そして、7月8日にリリースされたばかりの新曲「WAiKiKi feat. Ayumu Imazu」もきわめて魅力的。夏のリゾートを想起させるサウンドのなかで、VILLSHANA、Ayumu Imazuの官能的な甘さをたたえた歌声が響くナンバーだ。

　最初に聴こえてくるのは、アコギの音色と波の音。さらにパーカッシブなビートとともに〈裸で遊んでるワイキキ／俺の首凍ってるICP〉というラインが響き、リスナーを瞬く間にビーチへと連れ出してくれる。

　まず印象に残るのは、様々なルーツが混ざり合うようなトラックメイク。ヒップホップ、サーフロック、ダンスホールレゲエ、ネオソウルなどのテイストをさりげなく散りばめたサウンドには、親しみやすさとオリジナリティが共存している。このハイブリッド感はVILLSHANAの特徴の一つだろう。

　リリックの内容は、夏の浜辺で繰り広げられるラブアフェア。〈暗くなっても帰る気ないお家／俺と同じじゃん合ってる好み／余り物じゃ持て余すJealousy〉とユルめに韻を踏みながら、情景描写と恋愛の駆け引きを同時に描き出している。メッセージやシリアスな感情を吐露するのではなく、“夏の恋”にフォーカスを当てることで、幅広い層のリスナーの想像力を刺激し、楽曲の世界に自然と入り込めるのだ。

　もちろん、2人のボーカリゼーションも素晴らしい。なめらかなメロディラインによってリスナーの心と身体を揺らすAyumu Imazuの歌声、日本語と英語を交えながら心地よいグルーヴに結びつけるVILLSHANAのラップ。Z世代のネクスト・ポップアイコンとして注目を集める両者の化学反応こそが「WAiKiKi feat. Ayumu Imazu」の核であり、最大の魅力だろう。

　ドープな音楽性と色彩豊かなポピュラリティ、ゆったりとしたチル感を併せ持ったVILLSHANAの音楽。「caffè e llatte feat. $HOR1 WINBOY」「First Love feat. natsumi」、そして「WAiKiKi feat. Ayumu Imazu」によって、彼の存在はさらに多くの音楽ファンにシェアされることになりそうだ。

■リリース情報
VILLSHANA「WAiKiKi feat. Ayumu Imazu」
2022年7月8日（金）配信開始

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