Snow Manと『滝沢歌舞伎』の歩みを振り返る 厳しい稽古の中で身につけたエンターテイナーとしての実力

『滝沢歌舞伎』がもたらしたアイドルとして、ひとりの人間としての成長

 『滝沢歌舞伎』はジャニー喜多川氏と滝沢が作り上げた和のエンターテインメントを凝縮した舞台だ。滝沢本人が演出も手掛けるようになり、常に斬新で、観客に感動を与える総合エンターテインメントに昇華させた。現在では同舞台の代名詞となった腹筋に負荷がかかった状態で和太鼓を叩く「腹筋太鼓」も回を重ねる毎によりダイナミックに進化させた。

滝沢秀明 / 「滝沢歌舞伎2018」“完全密着ドキュメント~名古屋編~”ダイジェスト映像

 同舞台は、厳しい稽古であることも知られており、『滝沢歌舞伎』のメイキング映像や『RIDE ON TIME』(フジテレビ系)でも、息も絶え絶えになりながら挑む姿が見られる。また滝沢が時には先輩として、あえて後輩に厳しい姿勢でアドバイスする場面もあり、アイドルとしてだけでなく、人間として大きな成長を遂げているように思う。厳しいレベルを要求される舞台にともに挑むことで、メンバー間の絆も、より強固なものになっていっただろう。

 同舞台で9人に求められるレベルは高く、『RIDE ON TIME』でも前述した「腹筋太鼓」中に、手の皮がむけるほど全力でパフォーマンスをする姿があった。身体的にも精神的にも厳しい状況の中、果敢にチャレンジを続けていく姿勢こそ、彼らのみが継承し得た“ジャニーズイズム”なのではないだろうか。

 『滝沢歌舞伎』には歌舞伎や変面など歴史ある伝統芸能を含め、ダンス、歌、殺陣、アクロバットなど“芸”のエッセンスがふんだんに盛り込まれている。かつて『RIDE ON TIME』で渡辺が「『滝沢歌舞伎』は芸能学校」と表現していたように、芸能に必要な要素ばかりだ。これらをJr.時代から滝沢を通じて体得したことが、現在の9人のポテンシャルの高さに繋がっているように思う。

 昨年の『滝沢歌舞伎ZERO 2022』では、メンバー全員による圧巻の連獅子や、大量の水を使った大迫力の大立ち回りもダイナミックに演じたSnow Man。目黒とラウールの「Breezer」をはじめとして、深澤、渡辺、宮舘の「Into the sky」、岩本の「変面」、向井と阿部、佐久間の「My Friend」など、これまでの伝統を大切にしながらも、9人ならではの個性を打ち出したパフォーマンスでエンターテインメントを届け、会場を魅了する姿が印象的であった。

 まもなくスタートする『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』は9人それぞれの思いを込めてどのような演目が届けられるのか。今回は初の試みであるライブビューイングも開催され、全国のファンが圧巻のステージを大きなスクリーンでタイムラグなく体感できる楽しみも。ジャニーズにとってかけがえのない歴史ある舞台を、Snow Manが継承し、美しく花開かせた集大成を見届けられることを幸せに思う。

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