『バズリズム02』密着取材でも話題 DeNeel、解放的なロックサウンドに酔いしれた初東名阪ツアー最終公演レポ

 DeNeelが1月20日、キャリア初の東名阪ツアー『I WONDER WHAT HAPPENED』のファイナル公演をShibuya eggmanで開催した。昨年12月にリリースされた2nd EP『-色相-』の楽曲を軸に、彼らの持ち味である懐かしさと新しさが混ざり合った極上のサウンドを届け、夜の渋谷を大いに盛り上げた。

 最初に登場したのは、3ピースバンドのdownt。透明感のある歌声と洗練されたサウンドで、フロアの空気を一瞬でdownt色に染め上げていく。MCで富樫(Vo/Gt)が「大切なライブに呼んでいただけて嬉しいです」と少しぎこちなくDeNeelへ感謝の気持ちを丁寧に伝えると、河合(Ba)が「あたたかい雰囲気に慣れてなくて緊張してるんだと思います」とフォロー。曲を重ねるうちに少しずつ富樫の緊張もほぐれてきたようで、後半では3人がアイコンタクトを交わしながら笑顔を見せる場面もあった。

DeNeel

 続いて、この日の主役であるDeNeelが登場。メンバーが一人ずつ入場してくると、downtの作り上げた美しくも儚い空気が彼らの纏う独特のオーラで塗り替わっていくのがわかった。ライブの幕開けは、「百鬼夜行」。重めのロックサウンドと、どこか脱力したようなボーカルで、ダーティな雰囲気を作り上げていく。「新時代」では観客たちが自然と繰り出した手拍子に、中野 エイト(Vo)は「いいっすねぇ」と満足気。浦野 リョウヤ(Gt)の奏でるキャッチーなフレーズと、龍野 リョウ (Ba)の骨太な重低音が混ざり合い、ライブのテンションをどんどん上げていく。フロアでは、音に酔いしれるように身体を揺らしたり、手を上げたりと、思い思いに彼らの音楽を楽しんでいる様子が見えた。

 MCでは、中野が「“シキサイ”というEPを出して……」と話し始め、龍野から「“シキソウ”な(笑)」と即ツッコミを入れられるという、微笑ましいやり取りも。飾らないリラックスした空気の中で「みなさん今日は、各々好きな感じで楽しんで帰ってくれたらいいかなと思います」と中野が素直な気持ちを伝えると、ここからは『-色相-』の世界へ。「ウィスキードレス」では日野 ユウキ(Dr)の刻むタイトなビートに、うねるようなギターが絡み合い、中毒性のあるサウンドを奏でる。不穏なノイズSEからなだれこんだ「R.A.W」では、伸びやかで美麗な中野の歌声で観客を酔わせた。バラード曲「アカシアの花」では、女性目線で恋愛の儚さをエモーショナルに歌い上げるなど新たな一面を見せ、観客の心を強く掴んだ。

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