野外フェス参加者の安全はどう守る? 台風、交通機関の乱れなどで浮き彫りになった課題

 今年は、野外フェスの天敵である“天候”以外にもフォーカスしていきたい。9月21日、22日に開催された『ナガノアニエラフェスタ2024』では、参加者が刃物で襲われる殺人未遂事件が発生(※4)。10月に入ってからも、大阪・泉大津で開催された『PARASITE DEJAVU 2024 ~2DAYS OPEN AIR SHOW in IZUMIOTSU PHOENIX~』で客席にカメラクレーンが転倒する事故が発生した(※5)。こうした予期せぬ事故の他にも騒音問題やコロナ禍のような感染症への対策や騒音問題、人が集まることで発生する群衆雪崩や地域交通の渋滞発生など、野外フェスが抱える課題は尽きない。今年は海外でフェスバブルが弾けたと言われており、国内においても今年の開催が最後となった野外フェスや今年は開催を見送ったフェスもあり、フェスカルチャーは向かい風の時期なのかもしれない。

 しかし、やはり筆者は野外フェスの心地よさ、そしてあのピースフルな空間に叶うものはないと感じる。非日常的な空間の中で大空に音楽が木霊していく気持ち良さや新しい音楽との出会いは、やはり何にも代え難く、誰も傷つくことのない場所であるべきなのだと『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA』今年の夏フェスへの参加を通して強く感じた。今回取り上げたような野外フェスにおける様々な課題を一つひとつクリアすることが、この先もフェスカルチャーが末永く続いていくためには必要なのかもしれない。

※1:https://southernallstars.jp/news/detail/3609
※2:https://www.sweetloveshower.com/2024/ticket/index.html
※3:https://www.berry.co.jp/berryten-2024/news01/detail_sp.php?id=46664
※4:https://aniera-festa.com/news/naf240922/
※5:https://theoralcigarettes.com/feature/parasite_dejavu#news241006

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