日本武道館はアイドルのドラマが生まれる場所に ExWHYZ、クマリデパート、≠MEら脈々と受け継がれる特別な想い

 アイドルにとって「日本武道館」という場所はどんな存在なのかーー。アニメ化、映画化もされた漫画『推しが武道館いってくれたら死ぬ』というタイトルがあり、いずれもヒットしているのは、アイドルにとっても、ファンに「日本武道館」はそれだけ大きな目標となる場所であるという共通認識が持たれている証だ。

 たとえば、プー・ルイ、ヒラノノゾミ、カミヤサキ、テンテンコ、ファーストサマーウイカ、コショージメグミの6人体制によるBiSも、2014年に解散ライブを開催する際、ファイナルの地として日本武道館を目指していた。しかし同グループは「BiSは日本武道館で解散することを目標に動き、主催者(ニッポン放送)と話し合いを重ねてきましたが、BiSの今までの活動により武道館公演を断念する結果となってしまいました」と公式より断念を発表。同年7月8日『BiS解散LIVE"BiSなりの武道館"騙された気分はどうだい?』と題して横浜アリーナで解散ライブをおこなった。いろいろな事情があったにせよ、アイドルシーンを変えるほど勢いがあった当時のBiSも立つことができなかった、その場所。あらためて日本武道館は神聖かつ特別な場所であることを痛感した出来事だった。

 そんなBiSのマネージャーを担当していた渡辺淳之介がのちに設立した会社、WACKの所属アイドルで初めて日本武道館のステージに立ったのがExWHYZ。2017年にEMPiREとして結成、2022年の改名から約1年の“スピード出世”だったが、2023年1月に公式より発表された際には「簡単に成功させられるとはメンバースタッフ一同考えておりません」と緊張感が漂うコメントが綴られていた(※1)。

 そして同年5月13日に開催された日本武道館公演。ExWHYZは、“事務所初”という使命を背負いながら見事に成功を収めた。同グループが切り開いた新たな道は、今後WACKからデビューするグループにとっても、一つの指針になるような公演になったのではないだろうか。

クマリデパート、PassCode、≠MEが日本武道館に

 2023年はほかにも注目グループが日本武道館で公演を行っている。クマリデパートは結成8年目で大舞台に手が届いた。アイドルファンにとっては、同グループのプロデューサーをつとめるサクライケンタが、2010年代のインディーズと地方(大阪)のアイドルシーンを前進させたいずこねこ、そしてアイドルソングとパフォーマンスの点において発展と可能性を拡張させたMaison book girlを経て、クマリデパートで日本武道館へ到達した意味は想像以上に大きいように感じられた。

 同じく大阪から全国、いや世界規模で名前を知られつつあるPassCodeも2022年に日本武道館公演を成功させた。大阪の堺を拠点とする小さな事務所から大きな後ろ盾もなく歩み始め、音楽を作り続けた日々。結成当初は現在のような路線ではなく、さまざまな模索を繰り返していた。ライブ当日、PassCodeが初期を回想する映像をまじえた演出を行った理由も、やはりそこが「日本武道館だったから」と言えるのではないか。

 指原莉乃がプロデュースする≠MEは2023年6月29日、30日の2日間、全国ツアー『We shout“I am me.”』のファイナルを日本武道館で迎える。3月31日の東京国際フォーラムでの結成4年目ライブ『≠ME 4th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』でその旨が発表されたとき、メンバーは号泣し、また歓喜にわいた。

 一方で2023年3月にはぜんぶ君のせいだ。が無期限活動休止前のラストライブを、2022年9月には26時のマスカレイドが解散前に日本武道館公演を開催した。両グループとも同会場での公演は念願だったこともあり、ひとつの「区切りの場所」に選ばれた。

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