HYBE、2022年度の活動総括&来年度への展望明かす 次元やジャンルの境界を超えた“コンテンツの拡張”がテーマに
さらに、HYBE傘下の各事務所やアーティストによる現状と今後の展望が語られた。ファンと共に曲を作る企画をツイートしたSEVENTEENのWOOZIは日本のドームツアーを「自分たちにとっても夢のようだけど、CARAT(ファン)の皆さんが何より喜んでくれた」と語り、プロデューサーのBUMZUも「プロデューサー、アーティストは同じ船で舵を握っている仲間のようなもの」とグループの在り方についてコメント。今年デビューしたばかりのLE SSERAFIMは「本人たちの話をするというのがこのグループのコア」であり、それを表現するにはどうしたらいいかに全力を傾けている現状を語った。YUNJINとSAKURAのコメントの通り、SOURCE MUSICは「メンバーだけじゃなくチーム全体がLE SSERAFIM」と言って良いようだ。
「より新しく、完璧に近づきたいというメンバー達の意欲をベースにしたストーリーを元にコンセプトを作る」というTOMORROW X TOGETHERは、デビュー4年目を迎えた今年以降もより進化した新しい側面を見せるべく準備中とのこと。コロナ禍でデビューしたENHYPENは、JUNGWONとHEESEUNGが初めての大規模なオフラインコンサートでのときめきを語っていた。 HYBE LABELS JAPANから初のデビューアーティストとなる&TEAMに関しては、『&AUDITION』からメンバーを見てきたサウンドディレクター・Soma Gendaが「つながり」を意味する“&”をキーワードに、日本から世界を目指すという抱負を語った。HYBEに自主レーベル<KOZ>を移籍してすぐ兵役義務についていたZICOは、「自分にプレイヤーとしてのリアルな感覚が残っているうちにやらないと、新人に共感もしづらいし、より僕の経験が助けになると思う」と、噂されている新人アーティストデビューへの意気込みをのぞかせた。
HYBE AMERICAと<ゲフィン・レコード>が合同でガールズグループをデビューさせる計画は現在進行中で、グローバルオーディションには10万人以上の応募があった。現在選ばれた練習生たちは韓国式のノウハウをアメリカ式にローカライズしたT&D(Training&Development)方式でトレーニング中とのこと。この方式は、SMエンターテインメント創設者のイ・スマンがK-POPの海外進出にあたって考えた「カルチャーテクノロジー理論」第3段階のやり方で、「K-POP3.0」とも呼ばれ、現在多くの大手事務所が実践しつつある手法だ。
今後の具体的な計画としては、12月7日に&TEAMがデビュー、2023年1月にはTOMORROW X TOGETHERが5枚目のEPでカムバック、BTSは直近ではRMのソロアルバムがリリース予定とのこと。ほか、ミニョンのソロアルバムが準備中で、fromis_9とSEVENTEENは来年上半期にカムバック予定。
BELIFT LABからは現在進行中の海外ツアー後にENHYPENのニューアルバム、また2組目の新人アーティストデビュー予定。加えて、『I-LAND 2』が来年上半期にオンエア予定とのこと。SOURCE MUSICのLE SSERAFIMはアジア・北米を含むグローバルツアーを開催。また、HYBEからの新人ボーイズグループデビュー予定に関しても公式に言及があった。
ミン・ヒジンが代表理事を務めるレーベル<ADOR>に関しては「来年度も引き続きNew Jeansのプロモーションを行う」という告知のみだったがブリーフィングの配信後、年内に新シングルのリリース予定があることがレーベルのSNSを通して発表された。New Jeansのデビューにあたってのリリースに関してもHYBEは一切知らなかったとCEO本人が語っていたように、<ADOR>に関してはアプリ「Phoning」も含めて独自路線の独立運営ということなのかもしれない。
最後にパン・シヒョクが語っていたのは、「1コンテンツ2ファン」。これはファンを軽んじるという意味ではなく、ただファンの要望や希望にそったコンテンツを出すのではなく、ファン自身もまだ気づいていないような新しいニーズを先んじてコンテンツ提供をしていくという意味だそう。想像して具体例を出せるようなものではなく、ファンでさえも想像がつかないような新しい欲望を掻き立てられるようなコンテンツを提供していかなければいけないという、自戒や目標のようなものではないだろうか。
ブリーフィング全体を通して感じたのは、今やHYBEは「音楽」や「パフォーマンス」の提供にとどまらず、「ファンビジネスの共同体」であって、国・言語どころか次元・ジャンルの境界を超えた限界のないビジネス/コンテンツの拡張を目指しているのではないかということだ。大手事務所であればどこもある程度目指していることだろうが、それを理念という形で誰でもアクセス可能なYouTubeで配信し、ファンをも巻き込んで共有・発展させようとするかのような姿勢は、HYBEならではのやり方だ。
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