ジャニーズWEST×アーティストの化学反応　こやまたくや、大橋ちっぽけ、ズーカラデル……個性豊かな楽曲を歌いこなす技量

　3月1日に9枚目のアルバムとしてリリースされたジャニーズWEST『POWER』のセールスが好調だ。初週で自己最高となる24.9万枚を売り上げ、3月7日発表のオリコン週間アルバムランキングでは初登場1位を獲得した。同アルバムには、高いポテンシャルを持つ7人の魅力をさらに感じることができる楽曲がたっぷりと収録されている。今回は注目アーティストが手がけた楽曲についてフォーカスしてみたい。

“旬”のアーティスト×ジャニーズWESTが生み出した今後の可能性も示唆する化学変化

　“ヤバT”こと、ヤバイTシャツ屋さんのこやまたくやが作詞・作曲を手がけた「WEST NIGHT」は心地よいスピード感に、ノリの良い関西弁を乗せることでよりジャニーズWESTらしさを感じる。サビの〈わいわい！今夜作るストーリー　えーえー感じケミストリー〉〈最高の夜にするぜ君と居ると　楽しい！！！！！！！〉の頭文字を並べると“WEST”となる遊び心とグループへの愛が詰まった歌詞にも注目だ。また後半怒濤のように押し寄せる高速ラップを完璧に歌いきる7人の熱量あふれる歌唱もポイント。

　「忘れないでいてね」を提供した大橋ちっぽけは今回の楽曲提供について、3月4日に自身のインスタライブで「こういう言葉が街に溢れていたら良いな、そういう世界だったら救われる、という気持ちを絞り出して歌詞を書いた」「めちゃめちゃ素直に曲を書いて受け取っていただけた」と語った。テンポの良い楽曲に乗せ〈愛し方は忘れないでいてね〉〈本当の君を無くさないでね〉と〈「優しく在りたい」なんて　その想いだけでじゅうぶんさ〉とそっと肩を抱いてくれるような温かい歌詞が心に響く。少し疲れたときや元気がない時に寄り添ってくれるような楽曲だ。優しいメロディに乗せ、語りかけるような柔らかな7人の歌声が彩りを添えている。

　札幌発の3ピースロックバンド、ズーカラデルが手がけた「似てないふたり」。ズーカラデルらしいシンプルでいながら耳に残るサウンドが心地よい。今回の楽曲提供にあたり、コンペ形式ではなく、制作スタッフから「自分たちの中にある物をジャニーズWESTを通して伝えて欲しい」と依頼されたズーカラデルの3人。作詞を手がけた吉田崇展（Vo/Gt）は『69号室の住人』（TOKYO MX）にゲスト出演した際に「自分らの歌では言えないような強いパンチ力がある言葉もあのひとたち（ジャニーズWEST）なら乗りこなしてくれるんじゃないか」と制作秘話を明かした。今回は3人が演奏で参加しているほか、鷲見こうた（Ba）の提案で、曲中のクラップをジャニーズWESTが担当。発売に先駆け、公式YouTubeチャンネルでは「似てないふたりYouTube Original Recording」も公開された。優しく包み込むようなメロディと等身大の歌詞が創り出すズーカラデルの世界観を7人それぞれの表現力でパフォーマンスする姿をみることができる。ライブ会場が一体となってクラップする場面を想像させる珠玉の作品となっている。