2025.01.07 18:00

タイのトップスターNuNewが追求する“理想の自分”　次なる歌手デビューの地に選んだ日本への想い

文・取材＝まつもとたくお、写真＝林将平

緊張しやすい一面に「俳優業も歌手も、もっともっと成長していかなければ」

――このインタビューは、NuNewさんにとって日本初となるソロ公演の直前に行っています。今はやはり緊張がずっと続いている感じなのでしょうか。

NuNew：公演日が近づいてきて少しずつ緊張してきたんですけれども、リハーサルの日や本番のときの緊張感に比べたらまだまだですね。

――海外の方が日本でコンサートを開くと、じっとして静かに聴く人が多いので戸惑うという話をよく聞きますが……。

NuNew：人によって聴き方の違いはありますよね。タイでもおとなしく聴いている人は多いですし、声援を送り続ける人もそれなりにいます。僕の公演では、歌っているときは静かに聴きながら、動画を撮っている人が多いかな。でも、トークタイムでは熱い反応を見せてくれることもありますし。いずれにしても、僕のオリジナル曲はしっとりとした感じのサウンドが多いので、じっくり聴いてしまうのでしょう。

――タイのポップスは、アメリカのスタイルを意識しながらも、温かい気候が育んだ優しさや甘さが感じられるところが魅力だと思っています。NuNewさんはどのように見ていますか？

NuNew：ひと言では言えませんね。しんみりとした感じの曲もありますし、勢いのあるリズムで楽しめる曲も多いですし、スタイルは多彩です。

――タイの音楽シーンで、NuNewさんは、どのようなポジションにいるのでしょうか？

NuNew：キュートな曲を歌う若手シンガーといった感じでしょうか。車を運転しているときや、朝の時間にもジャストフィットする、その日のムードを良くしてくれる歌唱が強みだと思っています。

――以前のインタビューで「好きなものを続けていればポジティブな結果につながる」とコメントしていますが、NuNewさんにとって日本での歌手活動がポジティブな結果になることを期待しています。

NuNew：ありがとうございます。日本ではインストアイベントに参加したり、オリジナル曲を出したり、ソロコンサートも実現するなど、すべてが良い方向へ進んでいると思っています。これ以上のことを望んでも良いのであれば、日本のアーティストと一度コラボレーションしてみたいです。

――具体的にはどのような人と一緒にやってみたいですか？

NuNew：すぐに思い浮かぶのは、YOASOBI、LiSAさん、藤井風さん。いずれも才能のあるアーティストだと思っています。

――ぜひ実現してほしいです！もっと先の話になりますが、理想とする “未来の自分”は具体的にありますか？

NuNew：実は自分が置かれている環境にすごく満足しているんです。自分をさらけ出すためにこの業界に入り、着実にキャリアを積んでいっているので、すでに理想の自分になっているような気がします。とはいえ、俳優業であっても歌手であっても、もっともっと成長していかなければいけないという気持ちが強いので、日々努力していきたいです。あとは、自分の性格をもう少し変えたいというのもあります。緊張しやすくて、何事も考えすぎてしまうタイプなので、ステージに立つといつも身体が震えてしまいます。プロフェッショナルな仕事を目指すには、こうした点を早く克服したいと思っています。