男闘呼組、35年の歴史に幕 燃え尽きるまでのエネルギーで感謝と愛を伝えた『男闘呼組 LAST FOREVER』

 アンコールは黒のスーツで登場した4人。「Stand Out」を経て披露されたのは、ミラーボールのようなキラキラとした光に包まれたミディアムナンバー「Midnight Train」。別れのシーンを歌った同曲の歌詞は、今まさにこの時の4人の気持ちだろう。最後の〈愛してる〉というフレーズには大きな拍手が贈られた。そして「終わらない魂」は、手を左右に揺らすファンと一緒に〈ラララ〉と歌い、最後の思いをそれぞれが語った。

高橋「みんなありがとう。いよいよ男闘呼組の35年間の幕が閉じる時がやってきました。この35年間僕は男闘呼組のことを、応援してくれたみんなのことを一瞬たりとも忘れたことはなかったです。今日、そして明日(8月26日日比谷野外大音楽堂『THE LAST LIVE -ENCORE-』)、これで男闘呼組の活動の全てが終わります。でも今この瞬間のことをずっと胸に刻み込んでいこうと思っています。みんなも俺たちのこの姿を最後まで見守ってください。本当にありがとうございました」

岡本「男闘呼組がデビューした1988年、長い間続いていたイラン・イラクの戦争が停戦しこれから平和になるかと思った矢先、また湾岸戦争が始まり、それ以降もいろんな場所で戦争が起こっています。今もなおウクライナとロシアでかけがえのない命が奪われています。男闘呼組が再始動した2023年、日本全国のライブに足を運んでくれた会場には、皆様の幸せな空気がいつも流れていました。男闘呼組は35年の歴史の幕を閉じますが、男闘呼組のライブ会場に足を運んでくれた皆さんの、たくさんの愛に溢れるエネルギーがこれから先、世界に幸せをもたらしていくことを願っています。皆さんの作り出す存在は、本当に愛に溢れています。この先皆さんが健康第一、健康が一番であることを、心から願っています。ありがとうございました」

成田「男闘呼組がいよいよ、デビュー35周年で……何か複雑な思いがありますけど。1993年に活動停止してから長い間、男闘呼組から遠ざかっていました。僕が一番距離が遠かったかもしれないけど、でもまた去年10月から東京ガーデンシアターを皮切りに全国ホールツアーを経て、昨日が男闘呼組のデビュー記念日で、今日が『LAST FOREVER』ファイナルです。本当にたくさんの関係者の皆さん、スタッフの皆さんに支えられて、励まされて、気持ちよくステージをやり遂げることができていたと思います。そして35年も長い間応援してきてくれたこんなにたくさんの、こんなに愛おしい、こんなに素敵な男闘呼組のファンの皆さんと再会できました。この4人の出会いがあったからこそで、10代の頃に健一と和也と耕陽と出会って、また再会することができて、本当にこのメンバーに感謝しています。僕たちが10代の頃から、50代になっても皆さんが応援し続けてくれたことが、奇跡を現実に変えたと思います。末永く幸せな人生を、老後を、皆さんと一緒に。『50、60歳は喜んで、70、80歳はハッピーに、90、100歳はパラダイス』」

前田「今日は本当にありがとうございます。男闘呼組35周年ですけど、実際に活動していたのは5年です。30年もの間活動していなかったのですが、30年ぶりにライブをやろうっていう時に、日本全国を回ってすごくたくさんの人たちに迎えていただいて。僕らの1年間の活動で、皆さんとの30年間の空白を埋めることができたでしょうか。僕ら4人と会場に足を運んでくれた皆さんとの絆はすごく強いものだと感じることができました。この絆をさらに強いものにするために、みんなで一緒に歌いましょう」

 涙を堪え、時に言葉を詰まらせながら、必死に今の思いを語った4人。それを我がことのように受け止め、一緒にすすり泣いたファン。それを見て肩を抱き寄せ合った4人。そして「終わらない魂」が再び始まり、男闘呼組と共に歩んだ最後の1秒まで魂に刻み込むように、ファンの合唱だけがいつまで日本武道館に鳴り響いた。

 Wアンコールで再び登場した4人は、最後に4人だけで、アコースティックで「FOREVER」を歌った。「最後に永遠の愛の歌を捧げます」と高橋。ビジョンに歌詞が映し出され、それを一緒に歌ったファン。肩を組んで手を振って、全てをやり切ったといった、実に清々しい笑顔でステージを後にした。

 公演が終了するとツアーのクレジット映像と共に、男闘呼組活動再開の火蓋を切った成田のソロ曲であり、その後成田・高橋・岡本・前田を中心に結成した新バンド・Rockon Social Club名義としてリリースされた「パズル」が流れた。〈なくしたパズルのピースが 今ごろ出てきた 色褪せて誇りかぶって 不恰好で 頼りない そのピースをはめてみたら あの頃の俺たちが 照れながら でも誇らしく 笑っていたよ 不思議なくらい馴染んで 俺たちだけのパズルになったんだ〉……4人の再会をジグソーパズルに重ねて歌った曲。パズルは一度作ったらおしまいではない。何度でも、崩して好きな時に遊べばいい。バンドもきっとそうだろう。しかし、間違いなく“男闘呼組”というパズルは、期間限定の活動をもって完成されたのだ。

「最後に皆さんもご唱和ください。ウィー・アー・男闘呼組!」

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