K-POP新世代グループは歌唱力もポイントに? NMIXX、STAYC、aespaらの実力から考える
近年、次世代K-POPガールズグループの誕生が相次いでいる。2018年以降にデビューしたグループは「第4世代」と呼ばれており、すでにシーンでその存在感を示している。
K-POPといえば、デビュー時からの高い実力が大きな特徴だろう。なかでも「カル群舞」という一糸乱れぬダンスのイメージが強いが、最近は歌唱力も評価される傾向が見られる。そこで今回は歌唱力の観点から、3つの第4世代ガールズグループに注目していく。
ガールズグループの名家 JYP所属、NMIXX
ガールズグループの名家、JYPエンターテインメントから今年2月にデビューしたNMIXX。彼女らはデビュー前の2021年8月から「JYPn」としてYouTubeチャンネルでパフォーマンス動画を続々と公開。当時から全員の実力が高く評価されており、デビューに期待が高まっていた。
そして迎えたデビュー曲「O.O」。同曲は、“MIXX POP” という2つ以上のジャンルを1曲に融合した様々な魅力を一度に味わえる独自の新ジャンルで、NMIXXの個性を活かすものだという(※1)。曲調が何度も変わるため歌い上げるのが難しく、振り付けもボーイズグループ並の激しさがある曲だが、彼女たちはライブでも完璧にこなす。デビューシングル 収録曲の「TANK」でも素晴らしいパフォーマンスを見せる。
NMIXXの特徴は何といっても、全員がボーカルを担当しているということだ。デビュー前からツインボーカルとして注目を集めていたリリー(LILY)とヘウォン(HAEWON)をはじめ、ソリュン(SULLYOON)・ジニ(JINNI)・ベイ(BAE)・ジウ(JIWOO)・ギュジン(KYUJIN)、全員の歌唱力が高い。
デビューショーケースや『KISS THE RADIO』(KBS)などでの生歌が大きな反響を呼び、さらにYouTubeチャンネル「it's Live」でカバーしたBLACKPINKの「KILL THIS LOVE」、『KCON 2022 Premiere in Seoul』で披露したStray Kidsの「ソリクン」でもNMIXXの色をしっかりと出しながらクオリティの高いパフォーマンスを見せてくれた。さらに先日YouTubeで公開された「JYP COVER LIVE」でも、JYPの歴代ガールズグループの楽曲をカバーし、話題を呼んでいる。
デビューからまだ日が浅いが確実に存在感を示しているNMIXX。音楽を楽しむ姿が印象的な彼女たちは今後どんな姿を見せてくれるのだろうか。
チャート逆走から一気にスターダムを駆け上がったSTAYC
STAYCは、2020年11月にHigh Upエンターテインメントからデビュー。この事務所はTWICEの「TT」や「Fancy」などを手掛けたプロデュースチーム、ブラック・アイド・ピルスンが設立。グループ名のSTAYCは「Star To A Young Culture」の略で、「若い文化を導くスターになる」という意味が込められている。2021年リリースの「ASAP」はポイントダンスが大きな注目を浴びたことで音楽チャートを逆走し、一気にスターダムを駆け上がった。
STAYCもボーカルの実力揃い。NMIXXと同様に、スミン(SUMIN)・シウン(SIEUN)・アイサ(ISA)・セウン(SEEUN)・ユン(YOON)・ジェイ(J)のメンバーそれぞれが独特な声を持っているだけではなく、歌い方にもこだわっているため、楽曲のいいアクセントとなっている。
デビュー曲「SO BAD」から「ASAP」「STEREOTYPE」「RUN2U」とコンスタントにカムバックしており、活動期間の音楽番組ではライブの安定感が高い評価を受ける。また様々な授賞式や、年末の音楽特番などでもハイクオリティなステージを披露している。
ただこの安定感はひたむきな練習の成果だ。Practice VLOGでは、ライブを想定して息の音やマイクの反響に注意したり、全員でモニタリングし、微調整を重ねてパフォーマンスの精度を高めている様子を確認することができる。
パフォーマンスへのこだわりを強く持ち、妥協せずにクオリティを高め続けるSTAYCは、今年デビューから2周年を迎える。“若い文化を導くスター” として、今後も輝かしい活躍を見せてくれるだろう。