2023.11.27 21:00

Skoop On Somebodyの揺るがない軸　『Nice'n Slow Jam -beyond-』に込めた“自分たちを越える”想い

文・取材＝榑林史章

3人になって軸が強く丈夫なものになったからこそ、変化を恐れない

――ラストの「終わらないクリスマス」は新曲で、3人が歌い繫いでいくような。

KO-HEY：ここまで長尺で歌うとは思いませんでした。

TAKE：珍しく詞先で作ったんですけど、KO-ICHIROのアイデアで「TAKE、詞先で書いて」って。詞先って難しいんですよ。だから本当の詞先と言うよりは、僕が言葉を書いて、そこからKO-ICHIROがインスパイアされて曲を作って、それを聴いてまた僕が歌詞をリライトしてというかたちでできました。サウンドプロデューサーはKO-ICHIRO、トータルプロデュースは僕がやらせてもらって。歌詞を書く時に、この言葉はKO-ICHIROに言ってもらったほうがいいなとか、KO-HEYのキャラで、ここでこういう言葉でこういうトーンで言ってくれたらグッとくるなとか。頭の中で想像しながら書いていて、レコーディングではそのイメージの通りできました。もちろん想像は超えているんですけど。昨日初めてリハーサルでやったんですけど、「よしよし」と思いました。普段のKO-ICHIRO、普段のKO-HEY、普段の僕というものが、言葉とメロディとともに曲の中に閉じ込められていて。いい意味で“内輪曲”なんです。毎年やっているクリスマスライブで、おそらく最後のほうにやることになるんでしょうけど、「俺たちのクリスマスは終わらないよ」って、ここまで応援してくれたファンに対しての3人からの感謝を伝える時に、僕が代表して歌うのも違うし。

――最後にそれぞれ「メリークリスマス」と言うのですが、KO-ICHIROさんはちょっと照れ隠しでふざけちゃうみたいな。

KO-ICHIRO：あれはトータルプロデュースのTAKEからの指示なんです（笑）。現場で指導されて、一回やっただけで「今のでOKです」って。

TAKE：先ほどの「THE FIRST TAKE」の話にも通じますが、1回目ですでにいい感じだったので。

――でもKO-ICHIROさんっぽいですよね。

KO-ICHIRO：（笑）。

TAKE：あのさじ加減は、地球ゴージャスのミュージカルに出たことで学ばせていただきました。岸谷五朗さんと寺脇康文さんの掛け合いで、あれだけ多くの人が幸せになるんだということを学んで。だったら照れている場合じゃないし。そういうものを自分たちの作品に、いつか反映させてみたいなって。

――「終わらないクリスマス」というタイトルは？

TAKE：Skoop On Somebodyの恒例となったクリスマスライブで、この曲を聴いて、いい年を迎えましょうと。そうなればいいなと思ってつけました。

KO-ICHIRO：クリスマスライブではハンドベルをみんなでやるのが恒例になっていて。今までは有名なクリスマススタンダードをやっていたのですが、オリジナルでハンドベルができる曲が作れたらいいねというのもあって。

TAKE：KO-ICHIROのサウンドメイクも、ソウル好きがちょっと「ニマッ」とするようなオマージュがたっぷり込められています。

――年末に向けては、『Skoop On Somebody「Christmas Live Tour 2023」』があります。そのうち5本は、3人だけのステージになるそうですね。

TAKE： 3人は3人の自由な良さがあって。リハーサルも大変だけど、そこにKO-HEYがいてドラムを叩いてくれているだけで幸せな気持ちになるし、KO-ICHIROが弾いてくれるだけでSkoop On Somebodyになるって思うし。そういう3人のムードが、おかげさまで、KO-HEYがREJOINして以降いろいろなところを回って、できているので。それをファンの人も、大きいホールで大きな音で聴きたいだろうけど、3人を近くに感じたい人もいるだろうし。じゃあクリスマスだし欲張っちゃおうかと。一般から募集して一緒にステージで歌ってもらう“クワイア企画”も、今年もやります。

――では最後に、今年はどんな1年だったかと、来年の展望を。

KO-ICHIRO：今年もさまざまなライブ活動ができて、各地でファンの方と一つになれたよろこびがあって。それをパワーにして音源の制作ができて、アルバムというかたちに残せたことは一つの成果でした。来年は僕が還暦を迎えるということで。+αで、そんなこともみんなに楽しんでもらえることができたらいいなと思っています。

KO-HEY：今年もたくさんリリースさせていただけて、本当にありがたいことだと思っています。今年も音楽に生きることができて幸せでした。その幸せを来年は、もっと大きくしていきたい。もっとできることがいっぱいあるはずだということを再確認というか、もっとできることがあるなと思える1年でした。来年はそれをかたちにできるように、楽しみながらがんばっていきたいです。

TAKE：去年はKO-HEYのREJOINがあったお祭りイヤーだったわけで、そこからSkoop On Somebodyの第三章が始まって。今年はお祭りも落ち着いて、3人でどうやるか力を問われる1年でしたが、力を合わせてしっかり、スタッフとともにいいライブができていたと思います。それを来年も続ける、そして3人になって軸がすごく強く丈夫なものになったので、変化を恐れないというか。かたちは変わっても時代とともに、お客さんに楽しんでもらえるエンターテインメントをどうスタッフと作って広げていくか、ということをもっとやらないとなと思っています。変化はバンバン訪れるんじゃないか。それくらい3人のコアは揺るがない。音楽が好き、人が好き、酒が好き、旅が好き、Skoop On Somebodyが好き。みんなで人生を楽しんで、ここからどう広げていくかですね。

――ちなみにアルバムジャケットに3人が映るのも久しぶりですね。

TAKE：そうですね。昔と同じ並びで似たような衣装で、あれから22年経って、今の俺たちはここにいるという、当時のオマージュになっています。

KO-ICHIRO：前は旭川で撮ったんです。取材では、北海道のロンドンと言っていたんですけどね。

KO-HEY：今回は東京のニューヨークです（笑）。

■リリース情報
NEW Album『Nice‘n Slow Jam -beyond-』
2023年11月22日（水）発売
初回生産限定盤 CD＋2BD　¥9,900-（税込）
24Pライブフォトブック
DISC1（CD）※通常盤共通
１．One Life Stand
　作詞曲：Skoop On Somebody　編曲：Gakushi
２．きみには弱い
　作詞曲：Skoop On Somebody　編曲：Skoop On Somebody
３．sha la la -From THE FIRST TAKE
　作詞：小林夏海、Skoop On Somebody　作曲：FACE 2 fAKE　編曲：FACE 2 fAKE
４．ラビリンス～Mo’ Passion～
　作詞：国広俊樹　作曲：川口大輔　編曲：Skoop On Somebody
５．ステラ
　作詞曲：Skoop On Somebody　編曲：Skoop On Somebody
６．椛～momiji～ Original ver.
　作詞：市川喜康　作曲：Skoop On Somebody　編曲：Skoop On Somebody
７．Every Kiss, Every Lies ～Plug ＆ Play～
　作詞：久保田利伸,Skoop On Somebody　作曲：久保田利伸　編曲：Skoop On Somebody
８．Coming 2 you -Remaster-
　作詞曲：Skoop On Somebody　編曲：Skoop On Somebody
９．祈り～Club SOS ver.～
　作詞曲：Skoop　編曲：Skoop On Somebody
１０．終わらないクリスマス
　作詞曲：Skoop On Somebody　編曲：Skoop On Somebody
DISC2（BD）Coming 2 you 2023　ライブ映像
DISC3（BD）Discotique Nite 2023　ライブ映像