The Orchardの発展を支えた理念 創業者リチャード・ゴッテラーに聞く、日本の音楽シーンの可能性
文・取材=森朋之、写真=池村隆司
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The Orchard Japanに期待する“アーティストの育成”
——なるほど。ここ数年、海外に視野を向けている日本のアーティストが増えています。『コーチェラ(Coachella Valley Music and Arts Festival)』にYOASOBIが出演するなど、少しずつ具体的なアクションも増えていますが、その一方で言語の壁、距離の壁などの課題も。日本のアーティストの可能性、世界進出のための条件についてはどう考えていますか?
リチャード・ゴッテラー:まずYOASOBIのことからお話しますね。二人の音楽、サウンドは素晴らしいし、何よりもパフォーマンスがすごい。照明や映像、演出も含めてあれだけ素晴らしいステージができるのであれば、言語はそこまで壁にならないと思います。The OrchardはBTSの世界的なブレイクにも貢献しましたが、彼らは韓国語で歌っていますよね。なのにフランスやオランダなどの若い人たちが夢中になって一緒に歌っている。もしかしたら歌詞の内容はわかってないかもしれないけど、それでも彼らのポップミュージックに夢中になっているわけです。YOASOBIも同じで、素晴らしい楽曲とパフォーマンスによってさらに幅広い人たちにアピールができると思いますし、8月に行われるアメリカ公演も大きなポイントになるはず。特にニューヨークでの公演はRadio City Music Hallという由緒ある会場で行われますし、二人にとってステッピング・ストーンになるのではないでしょうか。『コーチェラ』はカリフォルニアの砂漠で行われますが、次はニューヨーク。そのまま大西洋を越えればヨーロッパですから。