昨年はYOASOBI「怪物」、Official髭男dism「Cry Baby」など、話題のアニメ作品の主題歌から多くのヒットが生まれた。2022年も1月から『進撃の巨人』や『からかい上手の高木さん』などのシリーズ続編をはじめ、人気漫画を原作とした作品など数多くのアニメが放送される。本稿では、そんな注目アニメと声優／声優ユニットらが歌う主題歌を紹介する。

フレッシュな女性声優たちがテーマソングを担当

　『明日ちゃんのセーラー服』（TOKYO MXほか）は、小学生の時は同学年が自分1人だけだった田舎育ちの主人公・明日小路（あけびこみち）が、憧れの私立蠟梅学園中等部に入学。母親が仕立てたセーラー服を着て、夢だった学園生活を送るという内容だ。2016年より『となりのヤングジャンプ』で連載中の人気漫画が原作で、主人公の明日をDIALOGUE+のメンバー・村上まなつが演じる。明日と同じ1年3組のクラスメートのキャラクターには、雨宮天、鬼頭明里、石川由依、麻倉もも、田所あずさ、伊藤美来など人気声優が顔を揃えた。

　オープニングテーマ「はじまりのセツナ」は、先述の蠟梅学園中等部1年3組のメンバーによる豪華な1曲。作詞・作曲・編曲は、乃木坂46などアイドル楽曲を数多く手がける杉山勝彦。シャボン玉がはじけるようなキラキラ感満載のポップナンバーで、誰もが自分の青春時代と重ね合わせたりできる楽曲だ。

　エンディングテーマの「Baton」は、明日の歌うキャラクターソングで、作詞・作曲・編曲はTrySail「adrenaline!!!」などを手がけた中野領太（agehasprings Party）が担当。アコースティックギターをメインとしたフォーキーなサウンドが印象的で、どこか郷愁誘う素朴なメロディと歌声により胸がきゅっと締め付けられるような楽曲だ。また、劇中で明日が憧れるセーラー服姿のアイドル・福元幹（CV：斉藤朱夏）のミニアルバム『hem』も2月23日にリリースされる。音楽活動も行っている声優が数多くキャスティングされていることから、音楽面での展開も楽しみだ。

　『アイ★チュウ』や『A3!』など手がけるリベル・エンタテインメントによって、2019年に次世代声優育成ゲームとしてリリースされた（現在はサービス休止中）『CUE!』（MBS・TBSほか）は、個性豊かな声優の卵が夢に向かって突き進むストーリー。レッスンやオーディションの様子など、普段なかなか見ることのできない声優の世界の裏側が描かれ、今後声優を目指す人も必見のアニメだ。

　テーマソングを担当する“AiRBLUE”は、先述のDIALOGUE+のメンバーを中心に、『アイドルマスター』シリーズ、や『アイカツスターズ！』などで活躍する声優らを合わせた、多彩なキャリアを持ったフレッシュなメンバー16名で構成されている。これまでにチームシングルを含めたシングル12枚、アルバム『Talk about everything』をリリース。水野良樹、ヒゲドライバー、ゆよゆっぺ、PandaBoY、畑亜貴、黒須克彦、ZAQ、中村彼方など豪華クリエイターが参加し、高いクオリティの楽曲で評価を得てきた。

　オープニングテーマ「スタートライン」は、『ウマ娘 プリティーダービー』よりマンハッタンカフェ（CV：小倉唯）のキャラクターソング「楽園」をはじめ、声優やアニメの楽曲などを手がけるshiloが作詞・作曲を担当。これから何かが始まりそうなドキドキとワクワク、そしてフレッシュさが詰まった楽曲に仕上がっている。一方、エンディングテーマ「はじまりの鐘の音が鳴り響く空」は、櫻坂46やHey! Say! JUMPなどに楽曲提供する伊藤賢が作詞・作曲を担当。ピアノを中心としたミディアムなサウンドで、早口でたたみかけるラップ調の展開も魅力だ。夢に向かう過程での悩みや葛藤などを乗り越えて、それでも前に進もうとする意思の強さを歌っており、シリーズ通して貫いてきたこれまでの魅力は損なわず、新たな魅力が開花している。