滝沢秀明が“ファミリー”と築いたTOBEの基礎 三宅健、北山宏光、Number_i、IMP.ら飛躍の1年を総括
「自由で新しい次のエンターテイメントの形に挑戦します。」――これは、TOBEのオフィシャルサイトに記載された滝沢秀明の言葉である。
叶えたい夢や挑戦したいことがあるとして、それが今いる環境ではできないと感じた時、実際に行動を起こすことは決して容易くはないだろう。迷いや不安はきっとある。しかし、そんななかでも実際に足を踏み出したのが、滝沢やTOBE所属アーティストたちなのだと思う。“自由で新しい次のエンターテイメントの形”を求めて、2023年に動き出したTOBE。設立から現在までの歩みをあらためて振り返ってみたい。
滝沢が株式会社TOBEの設立を発表したのは、今年3月21日のこと。自身のオフィシャルX(旧Twitter)アカウントで、音声サービス・スペースを通して「僕はやはり、もう一度エンターテインメントの人生を歩もうと決意いたしました」と新会社設立を報告し、続けて所属アーティストを募集するオーディションの開催も発表された。TOBE(to be)には「~になる」という将来を表す意味があり、ローマ字読みをすれば「飛べ/跳べ」となる。新しい時代を作るために、大きく飛び立っていくのだという想いが伝わってくる。
設立からおよそ4カ月後の7月。2日に三宅健、7日に平野紫耀と神宮寺勇太、14日にIMP.(佐藤新、基俊介、鈴木大河、影山拓也、松井奏、横原悠毅、椿泰我)の所属が、それぞれTOBEのYouTube生配信にて発表された。続いて、8月16日に大東立樹、9月17日に北山宏光が所属を発表。そして、10月15日には岸優太が所属を発表し、平野と神宮寺とともに「Number_i」が結成された。それぞれの所属発表に至っては、YouTubeでの生配信予告を含めた形で、当人たちのシルエットや体の一部を映したティザー映像が公開され、「あの人か?」と予想して盛り上がれるような演出を施していたのも印象的である。
TOBEへの所属に関して、三宅はのちに自身のYouTube生配信にて、「挑戦し続けるためには場所を変えたりすることは必要」と語っていた。北山は所属発表時に「覚悟を持ってこうして立っております」と語っていた。新しい環境に身を投じることは、誰だって怖いはず。それでも、新たな道で挑戦したいことがある。TOBEに所属したアーティストたちの姿を見ていて感じるのは、そんな強い信念と覚悟だ。
彼らはSNSを積極的に利用している点も特徴的だろう。元を辿れば、滝沢も昨年11月にXアカウントを開設し、プロフィール欄でのコメントや画像の上下が逆になったメッセージ画像を投稿するなど、ユーモアあふれる行動で話題を集めた。その後も彼はInstagram、Threads、TikTokと複数のSNSアカウントを取得している。今思えば、彼自身が先行してSNSを通したファンとのコミュニケーションの在り方を模索していたのかもしれない。
三宅、北山、Number_i、IMP.はそれぞれYouTubeチャンネルを開設し、三宅、北山、平野、神宮寺、岸は個人でもSNSアカウントを持っている。YouTubeでの配信コンテンツに積極的なのは三宅とIMP.。三宅は週に2回生配信を行っており、IMP.もキャンプやゲームを楽しむ動画などをコンスタントにアップしている。テレビ番組や雑誌で目にするのとはまた違う、より素に近い状態の彼らに触れることができる。
Instagramを利用している平野と神宮寺は、旅先などプライベートの姿を見られるポストのほか、インスタライブや質問募集を通してファンとの交流を楽しんでいる。Number_iメンバーで唯一Xアカウントを開設した岸も、料理を至近距離で撮影した写真や「3614」(寒いよ)という暗号のような投稿、びっくりマーク多めのテキストと、彼らしいユニークな投稿で和ませてくれている。彼らが見たもの、触れたもの、感じたこと。何気ない出来事がSNSを通して発信されることで、同じ世界に生きていると実感して嬉しくなるファンも多いのではないだろうか。
TOBE全体で言えば、今年7月の運営開始以降、所属アーティストによるリレー方式でメッセージが配信されているオフィシャルLINEアカウントや、11月25日に初回が配信されたYouTube番組『とべばん』も挙げられる。こちらは所属アーティスト全員で行うことで、普段はなかなか見られないメンバー同士の交流も見えてきて微笑ましい。
こうしたSNSでの発信によって、私たちは彼らのことをより身近に感じられる。そして、彼ら自身が楽しんで利用しているのはもちろん、ファンがどうすれば喜んでくれるのか試行錯誤している優しさも垣間見えるだろう。