ジャニーズWEST、『サマソニ』出演で「絶対に楽しませる」ライブを実践 “フェス荒らし”としての大きな一歩
ジャニーズWESTが、8月19日、20日に東京と大阪で開催された日本最大級の音楽フェス『SUMMER SONIC 2023』(以下、『サマソニ』)に出演を果たした。『サマソニ』に出演したジャニーズは、TOKIO、ENDRECHERI(.ENDRECHERI.)に続いて3組目となる。昨年『OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL(METROCK)』で音楽フェスに初参戦した彼らが、デビュー10年目にして満を持して、日本3大フェスに数えられる『サマソニ』でパフォーマンスを披露した。
『サマソニ』の様子は、一部がWOWOWオンデマンドでも配信され、ジャニーズWESTのステージは8月20日に出演した東京公演(ZOZOマリンスタジアム・MARINE STAGE)での前半4曲を見ることができた。合わせて公開されたライブ後のコメントの中で、メンバーの小瀧望が満面の笑みでライブの興奮を語ったように、本人たちも自分たちの魅力を出し切った実感に溢れていた。
バンドをバックに従え、胸に「JOHNNY'S WEST」の文字、背中にはジャニーズWESTの人数を示す「7」の数字をあしらったお揃いの衣装で、ステージに登場した7人。1曲目はデビュー曲となる「ええじゃないか」、2曲目は「ズンドコ パラダイス」という、『METROCK』でも披露した彼らの代表曲で会場を盛り上げた。「ええじゃないか」では、間奏で恒例の、神山智洋と濵田崇裕によるアクロバットも見られた。冒頭、各メンバーが思いの丈を叫ぶ中、神山が会場に放った「アイドルぶちかましに来ました!」という言葉のとおり、『サマソニ』という舞台で、アイドルとしてのパフォーマンスを堂々と出し切ったところに、彼らのアイドルに対する矜持を感じた。
ステージで印象的だったのは、何といっても、彼ら自身が心から楽しそうだったことだ。パフォーマンスをする中、拳を振り上げる観客に対し、重岡大毅が「なんでそんな笑ってんねん」と嬉しそうに話す様子は、『サマソニ』という空間を誰よりも楽しんでいるようだった。ヤバイTシャツ屋さんのこやまたくやが提供した楽曲「WEST NIGHT」では、歌う小瀧の後ろで、他のメンバー6人がもみくちゃになるシーンも見られた。その様子を背中に感じながら、いつも気持ちが乗っているときに出る小瀧のがなり声も聞かれ、全員が楽しさを競うようなステージとなった。中間淳太も思わず「楽しそうやん」と会場に語りかけたように、観客もつられて楽しくなっている様子が伝わってきた。
また、メンバー自身が興奮する中でも、定評のある歌唱力を中心に、安定したパフォーマンスを披露した点も、ジャニーズWESTの真骨頂といったところだ。特に、桐山照史の厚みのある声は、野外でも堂々とした圧倒的な存在感を放っていた。楽しさだけでなく、日本有数の音楽フェスにふさわしい実力を示した点に、ジャニーズWESTが『サマソニ』に出演した意義があったように感じられた。