“猫ミーム”で話題の2曲バイラルチャートイン 猫と音楽は国境を超えてバズり続ける

Christell - Dubidubidu (Canal Oficial)

 「Dubidubidu (Chipi Chipi Chapa Chapa)」は、2003年、チリの子役歌手であるクリステル・ロドリゲスが5歳の時にリリースした楽曲だ。クリステルは現在も歌手として活動中で、今回のバズを知り、自身の公式YouTubeに幼少の頃にテレビ番組で「Dubidubidu」を歌っている動画をアップ。約1カ月で1000万回再生を突破している。チリの公用語であるスペイン語で歌唱されている本曲は、どこかメランコリックなメロディと、サビの〈Chipi Chipi Chapa Chapa〉という字面も語感も軽快でキャッチーなワンフレーズが強烈なフックになっている非常に中毒性の高い1曲だ。2月中旬現在、TikTokで「Chipi Chipi Chapa Chapa」もしくは「Dubidubidu」で楽曲検索すると310万本以上の動画に使用されている。本曲が猫ミーム動画のBGMとしてバズを起こすきっかけとなったのは、昨年、TikTokユーザーが、首を振る子猫の動画に同曲を合わせて投稿したことだ。投稿から10日で30万回以上のアクセスを記録し、TikTokのアルゴリズムも手伝って多くの人に拡散された。2月19日現在、同動画の視聴回数は5800万を超えているほか、584万いいねがつき、20万回以上もシェアされている。またこの楽曲に合わせ、猫を擬人化したダンス動画も流行中。

 
 
 
 
 
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 このヒットを受けてクリステルは日本に向けてメッセージを投稿。「この曲は5歳の時にリリースしたので、ずいぶん前の曲なのですが本当に嬉しいです感謝しています」「たくさん聴いてくれて、踊ってくれて、動画をつくってくれて本当にありがとうございます」と日本語の字幕付きで伝えられた。

 「Hapi Hapi Hapi cat song」の元ネタは、ガラス越しに立ち上がったような姿でジャンプする子猫の動画である。その後この動画を元にし、日常で起きた出来事を「Hapi Hapi Hapi cat song」の元ネタとなった猫や、「Dubidubidu (Chipi Chipi Chapa Chapa)」ヒットのきっかけとなった猫などを用いて紹介する「猫ミーム」のブームが発生。特に、「Hapi Hapi Hapi cat song」の猫は飛び跳ねているので楽しいことが起きた時に音源と共に用いられ、定番の“素材”となっている。同曲が猫ミームに使われているのは冒頭の数秒であることがほとんど。短い時間ながら、甲高いボーカルと、飛び跳ねる猫の映像はインパクトがあり、楽曲使用動画数や再生回数などは「Dubidubidu (Chipi Chipi Chapa Chapa)」より少ないものの今後どのような形で広がるのか興味深い。

 今回の猫ミーム動画の大バズりは、“猫の可愛さ”が万国共通であることを証明した。日本でも猫ファンダムが形成されてから久しく、振り返れば1980年代の“なめ猫ブーム”もあった。猫に暴走族風の衣装を着せたそのギャップの可愛さで人気に火がつくと、キャッチフレーズの「なめんなよ」が流行語となり、1年でグッズを26億円も売り上げるなど社会現象に。その後も2016年に「Y!mobile」のCMになめ猫バンドが登場すると、昭和レトロブームも後押しし、LINEスタンプが販売されるなど、再びブームとなったのが記憶に新しい。

 世界中で愛されている猫、そしてどの国の音楽でもバズる可能性がある現代のインターネット、SNSが掛け合わさってバイラルチャートインを果たした2曲。“猫ミーム”動画は2024年1月には投稿されていたようだが、2月中旬の現在も増え続けている。これから先もしばらくはバイラルチャートで両楽曲が存在感を放つだろう。

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