選曲でもあることに理解が追いつく。「秘密インシデント」は、デビューミニアルバム『超特急 ≠ME行き』のリード曲として、メンバーにとっても特に思い入れの強い楽曲として知られている。グループの始まりと今を連続した世界観で繋いだ、見事な構成である。

 アンコールには、6周年コンサートに密着したライブ&ドキュメンタリー映画『≠ME THE MOVIE -約束の歌-』が8月22日に全国公開されることが発表になった。結成6周年を迎えた≠MEのこれまでの軌跡とこれからを映し出している。リーダーの蟹沢は、スクリーンに流れた特報映像ですでに感極まっていたが、それほどメンバーの思いがこもったライブであり、ドキュメンタリー映像になっているということだろう。

 それよりも前の7月21日には、国立代々木競技場 第一体育館でのツアーファイナルが控えている。ぴあアリーナMMは、≠MEのメジャーデビューが発表になった特別な場所。≠MEという巨大船が、追風に帆を上げ、進み始めた。

≠ME、メンバー12人と“君”の青春を重ねた先にある今 夢の場所に立った一日を振り返る

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