Number_i、“伏線の使い手”としてのエンターテインメント MVには次作品のヒントが詰め込まれている?
MV同士の繋がりが見られるのは、「INZM」と「BON」だけではない。「INZM」には、「GOAT」のMVと同じくスピーカーの音量を上げるシーンも登場する。「BON」の終盤では群衆が消えるシーンが描かれるが、これは「GOAT」のMVで逆再生の演出後に記者たちが石像に変わったシーンを連想させるし、「Blow Your Cover」でヴェールを被った女性たちが微動だにしない姿も石像を意識しているようにも思える。
このように、Number_iのMVには作品同士の接点が多く見受けられ、連作性が感じられる。MVを通して、過去から現在までの作品を振り返ることができるのだ。そして、繋がりを見つけたくなる宝探しのようなMVだからこそ、他の作品と往復しながら何度も繰り返し視聴してしまう。
制作チーム一丸となって趣向を凝らした作品であることが毎作品伝わってくるし、MV公開後のメンバー3人の発言を聞いていると、「隠された仕掛けにどれだけ気づいてもらえるか」を楽しんでいるようでもある。ベースとなる楽曲やストーリーに加えて、細かな要素で何重にも楽しませてくれること。期待を超えて夢中にさせられる、これこそエンターテインメントなのだとNumber_iのMVに触れて思う。
今後発表されるMVにも、既存のMVとリンクする部分が登場してくるのではないだろうか。どんな伏線が張られているのか細部まで注目しつつ、Number_iとしての続きの物語を楽しみにしていきたい。もしかしたら最新作の「INZM」のMVのなかに、すでに次回作のヒントが隠されているのでは――。そんなことを考えてしまったとしたら、その時点でもう彼らの術中にハマっているのだ。
※1:https://www.instagram.com/p/C-926LPStRn
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