2024.09.16 19:00

DOPING PANDA、盟友と駆け抜けていく新たな青春　ツアー再開を機に熱狂の『kickoff party』を振り返る

文＝信太卓実、写真＝Kanade Nishikata

　再び長めのMCで会場がリラックスムードへ突入すると、ここでスペシャルゲストが呼び込まれるという。多くのメイニアの脳裏に“あの4人”の姿がよぎっただろうが、呼び込まれたのは……グッドモーニングアメリカのたなしんだ。歓迎ムードの中、ドーパンのダンスナンバー「Hi-Fi」を即興でアドリブ歌唱して案の定撃沈。笑いの渦を巻き起こしたところで、真のスペシャルゲスト the band apartが登場した。川崎亘一（Gt）は体調不良で不在となったが、『MELLOW FELLOW』発売を記念した乾杯の音頭、荒井岳史（Vo/Gt）とFurukawaの漫才のような掛け合いトークから披露された「SEE YOU」には、25年以上を経た両バンドが持つナチュラルな軽やかさが反映されていた。アットホームな空気のまま、ドーパンが代表曲「Crazy」を演奏し、本編を締め括った。

　Hayatoによる気合い満点のグッズ紹介の後、アンコールではFurukawaが特に思い入れが強いというバンアパのカバー「DEKU NO BOY」（『MELLOW FELLOW』収録）、そして「It’s My life」を披露。本編の勢いから少しテンポを緩めることで、今のドーパンが素直に歌いたい言葉が手元までスッと届いてくるかのように感じられ、これ以上ないほど今のバンドの人間味が溢れ出した2曲となった。最後はもう一度バンアパをステージに呼び入れ、二度目の「SEE YOU」を披露して大団円。原昌和（Ba/Cho）の鶴の一声で、FurukawaとTaroがアドリブで速弾きを披露する様も、木暮栄一（Dr）とHayatoがドラマー同士で肩を組んでステージ前方の“お立ち台”に登って歓声を浴びる姿も、両バンドの歩みを踏まえると感慨深い。誰よりもFurukawa自身が終始楽しそうで何よりだ。

　パンクとは異なる、2000年代ロックのオルタナティブな流れを生み出した2バンドが、こうして令和のステージ上で再び相見えるとは誰が想像しただろうか。バンアパは3rdアルバム『alfred and cavity』を全曲演奏するコンセプトツアー『Smooth like butter tour Future & Past Vol.1』を開催し、11月からは新たに4thアルバム『Adze of penguin』の再現ツアーが行われることも決定。一方のドーパンもメジャー1stアルバム『DANDYSM』と2ndアルバム『Dopamaniacs』の再現ライブ『DANDYSMANIACS』を10月に控えている。初期の楽曲を今奏でることで、「実はこんな景色を見せてくれる曲だったのか」と新たな発見を得られることも多いはず。“ミラクル”を起こし続けるドーパンから、まだまだ目が離せない。