草なぎ剛の“ジーンズ愛”語る姿に癒されて 『アメトーーク!』出演前にその深さを確かめる
好きなものについて語っている人は、とても魅力的だ。そもそも好きなものがあるというのは、毎日を豊かな気持ちで生きている証拠なのだから。ましてや、その人自身が多くの人の“好きなもの”となっている場合には、好きな気持ちが相まって愛しい時間が流れていく。8月18日は、まさにそんな夜がやって来る予感がする。
草なぎ剛が『アメトーーク!』(テレビ朝日系)に出演するのだ。それも、この日のテーマは「ジーンズ大好き芸人」。芸能界屈指のジーンズ好きで、1999年から5年連続で『ベストジーニスト』に選ばれ殿堂入りを果たしている草なぎが、このテーマで登場しないわけがない。とはいえ、地上波バラエティ出演そのものが久しぶりということもあり、よくぞ実現してくれたと嬉しい気持ちでいっぱいだ。
何回聞いても飽きさせない熱い語り口
もちろん、これまでも数多くのメディアでジーンズ愛を語ってきた草なぎ。例えば、デニム好きになったきっかけは中学1年生のころ友人の兄が履いていたリーバイス501がチャックではなくボタンになっていて衝撃だったから……など、もしかしたら同じエピソードを聞いたことがあるという人もいるかもしれない。それでも不思議と何度も楽しく聞けてしまうのは、草なぎの語り口の熱量が全く冷めないから。いや、むしろ加速しているようにも感じるからではないだろうか。
満を持してYouTubeチャンネルでジーンズについて語った動画『【博物館級!?】炭鉱から発掘された100年前のカバーオールを紹介!』で見せた、リーバイス501を手にしたときの表情はまるで今初めてゲットしたかのような満面の笑みだった。そして「カッコいいでしょ、これ!」と、こちらに見せながら実に嬉しそうに語りかけるのだ。さらに、チャックだと壊れたら致命的だが、ボタンは1個ダメになったとしても残りのボタンでとめられること、そしてすぐに直すこともできるのだと聞いて「すげーなと思って! そこからハマっていったね」と当時の気持ちそのままに瞳を輝かせる。
そんなイキイキとした草なぎを見ていると、もしかしたら人は好きなものについて語るとき、それを好きになった当時まで若返るのかもしれない、なんて思ってしまうほど。きっと草なぎ自身も何度も語っているうちに、その語り口も磨き上げられていくのだろう。『アメトーーク!』では、そんな最新のジーンズトークが聞けると思うと楽しみでならない。
人生にも通じるヴィンテージとの向き合い方
また、草なぎのトークを聞いていて興味深いのは、他の衣類であれば欠点とみなされる部分を「ダメなところがよく見えちゃう」と魅力に感じているところ。動画『【ファッション】草彅剛を支えたデニムたち4選を紹介します!!』でも、一部脱色されているジーンズを手に取り「これもなんか好きなの。ザ・一点物って感じじゃないですか」と触りながら楽しそうに解説していくのだ。
何をしたらそんなふうに変色するのか。折って置いていたところに何か薬剤がかかってしまったのか……と、そのジーンズの最初の持ち主が履いていたであろう1950年代に思いを馳せる。そうなったら、穴が空いているのも「ナイス!」と感じるのだそう。ジーンズというファッションアイテムそのものの形が好きなだけでなく、それを履いていた人をも含めて愛しく思うのが、草なぎの温かな部分。ロールアップの折れ目のあとを見て、「ボーイが履いていたかもしれない」と声を弾ませたこともあった。
過去に生産された量は新たに作ることはできず、また全く同じダメージを持つジーンズは2つとない。そのなかで出会えた縁を楽しむ様子が、まるで人生論のようでグッとくるのだ。「新しいものにはない魅力」「唯一無二なんだよね」と、ヴィンテージならではの魅力を説く草なぎ。人も日々の生活を通じて傷つき、クセを作りながら生きている。それを「味がある」「雰囲気がいい」「超いい感じになってきた」「古くなるだけじゃなくて、そこに輝きがきちんとある」と認めてくれるような発言に励まされる人も少なくないかもしれない。