また、ダンスパートにおいては佐野雄大と尾崎匠海が新しい姿を見せている。佐野と尾崎はどちらかといえば、キラキラした爽やかなイメージを持つメンバーだ。だが〈乾いた心に OASIS〉から始まるラップパートで池﨑理人と佐野、西洸人と尾崎という組み合わせでパフォーマンスしているシーンでは、重めのラップをする池﨑と西の雰囲気に合わせるかのような今までにない表情を見せている。こうした部分も、同作で発揮された新しい一面ではないだろうか。

　その他にも後藤威尊や髙塚大夢が今まで以上の透明感を放っていたり、田島将吾や松田迅が見る人を楽曲に引き込む表情を見せていたり、一人ひとりのスキルが高まっていることがわかる。また、パフォーマンス全体の流れも過去作よりパワーアップしている。演出や振りが今までにないくらい歌詞に沿っているのである。冒頭のダンスを見ただけでも、顕著にわかる。〈心に灯をつけ〉で手を炎のように上に上げ、〈この扉をKnock〉でノックの仕草。〈息凝らし緊張は二倍〉では息を表すかのように口元を抑えてから指で「2」を作り、〈時が経つほど大きくなる疑問符に〉の手の動きは「？」をなぞっているようにも見える。より一層楽曲に込められたメッセージを伝えようとしており、新しさとそれを表現できるようになった彼らの成長を感じられるはずだ。

　楽曲を聴けば聴くほど、MVを見れば見るほど、魅力が伝わってくる「Password」。8月13日にはYouTubeのSTUDIO CHOOMチャンネルよりダンス動画が公開され、今後はテレビ番組で披露する機会も増えていくだろう。カップリング曲含め、まだまだメンバーの新しい一面が見えてきそうだ。『M』の全貌が見える8月24日が待ち遠しい。